抜歯前のセレモニーに過ぎない存在価値。
しこんたん切除、のう胞摘出

日付、時間:2003年3月5日 21:43 氏名: M.K   
所在都道府県:  兵庫  職 業:  医療関連  年 齢: 23歳      性別:  female 

しこんたん切除、のう胞摘出 質問:
 5年前に交通事故にて中切歯と側切歯が欠けてしまいブリッジのさし歯をしています。そ して去年の10月に左側切歯の歯茎と右切歯の歯茎に激痛があったため歯医者(診療所)に いって診察してもらうと診断結果はのう胞ができているということでした。
レントゲンにもはっきりと写っていました。そのためしこんたん切除、のう胞摘出手術をし ました。その時は5cmくらい切ったのですが最近その切った部分ののう胞があった部分の 少し隣あたりにまた同じ物ができてしまいました。そんなにすぐに再発というか転移という できるものなのでしょうか??
 前回の手術でかなり痛くてもう2度といやだーと思ったのに・・・かなり歯医者へ行くの も憂鬱なのです。ご回答よろしくお願いします。

回答
 またまた歯根端切除術をやってしまいましたか。
“これだけはやってはいけない歯科治療”って本でも出さないといけないような雲行きですね。

 原因を取らないで、炎症部位をかき混ぜる(掻爬)もんだから、術後痛いのは当然。今痛い のは、再発というよりも以前にも増してパワーアップした激しい炎症が起こっているせいでし ょう。根尖部の嚢胞(根尖病巣)の原因はあくまでも根管治療の不備です。その原因を取り除く 処置は、やはり完璧な根管治療しかありません。その汚染された根管内の汚物をそのままにして 炎症部位に刺激を与えるだけの処置を歯根端切除術と言っても過言ではないでしょう。
 弁解のために付け加えておきますが、歴史的に再度の根管治療ができなかった40年以上昔は、 確率20%?でも延命可能な処置として有効な選択肢でした。今や、「手術までして最善を尽く しました。もうあきらめて抜歯しましょう」という抜歯前のセレモニーに過ぎない存在価値で すが、口腔外科を始めとした大学の権威が推奨している?術式ですので文句は言えません。

 まぁ、一度歯根端切除をした歯の治癒率は極端に下がりますが、原点に返って、確実な根管 治療によってのみ回復の見込みが残されているという状況を踏まえて、次なる歯医者選びを 始めるべきでしょう。