日付、時間:2003年2月5日 16:12
氏名: F.K
所在都道府県: 東京
職 業: その他
年 齢: 36歳
性別: female
質問:
2000年秋頃にご質問させていただき、ご親切なお答えを頂戴した者です。その節はあり
がとうございました。だいぶ前のことですので、その時の要旨をかいつまんで申し上げます。
近所の歯科医院にて左第3大臼歯を抜歯したものの痛みが日に日に増してゆき、三か月後も
解消せず加えてさまざまな症状が続発。歯科医院の先生も「わからない・・・」と困ってしま
われたので、思い余ってご相談しました。そして「第2大臼歯あるいは第1大臼歯が歯髄炎を
おこし、根尖病巣に発展した疑いが濃厚」「レントゲンに写らない軟組織の炎症、あるいは唾
石」のご回答をいただきました。
その後、大学病院口腔外科への紹介状をいただき(歯科医院の先生には歯根、炎症云々は申
し上げませんでした)通院が始まったのですが、ここでまた色々なことがあってついに通院三
年目に突入してしまいました。今現在病院の先生にはとても丁寧にご覧いただいており、ひと
頃のように絶望的な痛みというものではありません。去来する思いあれこれと今の症状につい
て、ご感想やご助言をいただけましたら幸いに存じます。
2000年12月、初めて大学病院口腔外科を受診したときの先生は「これは神経痛のよう
なものだから」とおっしゃって漢方薬を下さいました。この時点で、熱は37度を越し痛みは
漢方薬でおさまるような生やさしいものではなかったのですが、その先生のご上司のような先
生も「智歯を抜いたために口中のバランスが崩れて筋肉に負担がかかったのです」とおっしゃ
るので、その場では私なりに納得しました。
年明けて2001年1月、痛みは身の危険を感じるほどに増幅しており予約日を待ちこがれ
るように病院へ行きました。ここで私はとにかく「痛いのです」と懸命に訴えたのですが、そ
の伝え方がよくなかったのか、その先生をご立腹させてしまったのです。そして翌週、半信半
疑ながらの再掻爬となり抜歯窩がひらかれました。すると、そこには何も問題ありません。空
気が凍りました。先生は「念のためにこっちも切ってみます」とおっしゃって、ひと呼吸。
「・・・ちゃんとやりますね」と告げられましたが、私はどこを切り開かれて何をちゃんとし
てくれるのかわかりません。耳元で道路工事のような音がしていましたが、途中で意識がとび、
気がついたら大方のことが終わっていました。この時に起きたことは、今もってよくわかりま
せん。その後は麻酔科の先生にご覧いただくこととなり現在に至ります。
おそらく三叉神経痛とのことで、漢方薬・ビタミンB12・テグレトール等々をしばらくいただ
き服用しました。これらの薬を飲んでも状況は好転しません。夏ごろからしばしば熱が出るよ
うになり、先生も私も釈然としない数か月が過ぎました。診察時に別室へ通されて、今後どう
したらよいか、といった重い話し合いをもったこともあります。私は事実関係をすべてお話し、
その中には先生もご存知なかったこともありびっくりされたようでした。炎症なら自分のとこ
ろには回ってこないはず、とおっしゃりながらも、熱が出るならロキソニンをと処方して下さ
り、年明けて2002年1月に口腔外科の先生(前とは違う先生です)に依頼してCT検査、通
算二回目の再掻爬となりました。
CTには「骨と同じぐらいの固さのもの」が写っているという先生同士のお話をもれ聞きまし
た。術後数日間、膿が口中にこみあげて夜眠れず、舌が麻痺する(現在は解消しています)と
いったことがあり、これも残念なことに釈然としない結果となりました。4月頃に38度を越
す熱が出て、ここで顎骨骨髄炎の疑いが浮上しRI検査を受けました。確たるものではないが、
どこかに炎症があるはず、というところまでわかり、通算三度目の再掻爬をすすめられました。
転居して病院が遠くなったこともあり、この折に同じ歯科大系列の近くの病院を紹介してい
ただきました。こちらの麻酔科の先生は、炎症と神経損傷のふたつの可能性があるとのお考え
で、昨年半年ほどクラリスなどの抗生剤を処方して下さいました。これで熱が出るということ
は少なくなりました。が、いぜん抜歯窩にはズキズキとした痛みがあり、何かが埋まっている
感じ、そして隣の第2第1大臼歯が折々に疼きます。さきに書きましたように、たいへん丁寧
にご覧いただいているこの頃で、先生はさまざまな可能性を探って下さいます。
2003年に入ってから、血管を広げるという薬(ミグシス)、先日はついに、といったご
様子で副腎皮質ホルモン(プレドニン)を下さいました。次回は漢方薬をあわせるので時間に
余裕をもってきて下さい、といわれました。お医者さんが「体質改善」や「漢方薬」とおっし
ゃったら、それはもう「治らない」という意味だという認識が私にはあり、来し方二年間のこ
とをふと考えてしまいました。長いメールになってしまいましたことをお詫び申し上げ、お目
通しくださいましたことに深く感謝いたします。
2年以上も経過していますので、隣接する7番に歯髄壊死のようなものがあったとすれば、
今ごろはレントゲンでも確認できるような根尖病巣になっていそうなものですが、それでも
7番の歯髄壊死→根尖病巣を疑いますね。親知らずが抜歯されたために、典型的な根尖病巣
の型をとらないで、抜歯窩に炎症が広がっている可能性があるからです。
それと痛み出した時の経緯からも疑いの可能性は十分です。私も口腔外科の経験があります
のでテグレトールを始めとした懐かしい薬の名前に懐疑の思いがよぎります。神経痛とかいう
わけの分からない病気に対してどのように働くのか未だに分かりません。
それと、痛み=炎症 ならば原因は?という原則を逸脱した神経痛という図式がどうしても
理解できません。原因は痛みの中心部・もしくは近くという概念でしか解決を図った事のない
私には、消去法的診断のためにも7番の根管治療がどうしても必須と思えてならないのです。
決して抜髄を軽く考えているわけではありませんが、無用な抜髄(根管治療)となった場合
でも、神経治療に費やす無駄な労力に比べればはるかに軽微な損失で済む
という認識です。
CTまで撮って診断されているのを、話だけで診断するのはちょっと危険な気もしますので、私
の感想ということにしておいてください。
回答:
そうですね。訴訟絡み以外全て「治していただきたい」ということに尽きると思います。
治療が難航するのは原因の特定…つまり診断がついていないからです。神経痛という病名自体
原因を闇に葬るような診断名ですので、葬られた診断の下では解決の糸口はつかみきれないと
思います。
大学は学問の最高権威であると同時に、研修・研究の場でもあります。人間関係の複雑さは
ある意味必然ですので我慢するしかかいと思いますが、最高の治療を提供しているとは限りま
せん。他の大学を含めて、できれば明確な診断をしてくれるところを探すべきかも知れません。