親知らずはできるだけ早い時期に抜歯。
親知らずのせい?(アメリカ)

日付、時間:22003年5月8日 14:44 氏名:  M.G  
所在都道府県:  米国デンバー在留  職 業:  主婦  年 齢: 3?歳      性別: female 

親知らずのせい? 質問:
 歯周病専門医院さんでレントゲンを取ったところ、“下顎”右下と、左下に埋伏した親知 らずがあり、寝てませんが、斜めに生えております。
これは、うちの大先生の、誤診だったのでしょうか?
「“上顎の”第1大臼歯の大虫歯のせいだけではなく、この“左下顎”の親知らずが、前の歯 を押して痛いんだ」、上顎と下顎の勘違い?、といって?、「親知らず抜いてきてから、予約 入れなさい、それから根管治療」と、強引に口腔外科に送られました。口腔外科の先生には、 「あなたの都合のいい時でいいよ。1か月後でも、問題なし。でも、3ヶ月後になら、動くね え。」「まず、あなたを今、煩わせてる、根管治療が、先だよね。」と、親切に元の医院に、 押し返されました。もちろんですが、3週間前に、左上顎の第1大臼歯、と左上顎が痛く、腫 れたのは、親知らずのせいじゃなく、大虫歯―>歯髄炎―>歯髄壊死―>感染根管病巣、 のせいだと、先生のHP拝見して、思っております。

本日、麻酔を打って、45分にわたる、根管治療、終了しました。器具で無理やり大きく口 開けさせられて、ちょうどお腹手術する時みたいに、1ミリほどの穴のあいた布、口にかぶさ れて(お医者さんには、この奥歯の根管しか見えない、という状態で)、根の奥深くまで、針 通されてグリグリ、ジーンジーンとうなる機械で、根に溜まってる腐敗物を、徹底的に掻きだ し、大掃除!、ついでにドリルで骨まで削られました。お値段も思ったより格段に安くて、 $550が、保険が効くのでたった$220ですんだのは、幸運でした。しばらく穴を開けた まま、経過をみて、クラウンをかぶせるそうです。

敬愛する河田先生、
今度心配しなければならないのは、来月予定の、口腔外科での、下顎2本の親知らず抜歯なん ですが、まだ、うずいたりとか、痛みとか、炎症、膿んでる、などは、感じません。それどこ ろか、存在すら、知りませんでした。異物感も感じてません。この2本の下顎の親知らずは、 寝てませんが、歯肉の下に、斜めに、歯茎ぎりぎりのあたり?に潜って(浅く)、ちゃんと上 向きに生えてます。レントゲンで見たかぎり、大部分の角がまともに、第2大臼歯に当たって ます。自分で、触った限り、何も感じません。合わせ鏡でみても、見つけられません。右側の 方はもっと小さく、問題なさそうです。今のところは、とにかく、下顎全般は何も不快感は、 感じませんが、いつか、この2本の親知らず、左右の第2大臼歯を、圧迫し、痛くなるものな んでしょうか?
そんなに痛くないうちに、炎症がないうちに親知らずは抜いたほうがいいと、先生のホームペ ージで、わかりました。納得しております!
でもこの2本の親知らず、河田先生がおっしゃる通り、「本当に障害を及ぼしているかどうか ?」が、問題で、「完全に埋もれてる、親知らずは、抜かなくても良い」のでは、ないのでし ょうか???
本当に、今すぐ、6月すぐにでも、抜かないと、いけないんでしょうか?
この親知らず、来月すぐにも抜かないと、とんでもないことになるでしょうか?
河田先生、いくら全身麻酔を使うにしても、下顎の斜め埋伏歯、2本、そう、あわてて、抜か なければならないのでしょうか?
日本人の友達には、「完全に埋まってるんだから、抜かなくいいんだよ。抜くにしても、根管 治療の後から、間を、あけたほうがいいんじゃない、半年後とか。」っと、言われてます。 口腔外科での親知らず抜歯、河田先生のご意見お伺いしてから、決行したいと、思います。 どうか、よろしく、お願い申し上げます。

