無理は承知で使える所まで。
抜歯を薦められました

日付、時間:2003年5月14日 13:45 氏名:  D子  
所在都道府県:  東京  職 業:  主婦  年 齢: 33歳      性別: female 

抜歯を薦められました 質問:
 私は、子供の頃治療した虫歯の再発にずいぶん悩まされてきました。下奥歯は右3本、左 2本が銀のクラウンもしくはインレーです。上もほとんどが治療済みです。そのうち左6番 が歯髄を抜いており、クラウンになっていたのですが、根(5番に近い片方)に病巣がある ことが判明し、抜歯を薦められました。大学病院での再検査を受けても同様の見解。
 大学病院の紹介で近所の歯科に転院して、できるだけ歯を残そうということになり、薬を 投与して3ヶ月たちましたが、変化がなく、抜歯(全歯でも半分でもよいとのこと)してブリ ッジを薦められました。納得はしているのですが、5番が未治療の歯なので数少ない健康な歯 であることもありブリッジに抵抗があります。特にブリッジを付けた後の二次カリエスが怖い です。インプラントも検討していますが、現在の先生は実施していないため、その場合は元の 大学病院に紹介し直して下さるとのこと。
大きい病院での治療や、外科的手術でもあるため、迷っています。先生のご意見をお聞かせ ください。HP非常に参考になりました。

回答  元々虫歯の進行傾向が強い方だと思いますが、それならば尚のこと普段のメインテナンス をキッチリして、虫歯の進行抑制を計ると伴に二次カリエスや新たな虫歯を早期治療して 神経を取るような事態を最小限に留める努力が必要です。過去にすでに大掛かりな治療を したところは手遅れかもしれませんが、未だ虫歯になっていない歯や小さな治療で済んで いる歯については生涯神経を取るとうな事態にならないことも決して夢ではありません。

 さて問題の6番、薬を飲んでいるだけでは何の解決にもなりません。的確な根管治療が 行なわれた時のみ回復の可能性があります。今からでもその根管治療を行なうか、あきらめ てヘミセクションを行なうかは検討の予知がありますが、ヘミセク ションになった場合の対処もちょっと考え物ですね。ブリッジはご心配の通り5番を傷めて しまいますし、残った6番遠心根もいずれはダメになるでしょう。
 そこでインプラントも有力な選択肢ですが、6番半分欠損部位に植えるとなるとスペース 的にかなりの無理があって隣の歯を傷めてしまうリスクが生じます。歯の保存を最大限に 考えた場合、多少無理もありますが、残った半分の根っこに1本分の被せを作るという苦肉 の策を行なうことがあります。無理は承知で使える所まで使って、ダメになったらインプラ ントにするという方針です。結構それでも長持ちして満足な結果が得られるケースが多いよう に思いますが、問題はそのような無理なクラウンには保険が効かないということです。保険外 ですので費用は各医院によって異なりますが、保険と同様のクラウンを作って2万円〜5万円 程度だと思います。インプラント自体の手術は何も大掛かりな手術ではなく簡単だと思って いますがねぇ。

ヘミセクション


返信:2003年5月14日 20:11
 早速の返信、ありがとうございます。
ご指摘のとおり、インプラントの場合は、全歯を抜歯するように言われています。再度、質問 ですが、ヘミセクションについてです。へミセクションというのはどのような技術なのでしょ うか?
歯の根を半分とって、その後をどのように埋めるのか、教えていただけますか?
現在の歯科ではブリッジのみを薦められましたので実施してないかと思われます。奥歯でよく 使う歯であり、根が一本だけでは支えられないと言われました。通常、一般歯科で行われてい る技術なのでしょうか?

