日付、時間:2003年3月25日 22:45
氏名: m
所在都道府県: 宮城
職 業: 会社員
年 齢: 36歳
性別: female
質問:
こんばんは。歯石除去について教えてください。私は歯周病で深いところでは7ミリ程の
ポケットがあります。
現在、ソニックスケールでの歯石除去を行ってますが、短期間で集中して行うと、歯肉減
退により知覚過敏の心配があると聞きました。ていねいにブラッシングして、に歯茎がひき
しまってきたところででてきた歯石を徐々に手で削っていく方法が(時間はかかるけど)理
想的な除去法なのでしょうか?
私などは、深いところの歯石を早くとったほうが、炎症がおさまり歯槽骨吸収も進行しな
くなるんじゃないか?などと簡単に考えてしまいますが。。先生は歯石除去にとても熱心で
いらっしゃるようなので、効果的な歯石除去の方法を教えていただければとメールさせてい
ただきました。よろしくお願い致します。
歯石が存在するから炎症が成立してしまいます。従って麻酔をしてでも即刻歯石をとって
やるべきです。例え一度取ったとしても炎症が残った場合、まだまだ取り難い位置に歯石が
残っているはずですので、方法を変えて常識の範囲で何度でもチャレンジすべきだとも思っ
ています。おそらくあなたが考えているのと同じような見解でしょう。
一般には歯石には病原性がなく、細菌の塊であるプラーク(歯垢)こそが炎症の原因である
と信じられています。プラークコントロールの大切さを知ってもらうためには、ていねいにブ
ラッシングして、に歯茎がひきしまってきたところででてきた歯石を徐々に手で削っていく方
法が理想的な除去法だと言われています。いきなり歯石を取ってやると簡単に歯肉炎症が治ま
ってしまうのでブラッシングの大切さが分かってもらえないというのも一つの理由です。
炎症があってちょっと触るだけでも痛い歯肉を、歯茎を引き締めるためにブラッシングを徹
底させるというのは拷問にも近い命令だと思います。しかも、歯石を取ってやると簡単に歯肉
炎症が治まるという事実からしても炎症の原因が歯石であることが明白です。
歯肉退縮に関しては、早かれ遅かれ歯槽骨の破壊された位置まで歯肉は引き締まってきます。
知覚過敏の原因が歯根の露出によると思われているようですので徐々に慣らしながら露出させ
た方が知覚過敏が起こり難いという発想のようです。知覚過敏の原因は歯肉および歯周組織の
炎症であり、その炎症の原因が歯石であると私は思っています。従って出来るだけ早く歯石を
取って炎症を治めた方が知覚過敏の抑制につながると思います。
知覚過敏の原因が歯周組織の炎症だとしても、タダでさえしみている歯の歯石をとればかな
りの刺激を与えてしまいますので一時的に知覚過敏がひどくなることもあります。そのような
時には知覚過敏抑制剤の塗布を行いますが、根本的な治療のためにはやむをえない一時的な
障害だと思います。
逆に知覚過敏を主訴に来院される患者さんの大半は、初診時の歯石除去により症状が治まり
ます。早めに歯石除去を行って炎症が軽減すればブラッシングも容易になり、苦痛も少なく
なりますのでより丁寧なブラッシングも可能になります。歯石の沈着はブラッシングではあま
り抑制できません。一度歯石を取っても簡単に沈着してきます。そこでブラッシングよりも
毎月歯石をとる習慣を身に付けましょうという方向に話をすすめることになります。