追伸:私は、歯周病にもなってて、骨が1/2になってるのは、肝心の上前歯4本と下前歯2本 の部分、前歯は、とうの昔に、虫歯で失い、義歯になってます。結婚しているので、それほど、 嘆いてはおりません。それよりも、河田先生のおっしゃるとおり、歯周病をこれ以上、進行さ せず、残った歯を、大切にしてゆこうと、思っております。3か月に一度の“ディープクリー ニング”!河田先生、私達に勇気と希望を与えて下さって、心の底から、感謝、しております。 そして、心の底から、尊敬、しております。 河田先生は、謙遜なさっていますが、先生のような方は、日本どころか、アメリカにもなかな か、存在しない、と言うのが、悲しい現実です。河田先生の情熱と、誠意と、優しさが、大好 きです。あなたのような、すばらしい、お医者さんに、アメリカで、出会えないのが、無念、 でなりません。

感想:
河田先生と先生のHPの大ファンです。河田先生は、謙遜なさってらっしゃいますが、先生の ような方は、日本どころか、アメリカにもなかなか、存在しない、と言うのが、悲しい現実で す。河田先生の情熱と、誠意と、優しさが、そして、先生の信念、ポリシーが、大好きで、敬 愛申し上げております。先生のような、すばらしい、お医者さんに、アメリカで、出会えない のが、残念です。実家は、大阪なのに!(泣)
敬愛する河田先生、最後までとにかく読んで下さって、どうもありがとうございます。感謝し ております。 敬具

親知らずのせい? 回答  痛みの原因についてはご推察通りだと思います。根管治療も適切に行なわれたようですので まずは一安心といったところですね。患者さんにそこまで推察されては歯医者もカタナシです。

 「完全に埋もれてる、親知らずは、抜かなくても良い」のは確かですが、お伺いした状況から 、一部萌出、もしくは萌出したも同然のようですので最終的には何時か抜歯すべき親知らずだと 思います。1年やそこらでは取り返しのつかない事態に発展するとは思えませんが、時間の経過 と伴に条件が悪化しそうな雰囲気です。6月にということではありませんが、根管治療が落ち着 いた段階で、そしてこの機会を逃さず抜歯の決断をすべきです。
 「親知らずはできるだけ早い時期に抜歯して、それ以外の歯を1本たりとも抜歯をしなくても すむようにケアする」これが私のお勧めする方針です。毎月のケアはアメリカでは金銭的にも 負担になると思いますが、3か月に一度でも末永く継続されれば驚くほどの効果が実感できる と確信しています。抜歯は無論のこと、抜髄なんてことが無縁になるはずです。


返信:2003年5月9日 2:09
 敬愛なる河田先生、まさか自分の投稿が、先生のHPに載せてもらえて、おまけにこんなに 早くに、回答していただけるとは、思っておりませんでした!ありがとうございます!
「患者さんにそこまで推察されては歯医者もカタナシです。」
河田先生、かかってたデンバーのやぶ歯医者さんに見放され、紹介された歯周病専門医院が、 大雪のせいで閉鎖!?、おまけに保険にも、入っていなかったので、感染根管病巣までおこし てた大虫歯、どこにもすぐに診てもらえませんでした。“外国”ということで、不安がつのり、 歯髄炎末期?、痛いわ、錯乱状態の時に、先生のHPに、めぐり合いました!
 「転ぶことが決まってる先の杖」と、あわてて、一段上の健康保険(歯医者だけじゃなく、 歯周病ケア、口腔外科手術まで、カバーしてくれる)に新加入し、3番目に転がり込んだのが 現在の歯周病専門医院さんで、大先生は「つけ」にして、4月中に大虫歯治療してくれた、い い人です。でも、新しく入った保険がきくのが、5月からなので、もう4月中は、「つけ」に したくないと、口腔外科に先に送り込んだのでは?、と疑ってます。当然ですが、言葉の壁も あって、大事なことは、手紙にして、河田先生HPの英和翻訳電子辞書使って、いつも歯医者 さん達に、お見せするように心がけております。

