日付、時間:2002年12月18日 9:19
氏名: 景子
所在都道府県: 兵庫
職 業: その他
年 齢: 33歳
性別: female
質問:
初めての質問です。よろしくお願いします。
金属アレルギーで体調を崩しています。今年の秋から左上の2小臼歯と第1大臼歯 右下
第@・2大臼歯計4本を削ってアマルガムを詰めたのですが、治療とともにどんどん苦し
くなってきました。
皮膚科の検診では歯科金属にすべてアレルギー反応をおこし、とくに亜鉛と水銀とクロ
ムは強度であるということです。使用して無難なのはインジウムのみとの事です。エステ
ニアの使用を考えたのですが、2点の疑問があります。まずは強度に関してと、使用され
ているプラスティックがどういう物質で環境ホルモンのような害を及ぼさないかという事
です。妊娠した時の胎児への影響が心配で2の足を踏んでいますが、自分自身が早く楽に
なりたいとも思い悩んでいます。
今年に入って治療した4本と、これから治療する左上第2大臼歯左下第3大臼歯と全て
エステニアに変えたいのですが、大丈夫でしょうか。
また、エステニアのほかに何か手段が無いでしょうか。
全て程度問題だと思います。体への影響・強度・審美性・経済的な負担など、何処に重点を
置くかによって選択が異なります。まずあなたの場合、何といっても体への影響を最重点に考
える必要がありそうです。
その場合、水銀を使用するアマルガムだけが突出して悪いのであって、それ以外のものにも
順列があるにしても似たり寄ったりという感じがします。通常、保険内での選択は窩洞の大き
さや形態によってレジン充填か金属(金・銀・パラジウム合金)の選択になります。レジンは
エステニアとほとんど同じ成分で、環境ホルモンの影響は否定できませんが「今の所、影響
は認められない」ことと、それ以上の材質が地球上に存在しない以上“ないモノねだり”を
言っても仕方ないという観点から最善の選択といえるでしょう。
一方、金属インレーについてはレジン以上にアレルギー反応が懸念されますが、これも最悪
の水銀と比較すれば通常は許容範囲と考えられます。この金属インレーにすべき窩洞形態の歯
に関しては、更なるオプションとして保険外材質による選択が可能です。つまり、生体親和性
の比較的優れた金を主体とした金合金やチタンのようにより優れた親和性を有する金属や有機
材質であるエステニア、無機材質のセラミックの3つです。
その中で金属アレルギーに対して最も理想的と思われるチタンは加工性が悪く実際に扱って
いる医院が極端に少なく現実の選択としては難しいと思います(私の医院も扱っていません)。
セラミックは破折・強度の面でどうしても敬遠される傾向にあります。金は親和性に優れてい
るとはいうものの、実際に使用する金合金は成分の配合こそ異なりますが保険で使う金属とは
それ程大きな有為差はありません。最後に残ったエステニアですが、開発されて比較的日が浅
いので強度面での評価が定まっていません。また環境ホルモンという未知の影響があるにも関
わらず保険適応外のために高額な経済負担が必要ですので簡単に“ご推薦マーク”を付ける訳
にはいかないというのが現状です。
いずれにしても永遠に機能する材質など存在しないわけですので、私の価値観から申し上げ
ますと「まずは保険の範囲でできるモノを選択」それでも不都合が生じるようなら、重点項目
を絞って最善の選択をするべきだと思います。