日付、時間:2002年12月31日 23:19
氏名: うさこ
所在都道府県: 愛媛
職 業: 会社員
年 齢: 39歳
性別: female
質問:
初めまして。私は子供の時から虫歯が多く、奥歯の殆どを銀で被せており上前歯(1と2)
4本も差し歯にしています。
質問1.)
差し歯は20年くらいたつのですが2年くらい前に、右側の1か2がひどく痛み出しました。
丁度鼻の辺りを押すと痛みがあり、少しでも温度のあるものを食べると非常に痛みました。
歯科医に行きましたが、根の処置が不十分なようだが、やり変える場合非常に大掛かりな
手術になるので我慢したほうがいい、ということでした。
そのときは1ヶ月ほどで治まりましたが、また最近同じような症状が出てきました。
材質や形などもあまり気に入っていませんので、やり変えたいとも思いますが
差し歯自体には寿命があるのでしょうか?
この場合、治療したほうがいいのでしょうか。
ちなみに歯茎はそれほど黒ずんではないと思います(多少はありますが)。
質問2・)
こちらもかなり前に(やっぱり20年以上前)治療した奥歯(6)が、時々強く噛みしめた
時ズキッと痛みが走ります。まだ神経は取ってないと思いますが、舌で触ると歯と被せ物の
間に隙間があるような気がします。これまで何度もレントゲンも取ってもらっていますが、
特に治療が必要だと言われた事はありません。一度調べてもらうべきでしょうか。
大変長い質問になってしまい、申しわけありません。よろしくお願いします。
まず前歯に関して、
“20年前に神経を取って、鼻の辺りを押すと痛みがあり”とのことですので間違いなく根管治療
(根の処置)の不備による根尖部の炎症(根尖病巣)だと思います。不備といっても20年も経過
してからの発症ということですので、当時の治療そのものは成功といえるかも知れません。材質
的な問題を含めて根管治療の限界という側面もあります。
いずれにしても、一旦さし歯をはずして改めて根管治療をやり直すことによってのみ解決の
可能性(80%?)があります。治療にあたっては、さし歯除去時の歯根破折(もうすでに破折し
ている可能性も数%)や穿孔(余計な部分に穴があく)可能性もあります。それらの治療リスク
を十分理解したうえで適切な根管治療を行えば根本的な治癒が見込まれます。
除去のリスクを避けたり、面倒という理由で手術(歯根端切除術)
を行うことは全く治癒の見込みのない誤った選択です。さし歯自体にも当然寿命はありますが、
そのことと今回の炎症とは無縁です。治療時の破折リスクがあまりにも歴然とした場合には、
当面の炎症を抗生物質や切開・排膿によってごまかしながら一時的な延命処置を選択せざるを
得ない状況という場合もありますが、常識的には“さし歯の除去→根管治療”を積極的に行う
べきだと判断します。もっとも、このホームページに多くの質問が寄せられているように、
“さし歯の除去→根管治療”を的確に行ってくれる歯科医が非常に少ないのが現状で、歯科医
選びは相当慎重である必要があると同時に非常に困難なことであることが予想されます。
奥歯に関して、
前歯同様、根管治療の不備の可能性も十分考えられます。もしくは過去の治療において神経を
取っていなかったとすれば虫歯の進行に伴う歯髄の炎症も可能性として十分考えられます。
一番可能性が高いのは、歯髄に到達するほどの虫歯ではないにしてもそこに貯留した様々な汚れ
から発症する歯肉の炎症です。徹底した歯石や汚れの除去(スケーリング)と伴に一旦装着さ
れた補綴(ほてつ)物を除去して再治療を行う必要がありそうに思います。
これまで行ったことのある歯科医には、もう行きたくありませんし腕の良い歯科医を知りませ
んので大阪のほうに住んでいたら良かったなあ、とつくづく思いました。(メールでは)失礼
かと思いましたが、ありがとうとお伝えしたくてメールしました。