「親知らずはできるだけ早い時期に抜歯して」
下顎左右の斜め埋伏歯、そんなに深く潜ってません、下顎神経に接してるかどうかは私にはわ かりません。私が、「下顎だから」と、大げさに考えるほど、術後の困難、後遺症や、身体に 与えるダメージを、恐れることはない、のでしょうか???
2本の親知らずごときでも、アメリカですので、全身麻酔$200、日本と同じように、二つ に割って、抜歯するそうです。費用は、$840、で、私の保険が6割、負担してくれます。 東京に住んでる、私の友人が、「親知らずってね、抜いた後が、大変なの。体力消耗するしね え、おまけに下顎で、潜ってるんでしょ、かわいそーに、痛くなってからでいいんだよ。」と、 上下左右4本の親知らずの持ち主で、3本、苦労して抜いた人に、言われました。

「1年やそこらでは取り返しのつかない事態に発展するとは思えませんが、時間の経過と伴に 条件が悪化しそうな雰囲気です。6月にということではありませんが、根管治療が落ち着いた 段階で、そしてこの機会を逃さず抜歯の決断をすべきです。」
河田先生は、私の下顎の親知らず、術中や、特に、“術後”、てこずると、思われますか???
術後、何ヶ月もてこずり、煩わせれれるなら、今年年末、12月、通ってる大学卒業してから、 抜きたいんですが… 。河田先生に、大げさだなあ!、と言われたら、根管治療が落ち着いた段 階で、6月末か7月初旬、に抜きます。

敬愛する河田先生、昨日根管治療してくれた、若先生に、「スリッパやめて、もっといいブリ ッジにしてあげられる」と、言われました。
上の前歯4本、虫歯でとうの昔に1、2本失い、ブリッジしてたのですが、それも壊れて、今 度は、歯周病で骨が1/2、ということで、「隣の歯を削ってブリッジしても、5年ももたない、 お金の無駄!」、と例のヤブ歯医者に言われ、“スリッパ”(金属で義歯を固定するやつ)に されました。
下の前歯2本、河田先生、やぶ歯医者さんは、動いてもいないこの2本を、抜きたがったんで すよ!断固として抜かさせませんでした!将来、“のれん”のように、動いてきたら、まず、 ワイヤーで連結固定してもらうように、今の先生達に、お願いするつもりです。河田先生、技 術的に、現在の私の状態で、上顎前歯4本の所に、“ブリッジ”入れれるものなんでしょうか ???
先生は、やはり、“スリッパ”の方が、無難、だと、考えれれますか???
保険外のブリッジで、いくらかかるのか?も恐れてます。それなら、潔く諦めて、あと2、3 カ所?、レントゲンで発見された、潜んでる小さな感染根管病巣に、将来、お金をつぎ込もう、 「みかけ」よりも、歯と歯肉の健康自体に、お金をつぎ込もう、と思うんですが…。

「毎月のケアはアメリカでは金銭的にも負担になると思いますが、3か月に一度でも末永く継 続されれば驚くほどの効果が実感できると確信しています。抜歯は無論のこと、抜髄なんてこ とが無縁になるはずです。」
明日、ディープクリーニングの予約、入ってます。(笑)
敬愛する河田先生、1年前から、私を見放した現地のやぶ歯医者さんに、歯周病の宣告を受け てましたが、情報不足と怠惰なせい、そして忙しさに、治療を怠けてました。で、1年歯医者 さんに行かず、ほっておいたせいで、今回ひどくなり、突然、歯周病の本当の恐ろしさに、気 づき、そんな時に、河田先生のHPに出会いました。河田先生、先生のHPを拝見して、今ま での自分の愚かさと無知さを、大反省しました!
歯槽膿漏が末期状態になって、大手術が必要、帰国、先生のお手を煩わせる、なんてことにな らないように、まじめに根気よく、メンテナンスを続けるつもりです。河田先生のおかげです、 大嫌いで恐れつづけていた(私もなんです、小さいころから、歯医者さんに行く度に、悲報を もらい、痛い目に会い、神経抜かれ、虫歯は抜かれ、)歯医者さんと、仲良く、末永くお付き 合いしてゆけそうです。これは、河田先生の情熱と誠意に、つよく打たれた、結果です!

