日付、時間:2003年5月14日 14:06
氏名: M・K
所在都道府県: 東京
職 業: その他
年 齢: 57歳
性別: male
質問:
小生歯槽膿漏で大臼歯が上下ともほとんどなくなりました。現在「親知らず」が下側に
2本残っていますが、いずれも前側に傾いています。
Drは3本は絶望的なので抜いてしまわなければならないとの意見です。しかしながら
近年の治療技術では再植または移植の技術があるとのことですが、どのくらい有効なので
しょうか。また、再植した歯の寿命は5年程度とのことですが、その原因はなぜなのか教
えてください。また、再植または移植には健康保険がきくとのことですが本当でしょうか。
それだけ失ったのだから、もうこれ以上失わないための努力をもっと模索すべきです。
結論から申し上げると再植に活路を求めるのは間違いです。
再植・移植に際して、歯槽膿漏罹患歯は対象となりません。おそらく下顎に残った親知ら
ずも相応に歯槽膿漏が進行しているものと思われます。仮に移植して深く埋めたとしても
歯槽膿漏罹患部分の象牙質は腐っていますので周囲に骨を寄せ付けないばかりか骨を破壊し
てしまいます。
寿命は必ずしも5年とは限りませんが、何れ長く保つことはありません。それは移植によ
って健全だった象牙質部分に含まれる有機質が腐って異物となり、生体によって吸収されて
しまうからだと考えられます。
移植は原則として保険適応外です。例外として、根未完成歯(根っこが完成する前ですので
おおむね20歳以前)に限って保険適応になりますが、当然のごとく57歳では適応になりません。