日付、時間:2003年7月1日 20:07
氏名:
所在都道府県: 神奈川
職 業: 主婦
年 齢: 30歳
性別: female
質問:
はじめまして。重度の歯槽膿漏に悩んでいます。9年前に不正交合で歯列矯正をしました。
2年半でおわり、3年前に最終検査をしました。矯正をするまえから歯肉炎といわれ、矯正終
了後は歯茎が全体的に下がっていましたが、調子もいいということで、何も言われませんで
した。
去年の8月に出産し、今年の2月に上左の側切歯がつばを飲み込むだけでもぐらついてしま
いました。下の前歯が上の歯を強く押し上げている感じがして、また歯がずれてきたのかと
おもい、矯正歯科と、歯肉も腫れていたので、一般の歯科に行きました。
一般の歯科では重度の歯槽膿漏でこのままでは総入れ歯といわれました。全体的に歯肉が
落ちていて、下の中切歯と、側切歯は特に根が短く、溶けていると、言われました。根より
も表に出ている歯の方が長いと言われました。確かに鏡で歯の裏側を見ると、根が透けて見
えます。ポケットは2ミリくらいでした。それから、1週間おきに歯石取りをして、今は2週間
おきに歯石取りに通っています。歯茎の状態も良くなってきたので、現状維持を目指しましょ
うと、いわれています。
矯正歯科(私が矯正していたところではないのですが、)では矯正していた時のマウスピー
スをすすめられました。これで歯のあたりはなくなってきました。とはいえ、歯磨きをしてい
ても、かなり歯の動揺はあるので、抜けてしまいそうで、歯磨きが怖いです。そんな時に先生
のホームページを拝見させていただきました。歯周外科という存在を始めて知りました。今通
っているの先生は良い先生ですが、やはり、歯周外科に行ってみた方が良いでしょうか?
もう手遅れでしょうか?
そろそろ二人目もほしいのですが、二人目を生んだら総入れ歯になるのではと、怖いです。一
日でも長く自分の歯で過ごしたいです。まとまりの無い文章ですが、宜しくお願い致します。
世間では“子供産むと歯が悪くなる”といわれていますが、これには因果関係はありません。
濡れ衣を着せられた赤ちゃんが可愛そうです。元々の体質にもよりますが、手入れさえ良ければ
出産と歯の崩壊は無縁のものです。
反対に矯正との因果関係は十分考えられます。矯正装置のために不潔になり易く、場合によ
っては歯根が吸収して短くなりますので歯槽膿漏を助長する結果になります。9年前に、矯正
よりも歯槽膿漏治療を受けるべきだったようですね。
それよりも今後のことです。実際に診ていないので進行状況が把握できませんが、おそらく
まだ間に合うでしょう。手術云々よりも徹底した歯石除去を継続することが最善の処置です。
歯周外科は必要ないと思いますが、歯周病の専門家の方が適切な処置をしてくれる可能性が
高いと思います。歯周病学会認定医だけが全て
ではありませんが、とにかく熱心な先生を探してケアに励んで下さい。
回答:
神経を取ってある第1大臼歯の根管治療も怪しいけれど、神経のあるそれ以外のがもっと
怪しいと思います。レントゲン的に骨欠損の著しい歯が最有力ですが、それ以上に異常な
知覚過敏のある歯、もしくは打診痛の強い歯の神経が死にかかっているのではないかと思いま
す。一般にはむし歯の進行に伴って起こる歯髄炎を想像しますが、歯槽膿漏進行によっても
同様の症状が起こることは知られていません。
問題のある歯はおそらく1本でけだと思いますので、最も疑わしい歯を特定して抜髄すれば
症状の鎮静とともに、歯牙の延命を計ることが可能だと思います。