闇雲に切るだけでは治らない。
歯槽膿瘍の切開

日付、時間:2003年6月17日 18:12 氏名: Y   
所在都道府県:   大阪  職 業:  会社員  年 齢: 38歳      性別: female 

歯槽膿瘍の切開 質問:
 こんにちは。 お世話になります。
さっそくなですが、先月、右下2番の下の歯茎に白い核を持ったニキビのようなものが できて、次第に腫れてきて右耳のしたのとこまで鈍痛が響くようになったので、耳鼻咽 喉科と歯科と迷った末、歯科口腔外科に参りました。 

 詳しい病名は記憶が定かでないのですが、歯槽膿瘍と言われたような気がします。中で ウミがたまって行き場を失い、こうして出てきているとの事でした。全歯の歯周ポケット のサイズを計り、レントゲンも取りました。初診の時に歯に近い部分に小さく切れ目を入 れてウミを出しました。 
 一応、これで ニキビのようなものは、なくなったのですが、この日を境に、まるで他 の所も誘発されたように、日替わりで腫れぼったくなって、痛みます。右の奥が痛んだり、 前歯のうらが痛んだり、悪かった所と反対の左下が痛んだり・・・。先生に聞くと、もう 一度歯周ポケットを計って、改善が見られるので、だんだんと治まってくるとの事でした。

そのうち、最初の場所に、再び、ニキビのようなものができました。それを報告すると、 「今までは基礎的な治療をやってきました。にもかかわらず、ここの部分には、まだ菌が あるようですので、更に一歩進んだ治療を行います。それは、歯茎をあけて見てみないと わからないので、このあいだは、比較的上の方を切りましたが、今度は、切って開いてみ てみて治療を行い、縫います。」との事でした。今月24日にその処置を予定しています。
(そういう経験が今までにないこと)、
(一度切ってウミを出しているのに、何故また出てきたんだろう)、
(このまま、あっちこっち痛みが続くと、極端な話、結局全部切らないと治らないのではないか)、
(果たして、切ってする治療が私の症状に本当に合っているのか)、
これまであまり治療経験のない私にとっては、もろもろの不安があるのですが、歯科口腔 外科を選択した事が正しかったかどうか、と、このまま治療を続けて大丈夫かどうかを教 えていただきたいと思いました。 どうか、宜しくお願いします。

回答  膿瘍の切開自体、溜まった膿を排出させて急性炎症を抑えるという効果がありますので、 有効な手段だと思います。ただ、何か原因があって炎症が起こり膿が溜まったわけですので、 溜まった膿を出しただけでは根本的な治療とはいえません。たまたま、排膿と同時に根本的な 原因物質が除去された場合には切開も根本的な治療になりうるという現実が素人の患者さん だけでなく、専門家である歯科医の頭を混乱させているように思います。
 ニキビを潰したときと同じ!
ニキビを潰して、芯まででたら治癒。芯が残ったらまた腫れるという経験があるでしょう。生 体は異物である芯を生体外に排出したいがために自らの組織を破壊して芯を排出しようと必死 なんです。それを助けてニキビを潰した際に芯まで出してやると(あとの傷は別にして)治癒 を助けます。組織破壊が不十分な時期にニキビを潰して、芯を残したら、折角生体が苦労して 排出させようとしているのを邪魔してしまいます。

 そういう経験が今までにないことはさておいて、原因である何か…この場合は間違いなく 歯石です…が残っているから腫れるのであって、いくら深い位置を切っても歯石を除去しない 限り何度でも腫れてきます。逆に言うならば、なにも切らなくっても的確に歯石さえ完璧に 除去してやれば歯肉状態は改善します。
 “まだ菌があるようですので”が素人を納得させるための言い回しであれば問題ないかも しれませんが、歯医者が本当にそう思っている(普通はほとんどの歯医者がそう思っています) のなら改善はほど遠いと思います。口腔外科だから、何でも切りたがるのは分かりますが、闇雲 に切るだけでは治らないことを本当に知っているのか疑問に思う治療方針ですね。


返信:2003年6月18日 1:58
 6月17日、歯周膿瘍の切開の事で伺ったYです。さっそくのお返事ありがとうございます。 自分の選択に不安があったのですが、少し安心しました。本当にありがとうございます。

歯石ですか・・・。
歯石と歯周病の話はその先生からもありました。模型を使って、模型の歯茎をぺロっとはがす と歯の壁が黒くなっていまして、私の歯の状態がこうなっている可能性は高いとおっしゃいま した。「虫歯などでよく歯医者に行く人は、その時、その時で歯石をちょこちょこ取るからい いのだけれど、私はあまり歯医者さんのお世話になる事がなかったので、その分頑固な歯石が たまっています。」 と初診の時に言われました。
 歯周ポケットについてですが、私の場合、ひどいところで最大7ミリはあったようです。2回 目にデキモノが出たとき、もう一度計りました。すると、だいたい2ミリ〜4ミリになっていま した。ですから、初診の時点から見ると確かに改善は少し見えるわけで、このまま、歯石を定 期的に取りながら経過を見る方がいいのかなとも思いますが、切開せずには取りきれない歯石 があるのなら、とも思いますし、一度はその先生の指示に従ってその「デキモノ部分」を切開 してみて、あとはとにかく歯石の除去に努力して行きたいと思います。

 原因が「歯石」と先生に断言して頂いて、治療に向けての方向が自分ではっきりつかめて嬉し く思いますし、その他の部分の腫れについても、今も左下犬歯の内側の歯茎が腫れて痛むのでと りあえず、その口腔外科でもらっていた頓服薬で痛みをおさえているような状態ですが、原因が 全て歯石とわかったので気持ち的に落ち着きました。今後はそのポイントに注意してマメに歯医 者さんに行こうと思います。ありがとうございました。