日付、時間:2003年6月4日 0:11
氏名: りょうこ
所在都道府県: 東京
職 業: 会社員
年 齢: 45歳
性別: female
質問:
大学病院の口腔外科で5月20日に右下の埋伏智歯を抜歯しました。
根の大部分が神経より下にある深いもので、長年の繰り返した炎症と神経に近いために、
麻酔もよく効かず、2時間近くかかっても根が完全に抜けませんでした。手前の歯が抜歯
前から少し動いていたのですが、できれば抜きたくなかったのでそのためにも一層苦労さ
れたようでした。現在、口がまだ一横指しか開きません。知覚麻痺もあります。下あごも
体もだるく、右下半分痛みはありませんが拍動を感じます。
質問ですが、私の開口障害は単に筋肉痛だけでしょうか?
残根について、骨に吸収されるとか、炎症を起こして抜きやすくなるとか、取り残すと予
後が悪いとかあちこちのHPで見聞きしましたが本当のところはどうなのでしょうか。
残った部分は抜歯中の話のやり取りからあまりないような気もしました。知覚麻痺につい
ては、事前によく説明も受けたし、割り切っていますが、残根の抜歯を考えると憂鬱です。
とても良心的な良い先生だったので、あまり質問するとなんだか責めているような気がし
て引いてしまいます。どうかよろしくご指導いただきますようお願いいたします。
感想:
此処に辿り着けたことは、幸運でした。
開口障害は全く問題にならないでしょう。しびれについては、傷害の程度によって回復
時期に違いはありますが、あせらずにのんびり構えて待つ姿勢が必要です。
抜歯窩に残った残根については大きさに左右されます。根っこそのものの大きさよりも
有機質である歯の神経がどの様な状態で、どの程度残っているかが問題になります。有機
質は正常な血液の供給が遮断されると腐敗してきます。開放された状態で血液の循環する
状態だと吸収されて問題になりませんが、半ば閉鎖された環境に大量の腐敗物が残留して
しまうと炎症を起こします。炎症を起こせば痛みは伴いますが、周囲の骨が破壊されます
のでいざ再び抜歯となると残根と骨とが遊離していますので比較的簡単に取り去ることが
可能です。
一方、残存した有機質が少ない場合は無害な無機質だけが残る形になるので、骨と一体
化してしまいます。もっとも、神経だけでなく象牙質の中にもわずかな有機質が含まれて
いますので徐々に吸収されていくはずです。
何れの方向に転ぶかは今のところ不明ですが、どちらに転んでもどうにかなるのが実際
の所でしょう。大勢としては、後者の方が圧倒的に多いと思います。