“神経がないから”という発想だと爪は絶対痛まないはずです。
治療済みの歯

日付、時間:2003年4月22日 23:34 氏名:  Y.B  
所在都道府県:  愛知  職 業:  会社員  年 齢: 27歳      性別: female 

治療済みの歯 質問:
 こんにちは。 銀歯をかぶせてある歯について質問させて頂きます。
下の第1小臼歯で4、5年前に治療済みの歯だと思います。多分神経治療されていると思 うのですが、水がしみたり鈍痛があったりします(気にしているとずっと続くし、気にし ないで入るといつのまにか痛まなくなっています)。他の歯に比べると軽く叩いてみたり すると敏感になっているように思います。 神経が抜かれていれば痛まないのではないか と思うのですが・・。

 神経治療した歯は、他の歯に比べるとこのように鈍痛があったりしみたり、触ると敏感 に反応したりするものなのでしょうか。いつも通っている歯科医師にかかってみると冷た い霧吹きのようなものをかけたり、刺激してみたりして「これがそんなにしみなかったり、 痛まないのなら心配は無い」といわれました。でも、やっぱり気になります。痛みはふと 気にしだすとうずく程度で、日常生活に支障があるほどではありませんが、そのまま放置 してもいいのでしょうか。

回答  あなたの考え方も歯科医の考え方も一般的な認識ですが、その一般的な考え方でこの まま過ごすと、50歳を過ぎる頃には大量の歯を失うであろうことが予想されます。何のた めらいもなく歯の神経を取るような治療を受け、神経がないから痛まないはず、日常生活 に支障があるほどではないので放置しておくというのは、口腔内環境の破壊から目をそら していつか訪れる破局を待っているようなものです。

 “神経がないから”という発想だと爪は絶対痛まないはずです。爪の周囲には神経が通 っているので、爪およびその周辺に何か以上があれば爪は痛いと感じるはずです。歯に置 き換えて考えれば、神経を取った際の治療に何らかの不備があれば、根っこの先に炎症を 起こします(根尖病巣)。また、歯の周囲に沈着した歯石は炎症を起こして歯肉や歯槽骨 を破壊しています。これらの炎症が存在するために神経をとった歯も痛みますし、時には しみるという表現に該当する痛みを感じることになります。

 逆に言うならば痛みを感じているということは、そこに必ず何らかの炎症が存在すると 言っても過言ではありません。炎症を起こすべき原因を特定してそれを排除しない限り、 炎症は周囲の組織を破壊して何時か必ず破局を迎えることになるでしょう。
 神経をとった歯の違和感は、おそらく根管治療に問題があるとおもわれますので再治療 が必要でしょう。それと全体的に歯石沈着に伴う歯槽膿漏の進行が懸念されますので、 徹底した歯石除去の必要性を感じます。