日付、時間:2002年11月6日 14:54
氏名:
所在都道府県: 東京
職 業: 会社員
年 齢: 24歳
性別: female
質問:
こんにちわ。以前根管治療の事で質問させて頂いたものです。その後、痛みは徐々に引いてきてい
ます。
次なる手段として、インプラント矯正もすすめられています。というのも、私自身最近知った事なの
ですがclassU不整合の噛み合わせだと聞かされました。なので根管治療を完璧にこなしたとしても右
左下奥歯(6番、7番)4本だけのあたりの為安静に出来ず痛みが残ってしまうかもしれないとの事
です。噛み合わせを正しくすることによって噛んだ時の全体の比重を軽くしたいそうです。
しかし、顎関節症も併発していて骨も磨り減ってしまっているとのことで、矯正(歯のみ)をした
だけでは良い結果を出す事は難しいと言われています。もう1つの手段として顎の手術と矯正との併用
があげられていますが、外科的な治療よりも歯のみの矯正で治療したいと考えています。
果たしてどちらの治療が適していると思われますか?
私自身も妙に疑問に思うことがあります。
まずその大前提が「人間の歯は通常生涯保たない」という事実があって、我々歯科医は如何にすべき
かという模索があります。最近の流行として顎関節症を始めとした咬合改善によって、それを打破しよ
うという試みがあります。私も顎関節症に関しては、ひとよりも早く10数年前に学び、そして今はほと
んど無縁に近い状態で治療を行っています。
その最大の理由は、咬合理論を全く無視しても“毎月の歯石除去”だけで十二分に当初の目的である
“生涯自分の歯で”が達成可能だという事実を突き止めたからです。“4本だけのあたり”でも“毎月
の歯石除去”さえ実践していれば、何の障害もみあたりません。従って、矯正も外科処置もデメリット
だけが気になって、どちらもお勧めできる心境ではありません。
根管治療の予後はあくまでも根管治療の完成度に比例するものであって、咬合関係に責任をなすり
つけるべきではないと思います。他のページでも申し上げている通り咬合の問題に関係なく、根管
治療の成功率は全国平均で50〜60%です。咬合関係を全く考えない私の医院での成功率が90%以上
ですので、咬合以前に考え直す点があるように思います。
その考え直すべき点を無視して、咬合関係をふりかざす歯科医の本心が私にはどうしても理解で
きないのです。担当医の治療方針を否定するわけではありませんが、少なくとも私ならそのどちらも
提案しないであろうことだけは自信をもって申し上げられます。