日付、時間:2003年7月8日 12:39
氏名: 差し歯が小さい
所在都道府県: 東京
職 業: 学生
年 齢: 24歳
性別: female
質問:
差し歯についての質問です。
出っ歯が気になって、五年前に審美目的の差し歯にしたのですが、その際、歯が目立たない
ようにとのことから、形を3分の2程度の大きさ(短さ?)に、そして内側に向けられるよ
うな形でとりつけられました。最初はうまく前歯がかみあわなかったのですが、だんだん歯
茎が伸びてきて、下の歯と噛み合うようになっていました。しかし、差し歯にしている人に
とって、「歯茎が下りる」という現象は大変危険なことだと知り、最近は脅えています。
かつて大学病院で、パッと見た先生に「ちゃんと磨かないと抜けちゃうよ〜」と言われ、
あまり意味がわからず、歯周病なのかと思ってがんばって磨いてはいたのですが、もともと
作られた歯の大きさが大きさのため、噛み合わせのつじつま合わせに、上前歯の歯茎が下り
てくるのがとまりません。昔の歯にくらべると、5mm以上、歯茎がむき出しになってい
ます。これは「自前の歯が伸びてきて抜けかかっている」という状態なのでしょうか。
お聞きしたいのは、差し歯の作り替えに緊急を要するかどうかということなのです。
右1に歯根膿胞のようなかすかに小さいニキビがあり、それも気になってはいるのですが、
普段は本当に気になるかならないか程度だし、「差し歯を頻繁に作り替えること」のほうが
リスクが大きいような気がして、お金もないし踏み出せません。あと数年放っておいてよい
ようならば、放置しようと思っていますが(あと五年くらい)、「抜け落ちかかっている」、
もしくは歯根膿胞は緊急に処置しなければならないものであれば、今すぐにでも本の大きさ
につくりかえざるを得ないと思っています。
それ以前に抜け落ち掛かっている場合、差し歯を作り替えることは可能なのでしょうか。
差し歯は、どんな形にするのも理論上は可能だとは思いますが、通常より、小さく作られて
しまった場合、どんな弊害がありますか?
とりとめのない質問で申し訳ありません。お忙しい中、お手を煩わせてしまってもうしわけ
ありませんが、もし先生が、自前の歯より、小さく差し歯を作られてしまった患者さんを御
覧になったことがあれば、教えていただきたいと思ってメールを送らせていただきました。
お答えいただけると、本当にありがたいです。
感想:
このようなHPがあること、患者の立場としては大変心強く感じます。色々勉強にさせていた
だいております。
小さく差し歯を作ったことは全く関係ないと思います。それよりも神経をとってさし歯に
したこと自体に今回および先々に悪影響が及ぶことが問題です。歯茎が5mm以上退縮したこ
とは相当大きな問題です。その原因が何であるかを診査して、適切な対応をする必要があり
ます。
まず歯槽膿漏ですが、基本的に誰にでも存在して最終的には歯の喪失につながる疾患です
ので、これを機会に定期的に歯石除去を行なって現状を維持するように心がけてください。
しかし、今回の原因ではないように思います。
“右1に歯根膿胞のようなかすかに小さいニキビがあり”ということですので、その歯には
間違いなく根尖病巣があると思われます。この根尖病巣の存在が何らかのかたちで、異常な歯肉
退縮に関与しているものと思われますが、それ以外にも歯根破折や穿孔といった歯根のトラブル
があるのかもしれません。いずれにしてもメールで原因を特定することはできませんので、最寄
の歯科医院に行って原因を特定することが必要です。その原因の種類や程度によって後々の対処
が異なってきます。