炎症がひどい場合には神経自体が死んでしまうこともあります。
゛神経を抜く゛

日付、時間:Tue Jul 27 15:26:53 Japan 1999    氏名: 哲也   
所在都道府県:福岡   職 業:会社員   年 齢:30歳      性別: male  

質問:
先生こんにちは。HPを拝見して、こんなステキな先生が近くにいてくれたらどんなに いいだろう、といつも思っています。先生に質問があります。アドバイスいただけたらうれしいです。
よく゛神経を抜く゛といいますが、これはどういうことでしょうか?
現在上の奥歯を治療中ですが、神経はとらない方がいいから、といわれました。私の症状は 滲みるのと、噛んだ時の痛みです。素人なのではっきりとはわかりませんが、炎症を起こし ている、というようなことをおっしゃっていたと思います。神経を抜くと炎症を起こす神経が無くなるから、 症状が回復し、滲みることも噛むと痛いことも無くなるのでしょうか?
またこのときの処置によっては、後から゛神経は無いのに歯が痛い゛ということが、起こるのですか?

先生のHPで゛Brosal`という歯磨き粉を知りましたが、これはどこの歯医者でも買えるのですか? 長くなって申し訳ありません、もう一つ聞きたいのですが、食事の後ジェット水流で口内を洗浄する 家庭用口腔洗浄器は、歯の健康のためには大変有効でしょうか?
歯のトラブルの多い私は、購入しようかと考え中です。

回答  “歯が滲みる”原因は、大きく分けれてムシ歯と歯周疾患進行に伴う象牙質知覚過敏の 2種類です。いずれの場合も歯の中にある神経が炎症を起こした結果引き起こされる症状 です。
 炎症の程度が軽ければ炎症は治まりますが、炎症がひどい場合には神経自体が死んでしまう こともあります(歯髄壊死)。歯の神経は閉鎖された空間に存在するため、血液の循環も少なく、 体の他の組織に比べて治癒能力が低いといわれています。従って一度炎症が起こると回復が 非常に困難です。そこで、歯科独特?ともいえる“神経を取る(抜髄)”という治療方法によって 機能の回復を図るのが一般的です。戦前の日本や多くの開発途上国では抜髄という処置がほと んどなく、痛みを回避する手段として抜歯する方が一般的なようです。
 それはさておいて、やはり神経を取った歯は死んだ臓器ですので咀嚼機能こそすれ、生きた 歯に比べて性能が悪いことが多いのはあたりまえです。そこで、「出来ることなら神経を取らない 方がよい」というのが普通の考え方です。でも、あなたの場合は“噛んだ時の痛み”もありますので ひょっとすると回復不能かもしれません。神経の炎症が歯の周囲組織に及んだ結果の痛みである 可能性があるからです。その辺の判断は担当されている医師が一番状況を把握されているはず ですのでお任せします。
 抜髄による痛みの消失は、ご指摘の通り炎症を起こした組織がなくなるからですが、組織がなく なったあとの空洞(歯髄腔)の閉鎖が完全に行われていない場合には血液などが貯留して腐敗 すると、その周辺(根尖部)にあらたな炎症が起こります。゛神経は無いのに歯が痛い゛のはこの ためです。

 ゛Brosal`歯周疾患進行に伴う象牙質知覚過敏に対しては効果がありますが、ムシ歯による 知覚過敏には効果がありません。露出した歯根の磨り減りを防ぐために研磨剤が入っていない のでタバコのヤニとかその他色素沈着を防ぐことができないので一般での使用はできないことに なっています。歯科医院専門の歯磨剤ですが、それほど普及していないので何処にあるか探す のはほとんど不可能な状況です。現在のお伺いした状況からは、決してお勧めできる状態では ないように思いますが、どうしてもということであれば最寄の歯科医院で一箱単位(10個)で 取り寄せていただくのが現実的な方法です。
 ジェット水流(ウォーター・ピック)はそれなりに有効ですが、興味のある数ヶ月は別にして長続き しないで“洗面所のお荷物”になるケースが多いように思います。

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