 敬愛する河田先生の本、家庭の医学書、として、買います。河田先生が、末永くご多幸に恵 まれられるよう、遠いアメリカから、お祈り、申し上げております。河田先生は、私達にとっ て「鬼に金棒」の存在です。また、ご相談にのってくださいね。
敬具

回答:
 真横に倒れた親知らずの抜歯が1本1万円ちょっと($100)、3割負担だと4000円ほどですの で日本の医療費って異常に?安いみたいですね。世の中、何が起こるか分からないので絶対は ないけれど、斜め埋伏歯程度だと多少腫れるだけで何事も起こらないと思いますよ。
 歯槽膿漏で動揺のある歯に対してブリッジはリスクが高すぎます。大切な犬歯の寿命を極端に 短くする可能性があります。入れ歯以外の選択を考えるならばインプラントでしょう。アメリカ の保険が何処までカバーしてくれるかわかりませんが、検討の余地はあると思います。どう回復 するかよりも、如何に破壊を最小限に留めるかを優先して考えて下さい。


返信:2003年6月12日 6:22
 敬愛する河田先生、以前「親知らずの抜歯」について、ご質問させていただいたものです。
本日、下顎の親知らず2本を、口腔外科に抜きに行ったのですが、いざ手術の前に、外科医の先 生に、「あなたの下顎の埋没してる2本の親知らずは、根っこが、完全に下顎神経にかかってる よ。あなたの場合、知覚麻痺を起こす危険性が高い、3%ぐらい、それでも、やる?」と、言わ れました。
 敬愛する河田先生、先生にご相談した、1月前は、当時者の私でさえ、知らなかったのです、 ごめんなさい!私のホームドクターの歯医者さんも、1か月前にこの口腔外科でコンサルテー ション受けた時に、診ていただいた先生にも、全く説明受けてなかったことが、本日、判明い たしました!
  1. 私の下顎に埋没している2本の親知らず、45度くらい傾いて、第2大臼歯の根元を押すよう に、斜めに生えてます、は「完全に」歯肉と、骨の中にすっぽり、2本とも埋まってる。一部も 露出していない。
  2. 2本とも、根っこが、べったり、下顎神経にかかってる!
  3. 私の年齢からして、「成長がとまってる」、「もうこれ以上、動くことはないであろう。」
           と私の手術を担当する予定だった外科医さんに、今日、初めて、言われました。
河田先生、症状があるとすれば、「圧迫感、第2大臼歯が押されてるかしら?でも、日常生活に は、全く、苦にならない。」です。
外科医の先生いわく、「あなたの場合、歯周病のせいで、全体的に、骨が減ってきてるので、 そのため、長い間、そこに大人しくして埋まっていたものが、「圧迫感」として感じるように なってきた、のではないでしょうか?ちょっと、「圧迫感」感じる程度でしょ?実際に、もっ と、痛み、炎症などの障害がでできてからでも、遅くないのでは?いつでも、うちで抜けるし ね。それに障害をおこすのは、この第3大臼歯じゃなく、第2、第1大臼歯、と第一小臼歯が、 先じゃない、将来、歯周病で、抜けちゃうとか。」とお答えいただき、家に帰ってきました。

敬愛する河田先生、先生にご相談した、1月前は、当時者の私でさえ、知らなかったのです、 「ここまで、ふかーく潜ってる、おまけに、根っこが下顎神経に完全にかかってる」なんて、 ごめんなさい。これといって障害が現在ない、親知らずを、ここまでリスク犯して、抜くこと はないでしょう?担当の外科医さんに、「あなたの場合は、あなたの親知らずの生えてる位置 からして、知覚麻痺を起こす危険性が高い」とまで言われちゃったんですから!将来、炎症、 痛みなど障害が出て、どうしても、耐え切れなくなったら、それも今年の秋、大学を卒業して から、恐れながら、泣く泣く、このリスクに挑戦して、抜こうかなあ、と思ってますが。。。

敬愛する河田先生、もうひとつ、ご質問させていただきますね。
私のかかってる歯周病の専門の医院さんで、スケーリングとルートプレーニング先月やっても らいました。私の歯周病自体は、中程度、そんなに深刻ではない、とのことでした!
私のやるディープクリーニングは、上下右顎側、上下左顎側と、2回に分けて、いつも麻酔を 1ブロックごとに打って(計8本)、やるものです。「あなたの場合は、半年に一度でいいの では、麻酔を打ってやるディープクリーニングは?、で、3か月に一度の、クリーニングだけ で。」という、アドバイスを、衛生士さんに言われました。河田先生は、私の場合、(33歳、 歯周病中程度)どのプランが、最適と思われますか?

