沈着した全ての汚れを取ることが大切です。
”スケーリング”

日付、時間:Tue Jul 13 15:12:52 Japan 1999    氏名: YOKO   
所在都道府県:東京   職 業:会社員   年 齢:32歳      性別: male  

質問:
こんにちは。以前、左下の奥歯に亀裂が入っている件でご相談したものです。 結局、治療はまだしておりません。そのかわり、奥歯をしっかりブラッシングするようにしています。 今のところ特に問題はないようです。おりをみて、信頼のおける歯科医に行こうと思います。
長くなりましたが、今回はご質問させてください。先生のページにたびたび”スケーリング” という言葉が出てくるのですが、これはどういうことをするのでしょうか。歯石を取るのとは違うよう ですし。よろしくお願いします。

ご意見・ご感想:
私と同年代の方なのに、みなさん歯のことで悩まれているのですね。 歯の健康には年齢は関係ないことがよくわかります。

回答  歯にこびりついた汚れには、いわゆる“歯くそ”と呼ばれるプラーク(歯垢)と歯茎の上に比較的 脆く沈着した歯肉縁上歯石、歯肉の下に堅くこびりついた黒い歯肉縁下歯石、それに食物残渣 などがあります。
 保険制度上のスケーリングは、このうち歯肉縁上歯石だけを除去する治療行為を指します。また、 歯肉縁下歯石を取る行為をディープスケーリング、更に、歯肉縁下歯石を取ると同時に歯根面を 滑沢にする行為をスケーリング&ルートプレーニング(S&C)と区別しています。
歯肉縁下歯石の元は歯肉縁上歯石ですし、歯肉縁上歯石の元はプラークです。 「まず、プラークを除去する方法を教えて(プラークコントロール)、次ぎに歯肉縁上歯石をとりましょう。 そして、もう一度検査をして必要があれば(医療費抑制政策)、歯肉縁下歯石を取ってもよろしい。」 という規則になっています。
しかし、臨床上、それらを区別してとることは無理ですし無意味です。歯肉縁下歯石があると分かって わざと縁上歯石だけ取ることは道義的にもできるはずがありません。ただでさえ、1度や2度の除石 (歯石を取る行為)で縁下歯石を完全除去することが不可能な状況であることは 多くの研究データからも明らかです。

 私がホームページ上で使う“スケーリング”は、縁下・縁上歯石やその他沈着した全ての汚れを 取ることと解釈していただいて宜しいかと存じます。また、プロフェッショナル・トゥースクリーニング という言葉もほぼ同じ意味ですし、解釈を広げると、メインテナンスもスケーリングを中心とした 口腔内診査という意味です。

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