日付、時間:2003年1月22日 9:03
氏名: I.H.
所在都道府県: ニュージーランド
職 業: 主婦
年 齢: 26歳
性別: female
質問:
はじめまして。歯科治療で不安があり検索してこちらにたどり着きました。現在、ニュージ
ーランドにおります。その前はアメリカでした。小さい頃から歯が悪く(それは私の歯磨きや
認識がいけなかったのは重々承知です)、毎年のように虫歯を治していて、18の頃からはそ
れまでの自分を反省し、半年に1度は定期的に検診をうけるようにしていました。が、数年前
より海外で生活することになり、半年ごとの検診は(保険もないので)難しい状態です。ただ、
一年に1度は歯科医のもとに通うようにしています。
今回ご相談したいのは、右上7番です。
中学生のとき、当時齢60歳代の先生にかかっており、その頃に神経は抜いてあり銀のかぶせ
ものをしてある状態でした。その歯が最近痛みだしたのでこちらの歯医者に行ったところ、か
ぶせものの下に虫歯がある事を疑ったが、それではなく、過去の神経治療が正しくなく、炎症
を起こしているから痛みがあるんだ、ということでした(この診断には納得できます。いわゆ
る根管治療ですよね)。
こちらでは根管治療は専門医にいかなくてはならず、また専門医が少ないため予約は1ヶ月
先になるようです。1ヶ月間、痛いままだからね、と念をおされ、予約しました(結局治療は
してません)。
じつは私は顎関節症で日本で治療中です。スプリントをつくって、顎を動かしている?状態
の途中です。半年後にまた治療を再開する予定でしたが、今回、根管治療待ちに1ヶ月かかり
保険がないので高額、、ならば日本に帰って治療しても同じ?とおもい帰ろうかと悩んでいま
す。
日本ではいまは顎関節症の認定医の先生のところに通っています。この先生にも電話で相談
したところ、「神経の治療は必要かもしれませんね。」とのことでした。ところが、治療して
ないのでこのまま1ヶ月後まで痛いままだと言われましたが、昨日、歯医者に行って中をチェ
ックされてからは、ほとんど痛くないのです。
顎が動いてきているから、かみ合わせがかわって、それで刺激されてこの数日で痛くなった?
と考えてしまいます。・・とはいえ、単なるかみ合わせが悪かっただけだったとは思いません、
確かに治療はしなくてはならないのだとおもいます(レントゲンでは薄い陰が本当に小さく
有るくらいだった)ただ、痛みが無いのならば(かみ合わせが変わり痛みは軽減された?)
このまま6月まで待つことは可能なのだとしたら、待ちたい・・というのが心境です。
もちろん早い方がいいのはわかります。でも、前回10月の日本での治療の際(顎関節症と
虫歯)に言われたことが気になります。他の歯(保険外のブリッジの下)も以前からダッカイ?
して虫歯のようで、「これは小さな虫歯なので、いまブリッジをはずすと時間的にも難しいし(
日本に2ヶ月しかいなかったので)かみ合わせをかえて痛くないようにしておくので、次回帰
国の際にやりましょう(先に顎関節を動かす治療をする。どうせあとでかみ合わせをチェック
するときに虫歯を治療するとのこと)」と言われ、そのブリッジの下は、かみ合わせをかえた
ので今は痛くないのですが、結局8ヶ月手つかずの状態です。これはこの6月にやる予定でし
た。
ブリッジの下の虫歯は8ヶ月のあいだ、治療を待っている状態なら、かみ合わせが変わり痛
みが軽減された今回の根管治療の必要は急を要するものなのでしょうか。これも6月まで待て
る余地があるかどうか、を先生にお伺いしたかったのです。
自分でも何を質問したいのかわからなくなって(^^;)しまっている気がしますが、説明が長くな
り申し訳有りません。どうぞよろしくお願いします。
感想:
ものすごい量の相談&回答があり、昨晩から何時間もかけて拝見させていただきました。
他の方への回答とわかっていても先生のお人柄が想像され、治療方法(の理由)が理解できる
ような気がして、呼んでいるだけで安心できます。素敵なホームページですね。
根尖病巣はレントゲンで見える大きさに関係なく痛む時と痛みを感じない時があります。
根管治療が何らかの意味で不完全であることは事実のようですが、今回の痛みが本当に根尖
病巣によるものだったかどうかについては少し疑問があります。
かみ合わせが原因だとは余り思えませんが、それ以外に歯石や汚れの沈着による歯肉の炎症
が考えられます。検診の際、歯石除去みたいなことをしませんでしたか?
いずれにしても、小さな根尖病巣で現状痛みがないとするならばあわてて治療する必要はない
ように思います。それは根管治療の治癒率が、おそらく世界最高水準でも90%程度で、しかも
如何なる進行状態であっても治癒率が差ほど大きく変化しないからです。言い換えれば、少々
手遅れでも、早めであっても治療率は同じであると同時に失敗率も同じ(技術が同じならば)だ
ということです。
痛みの原因が根管治療の不備だと確定しない段階で、無用な根管治療をすることは、かえって
炎症を呼び起こして歯牙存続に影響を及ぼす可能性があります。手遅れになったものは日本の
保険制度が安い医療を提供していますのでそれを極力利用して下さい。それよりも新たな“手遅
れ”を発生させないような防御システムはニュージーランドや欧米に習って積極的に行うよう
心がけてください。