 それと根管治療は薬を交換しているだけだと思いますが、現在の歯科ではこれを継続するこ とによって通常、膿がなくなるといわれましたが、別の歯科に転院すべきでしょうか?
根管治療をしっかりやってくださる歯科をご存知ですか?
今までいくつか歯科をまわりましたが根管治療をやり直してがんばってくれたのは現在の歯科 だけです。

 へミセクションという技術の適用が難しい場合、先生のおっしゃるようにインプラントの手 術が簡単で長持ちが見込める技術なのであれば、やってみてもいいとは思っています(費用が かかるのでできれば一度きりにしたいですが)。ただメンテナンスが大変だとすると、大学病 院でやるのはその後が面倒くさいですか?今の歯科を信頼していないわけではないのですが、か なりお忙しいようなので、近所に先生の所ような歯科医院があればと思います。

回答:
 信頼できる歯医者の技術は、歯石除去と初期の虫歯だけです。それ以上の治療となると全く? 信頼に値しないということを肝に銘じてください。ですからそれ以上の治療をしなくて済むよう にメインテナンスという分野で歯科医を利用するようにすることが重要です。
 根管治療も、ヘミセクションもインプラントも、まともに治療できる歯科医なんてそう沢山い ないはずです。紹介したいのは山々ですが、そんなに希少な存在を知る術は私にもありません。 このホームページの随所に根管治療について触れていますが、まさにあなたが実感されている 通り、まず根管治療を行なう熱意がほとんどない。もし適切な処置が行われたとするならば、 1回か2回の治療で結果が現れるはずですが、そのような技術を持ち合わせた歯科医は更に少数 です。
 ヘミセクションの術式についてはイラストで示したように、残った根っこに通法とおり土台を 立てて被せられるような形態に整えます。根が一本だけでは支えられないと言われていることは 承知していますが、周囲の状況を踏まえてあえて一本だけを選択するのも選択肢に入るというこ とです。仮に手前の5番がすでに神経を取って被せた歯であるならば、当然その歯を使ってブリ ッジにするべきです。
 ヘミセクションはおそらく約2〜3割ほどの先生が行いますので、それ程難しい医院探しでは ありません。とにかくメインテナンスが最重要ですので、大学病院では面倒かもしれませんが、 このメインテナンスをしっかりしてくれる医院というのもなかなか少ないようですので大学病院 を簡単に排除するのはどうかと思います。


返信:2003年5月19日 18:30
 何度ももうしわけありません。先日、左下6番の抜歯を迷い、ご相談させていただき ました。とりあえず一度、大学病院でインプラントについての説明を自費で受けてみ ることにしました。ヘミセクションについては現在の担当医は賛成できないと言って らっしゃるので、インプラントの説明を受けてからどうするか決めるつもりです。

 実は今回は別の質問をさせていただきたく、メールを送らせていただきます。 G.W.中に右下5番のインレーがはずれ、二次カリエスが発見され5月2日に新しいもの を装着。削った後、3、4日で痛みが消え抜髄はまぬがれましたが、その後4、5日目 から違和感が出て、先週金曜日の夜からしびれているような痛みのような状態が消え ません。熱いもの冷たいものは特にしみていません。本日受診しましたが、担当医の 見解では熱いもの冷たいものがしみないならば神経の炎症の可能性は低く、その奥の 6、7のクラウンの可能性もあるが1年半ほど前にその歯科医院でやり直してもらった こともあり、診断としては親知らずが原因とのこと。
 私としては5番の下がおかしいように感じるのですが、ズキズキする痛みというわけ ではなく、5番の真下のあごの辺りから首にかけてしびれたような感じなのです。ボ ルタレンを処方され、一応、効いているようです。金曜日に肩こりのマッサージを受 けた後から土、日と違和感が消えませんでした。痛み(しびれ?)にもむらがありま す。この状況は本当に歯髄炎ではないのでしょうか。もう抜歯はどうしても避けたい のです。心配です。
たびたびの質問、申し訳ありません。一生懸命歯を磨いているのですが、子供の頃の 不養生が悔やまれます。

回答:
 歯髄炎の可能性はないわけではありませんが、その件についてはもうしばらく経過を みられた方が良いでしょう。問題の痛みは、やはり5番をまず疑うべきでしょうね。 装着時のセメント残留か歯石の残留が疑われますので、まずはその部分の歯石除去を試みて 様子をみられてはいかがでしょうか。


返信:2003年5月22日 19:41
 回答ありがとうございます。診察していただいてもいないのに、判断しづらい質問をしてし まい、申し訳ありませんでした。
最初にご相談させていただいた一本の抜歯にショックを受け、歯について過敏になっているよ うです。インプラントかヘミセクションか、または根管治療のやり直しが可能か、またご相談 させていただくかもしれません。ありがとうございました。