改善傾向が一切認められないようなら、抜髄もやむを得ない選択かもしれません。
抜歯後の痛み

日付、時間:2003年2月18日 5:05 氏名:  noriko   
所在都道府県:  東京  職 業:  自由業  年 齢: 39歳      性別:  male

抜歯後の痛み 質問:
 10日ほど前に最後に残っていた4本目の親知らずを抜きました。以前の3本は10年以上前に 抜き、抜歯後の痛みもほとんどなかったのですが、今回の親知らずの抜歯後の経過はぜんぜ ん違ってます。
抜歯後から、抜きあとと隣の第2大臼歯に結構な痛みがあり、1週間後に抜糸に行ったときに 先生にその旨を伝えたところ、生えていた親知らずの下に結構な(三角形の)隙間があったので、 その部分が露出したため痛い(知覚過敏?)のだろうと言われ、ひどい様なら神経を抜くしかな いといわれました。10日たった現在でも収まる気配がありません。

 痛みの状態ですが、確かに冷たい水とかは非常にしみますし、ぬる目のお湯も多少しみます。 それ以外にも、なんと表現していいか難しいですが、鈍痛というか、ずきずきした痛みが1日中 あります。でも、なぜか食事の最中は少し軽減するような気がします(気のせいかもしれません が・・・)。それも食事が終わり抜き跡に詰まったのもを取るためにうがいをするまでです。
 また、少しですが第2大臼歯がぐらぐらするため、なんだか第2大臼歯が自分の歯ではなく違 うものが刺さっているような違和感もあります。今も実は痛みで目が覚め、ネットで検索した ところこのサイトを発見しこの質問を書いています。
 この痛みがなくなるなら悪魔に魂を売ってもいい・・・というのは冗談ですが、少しでも早 くこの痛みを何とかしたい気持ちでいっぱいです。

そこで質問なのですが、
1.私はどうすべきなのでしょうか?
2.親知らずを抜くと第2大臼歯が多少ぐらぐらするものなのでしょうか?
3.神経を抜くことによるメリットデメリットは何なのでしょうか?
お忙しい中とは存じますが、よろしくお願いいたします。

回答
 抜歯に際して、暴力的な外力が第2大臼歯に加わって亜脱臼という状態になって、神経が炎症を 起こしている可能性があります。もう一つは、抜歯窩自体の治癒が悪くドライ ソケットといわれる強い炎症が起こったために、炎症症状が手前の歯に波及している可能性 です。

 抜歯に際して手前の歯がぐらつくことは滅多にはないことですが、稀にはあり得ることです。 親知らずを長く保持しすぎたために、骨破壊が手前の歯にかなり及んでいた場合などは特に 起こりやすい障害です。 最終的には治まるべきものですが、かみ合わせると痛いようですと、緊急避難的に少し削って かみ合わせを軽減してやることも有効です。
 抜髄すれば当面の痛みは軽減するはずですが、歯の寿命を確実に縮めてしまいますので、あく までも最終的な選択にするべきです。その前に、歯髄炎症回復のために消炎鎮痛剤(痛み止め) を一日三回くらい(一回の服用量を半分くらいにして)5日間ほど飲んでみるのも有効かもし れません。また、抜歯窩のドライソケットを想定して、抜歯窩に抗生物質軟膏を注入して経過 をみた方が良いでしょう。もうすでに10日も経過しているということですので、最大5日ほど の猶予期間をまって、改善傾向が一切認められないようなら、抜髄もやむを得ない選択かも しれません。


返信:2003年2月18日 23:52
こんにちは、河田先生。
丁寧な回答ありがとうございます。なんだか気分が少し楽になりました。 本当にありがとうございます。


返信:2003年3月13日 14:55
 こんにちは、河田先生。その後の経過報告です。
結果から申しますと、抜歯窩自体の経過は良好で、ドライソケットにはなっていませんでした。 冷たい水がしみるのは、第2大臼歯と親知らずが接触していた部分が虫歯になっていたのが原因 でした。
 また、第2大臼歯が多少ぐらついているのは、担当の先生に確認はしていませんが、まさに、 骨破壊がかなりすすんでいたためと思われます。実際にレントゲン写真での確認で、第2大臼歯 付近の歯槽骨がほとんど写りません。さらに、歯周ポケットの検査で、第2大臼歯内側のポケッ トが12mmもありました。担当の衛生士からは、第2大臼歯はもしかしたら保存できないかも知れ ないと言われました。
現在歯周病(予防?)治療中です。