エムドゲインの効果は一切信じていません。
「若年性歯周炎」

日付、時間:2002年11月19日 21:15     氏名:   まお    
所在都道府県: 東京   職 業: その他   年 齢: 26歳      性別: female  

質問:
 初めまして。初めてメールをいたします。
 実は、ここ1〜2年の間、歯茎が徐々に後退していくことが気になっていて(特に上の中切歯 と側切歯)、1ヶ月ほど前に歯科(歯周病認定医がいらっしゃいます)を受診しました。そこで、 「若年性歯周炎」であると診断を受け、治療を受けることになりました。ほんとにものすごくシ ョックで、頭の中が真っ白になりました…。

 最初の検査でポケットを測ってもらったところ、前歯で3〜5ミリ、奥歯で6〜9ミリくらい のところが多かったと思います。また、レントゲンを見たところ、比較的歯槽骨が残っているのが 下の前歯の部分だけで、上顎や奥歯は全体的に骨が1/3〜1/2くらい吸収されているように見 えました。特に、第1大臼歯の骨吸収は上も下もひどいようです。
 治療法としては、まず、全体的に歯石を取って(6回に分けて)、その後4本の第1大臼歯の歯 茎を開いて、根元の歯石を取り、エムドゲインを塗る手術をするそうです。

 ここで、心配なことが二つあります。
 ひとつは、私は来年4月から海外(韓国ソウル)へ2年間行くことになっており、3月末まで の約4ヶ月の間にひととおりの治療を終えなくてはならないことです。今の先生も、ぎりぎりの スケジュールだと言っておられました。
 また、もうひとつは、韓国へ行った後のメインテナンスをどこで行うか、ということです。数ヶ 月に一度、東京へ戻って今の先生のところでメインテナンスを受けるべきでしょうか。または、現 地(ソウル)の歯科を探し、毎月のメインテナンスをうけるべきでしょうか。その場合、韓国の歯 周病の専門医のレベルは高いのでしょうか??
それに、いい先生がいらっしゃるかどうかの情報も、私は持ち合わせておりません。

 あと、先日、左下の第1大臼歯の下側の歯茎が大きく腫れてしまいました。そのとき、歯科でそ の部分の歯石をとってもらったのですが、「すごく奥まで歯石がついていて、骨がほとんどないね。 」と言われました。歯石を取ってもらった後、歯茎の腫れがだんだん引いてきたのですが、そこを 舌で触ると、ぶよぶよした感じで、腫れる前より、骨がなくなってしまった感じがするんです(右 と左で明らかに骨の感じが違うと思うのですが…腫れる前は一緒くらいだったと思うのに)。数日 間で、骨が急激になくなるなんていうこと、あるんでしょうか??
 それから、いけないと思いつつ、気になる歯(ほんの少し動揺があるように思います)を舌で触 ったり押したりしてしまいます。また、上の前歯は、かみ合わせた時に、下の歯にぶつかって、少 し動いているような気がします。こういう場合、何か治療法がありますか?

 たくさん質問をしてしまって、申し訳ありません。でも、いろいろと心配なことが多くて、本当 に悩んでいます。 御回答いただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。 

感想:
 このHPは本当に参考になりました。今後も頑張ってください。

回答
 “全体的に骨が1/3〜1/2くらい吸収”は相当深刻な状態ですね。 エムドゲインの効果は一切信じていませんので、その手術そのものには 否定的です。また、手術の基本であるフラップオペ自体にも少し否定的です。  要は沈着した歯石さえ取れば良いわけですから、麻酔をして徹底的な歯石除去と、一旦取っても 必ず再び沈着してくるであろう歯石を取り続けることが重要です。

 どうも私の知り得た知識の限り、先進国中で日本の歯科医療が最低ですので、何も日本に帰ってこ なくても韓国で歯石除去を毎月してくれる先生を探した方が良いような気がします。ロシア、北朝鮮 を始めとした社会主義国家が確実に遅れをとっているのと同様に、先進国でありながら社会主義的体 制を堅持する日本の医療事情のお寒いことに危機感を抱いております。

 歯石除去後の変化については、炎症があって腫れぼったい歯肉が引き締まって、残存する歯槽骨に 即した状態になっただけで急激に骨が消失したものではないはずです。引き締まった状態を保てば 末永く現状維持が可能ですが、炎症の存在を放置しておけばますます骨破壊が進行します。
 舌で押すのは“百害あって一利なし”ですが、病状をそれ程大きく左右するものではありません。 病状を大きく左右するのは、如何に完璧に歯石除去を行って、二度と付着しないように努力するか です。細かい因子を気にする前に、大きな因子だけはしっかり抑えてくださいね。


返信:2003年1月9日 0:47
 こんばんわ。11月19日に「若年性歯周炎」でメールをさせていただきました。早速にお返事を いただき、ありがとうございました。
その後、全顎のスケーリングを終えて、今日再検査をしました。その結果は、歯周ポケットの値 は、2mm〜4mmとなり、前歯はかなり改善したようです。出血もありませんでした。ただ、 奥歯はやはりポケットも深く、出血もあり、なかなか改善していないようです(歯磨きは上手に できている、といわれたのですが・・・)。
しかしその中で、歯周ポケットが5〜7mmくらいだった場所でも、出血をしていないところが 何箇所もありました。これは、どのように解釈したらよいのでしょうか?
?出血していない=炎症が消失していると考えてもよろしいのでしょうか。それとも、多少ポケ ットの値が改善し、出血をしていないとしても、依然深いままなので、あまり状態はよくないと いうことなのでしょうか?

 また、前回にも書かせていただきましたが、私はこの4月より韓国で生活することになってい ます。今後、メンテナンスに入ると思うのですが、メンテナンスの間隔は1ヶ月毎というのがベ ストですか?2〜3ヶ月毎になると、悪化しやすいでしょうか??やはり、外国での治療に不安 があるので・・・歯石は毎月現地(ソウル)の歯科でとってもらうようにしようと考えています が、最初から韓国の歯周病専門医に診てもらうことができないと思うので、歯槽骨の吸収程度や 歯茎の状態などは今の先生のところで診てもらおうかと考えているためです(言語の問題や現地 の歯科に関する情報の少なさのため、とりあえず現地で日本語の通じる歯科へ行ってみようと思 っています)。
以上、またご教示いただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

回答:
 元々歯槽骨破壊が著しく、歯周ポケットの深い場所というのはいくら歯石をとってもポケット の減少には限界があります。歯石の量が減って歯肉の炎症が相当軽減された結果、出血が少なく なったようですが、それだけ深いポケットですと少なからず歯石が残っているはずです。メイン テナンスを継続していく中で、更なる歯石のを心がける一方で、麻酔を使っての徹底除石を追加 する必要がありそうです。

 韓国で「毎月歯石を取ってくれ」と素直に注文されてはいかがですか。言葉の障害はお互い様で、 患者さんの要求が歯科医の治療方針に沿わない場合でも、風習の違いやそれをいちいち説明して納 得させることは多大な労力を費やしますので外国人の要求は比較的簡単に受け入れる傾向があるよ うに思います。

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