  1. 1か月ごとの、麻酔なしの、歯石除去。そして3か月ごとの、麻酔かけての、歯石除去。
  2. 3か月ごとの、麻酔なしの、歯石除去。そして6か月ごとの、麻酔かけての、歯石除去。
  3. 3か月ごとの、麻酔なしの、歯石除去。でも、3か月ごと、歯石がすぐ溜まる、下中切歯 部分にだけ、麻酔をかけ、歯石除去。そして、6か月ごとの、麻酔をかけての、全ブロック、 大掛かりな、歯石除去。
    河田先生のご意見、伺って、これからの「メンテナンス」、こちらの先生と衛生士さんと決め てゆきたいと、思っております!
敬愛する河田先生、私の「親知らず」と、これからの「メンテナンス」の質問、どうかよろし くお願い申し上げますね。

感想:
 河田先生と先生のHPの大ファンです。他の日本人のお友達にも、先生のホームページ、お ススメしております。河田先生は、謙遜なさってらっしゃいますが、先生のような方は、日本 どころか、アメリカにもなかなか、存在しない、と言うのが、悲しい現実です。これからも日 本で、「異端児」として、頑張って下さいね! 
追伸:PCの日本語化、うまくゆきましたので、これからは、ご意見・質問受付コーナー に、 直接カキコミして、ご質問させていただきますね。

回答:
 一度麻酔をして歯石をとったあとは、“1か月ごとの、麻酔なしの、歯石除去”だけで 十分です。局所的に腫れた場所があれば、その部位だけたまに麻酔を用いる程度です。 勿論、5年とか10年も経過すれば一度見直す必要があります。
 “第2、第1大臼歯、と第一小臼歯が、先じゃない”って悪くなることが前提のようです が、“1か月ごとの、麻酔なしの、歯石除去”を継続すればどのような結果が得られるかを ご存知ないのだと思います。半年や1年に一度麻酔をして歯石除去するよりは、歯ブラシの 延長…プロによる仕上げ磨きって感じで継続することの効果が如何に大きいかを実感してい ただくのが一番大切なことです。歯槽膿漏は進行しない、新たな虫歯もできない…。

 親知らずの抜歯に関しては、レントゲンを見て、自分で抜いてみないと分からないけれど も、3%の危険度って“多分大丈夫”って数字ですよ。何事もないと思っても何が起こるか 分からないのは、何も抜歯に限らず全ての物事を予想するとき誰もが逃げ道を確保するため の予防線です。本当に危ないと思ったら、“程度はともかく何らかの麻痺が必ず起こります よ”という表現になると思います。特に訴訟の多いアメリカだと当然の防御策ではないでし ょうか。私の経験では、45度くらい傾いた歯で危険を感じた歯は無かったと思います。それ でも必ず、麻痺については説明するし一応覚悟はしておくように言っています。
 また仮に抜歯して麻痺を起こすくらい近接していたとすれば、放置して炎症が起きた場合 簡単に神経に波及してもっと大変なことになるというリスクがあることも念頭に置いておか なくてはいけません。

親知らずのせい? 回答:
 右下の親知らずは、完全に埋まっていて生涯生えてこないかもしれません。左はほぼ正常 方向で、このまま放置しておけばもう少し生えてくるかもしれません。あわてて抜歯をする 必要はなさそうです。神経との関係はそれ程リスクを感じませんが、もう少し生えればそれ だけリスクが下がります。
 親知らずよりも歯槽膿漏の方が心配です。左右の上顎第二大臼歯はちょっと厳しいけれど も、毎月歯石を取り続ければほとんどの歯を生涯保存できるギリギリのレベルです。勿論、 何もしないでいると50歳くらいで壊滅状態です。
 上顎前歯部については、将来的にインプラントを検討された方が良さそうです。無髄歯が 3本というのが救いです。今後もメインテナンスを継続して抜髄にならないよう気をつけて 下さい。

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