日付、時間:2003年1月21日 21:14
氏名: AS
所在都道府県: 秋田
職 業: 会社員
年 齢: 36歳
性別: female
質問:
部分的に歯周病です。上の両奥歯3本ずつ6〜8ミリのポケットがあるといわれてます。
もう8件以上も歯医者を回りましたが、全て治療法が違い医療不信に陥りそうです。
歯磨きしてれば歯茎が元通りになるというところから、「グラグラする前に連結しておきま
しょう。」という所、歯並びが悪いのでマウスピースを作れとか。。。思い余って大学病院に
いけば「いろんな個性や治療法があるのでどれも間違ってはいませんよ」といわれる始末。
ここのHPで紹介されていた歯周病専門医の先生は、「きちんと歯磨きがされているので一年
くらい様子を見て、それからオペをするかを決めたいとおっしゃってました。
私は、ゆっくり治療法を考えていけそうなのでこの案にすがりたいのですが、一年の間に歯槽
骨の破壊が進むか心配です(先生は清掃が完璧にされてれば、ポケット内のプラークは休眠状
態になるので大丈夫だと)。
今は手で歯磨きして、歯間ブラシを使い、その後染め出しをし、色がついたところを電動歯ブ
ラシでとっています。どこの歯医者にいっても、レントゲンで見ないと歯周病だとわからない
ぐらい引き締まったきれいな歯茎をしていると驚かれます。なのにこの歯槽骨の激しい破壊は
・・!?
体質だと諦めるしかないのでしょうか。
長々とすみませんが、他に、いま雑誌などで話題になっている「骨髄液と血小板で流動骨を
作り歯茎に注射すると100%歯周組織が回復する」という手術は先生はどう見ておられます
か?
正に夢のような話で、治療を望まれる人は沢山いらっしゃると思うのですが、どの程度現実味を
持った話なのか専門家のご意見を伺いたいです。
よろしくお願いします。
感想:
河田先生のような熱心な先生が近くにいれば・・と思います。
これからもがんばってください。
「骨髄液と血小板で流動骨を作り歯茎に注射すると100%歯周組織が回復する」という話は
条件付で全く信じていません。その他の造骨方法についても全く同じ意見です。このホームペー
ジの随所にそのことは触れているはずですが、専門家にすら理解してもらえない理論ですのでこ
こで詳しく解説することは不可能ですが、簡単に説明します。
歯周病…つまり歯槽骨を破壊していく疾患ですが、破壊する原因を除去しないで、如何なる
造骨性の可能性を秘めた方法を用いても造骨の可能性は全く?期待出来ません。残念なことに
現状の歯科界では“破壊する原因”を排除する発想が全くありません。条件とは、“破壊する
原因”が排除できたとすれば、それらの方法が生きてくるはずです。
“全て治療法が違い”がミソです。つまりどの方法を用いてもわずかな改善傾向が認められる
が、決定的な解決策は見当たらないということです。それはとりもなおさず方法が間違っている
ということだと指摘しているのは、おそらく世界中で私一人なのかもしれません。生体の摂理と
して、原因を除去すれば必ず生体は回復します。私の理論では“腐敗した象牙質”を何らかの
方法で排除してやれば回復するはずですが、残念ながら私にもその適切な処理方法がわかりませ
ん。
しかし、回復しないまでも現状維持を図る方法ならすでに確立しています。仮になくなった
骨が回復しないまでも生涯現状維持が可能ならそれはとても有効な手段だと思いませんか。そ
の方法は、徹底的に歯石除去して、二度と歯石が沈着しないように毎月歯石を取り続けること
です。
“部分的に歯周病です”という解釈も大きな間違いの素です。おそらく、明らかにヒドイ所
が部分的であって、その他健康と思っているところはそれ程ヒドクない歯周病部位です。ヒド
イ所を食い止める一方で、ヒドクない所をヒドクしないことこそ最善の防御方法であることを
忘れないで下さい。
毎月歯石を取りつづければ、確実な抑制効果があることを知らない歯科医が余りにも多いこ
とが最大の問題かもしれません。