日付、時間:2003年7月8日 21:24
氏名: KO
所在都道府県: 東京
職 業: 会社員
年 齢: 39歳
性別: female
質問:
3はじめまして。現状のかかっている歯科医の治療方法に関して客観的ご意見を賜りたく
お願い申し上げます。
右下第1大臼歯の根管再治療を受けておりますが、根が3箇所あるうち、奥の根は再治療で
きたが手前の2箇所の根がどうしても見つからないとのこと、その上、手前と奥の根の間の
底部分に穿孔があるようなので当該の歯を割って、手前部分を抜歯すると言われています。
来週14日に施術予定なのですが、それしか方法はないのか不安があります。アドバイス
をいただけましたら幸いです。宜しくお願い申し上げます。
根治不能で穿孔があるとするならば、ヘミセクションもやむを得ない
かもしれません。
チェックポイントは、根管治療できない根っこに根尖病巣があって本当に治療が必要かどう
かということです。痛みの原因が根管治療そのものでなく、穿孔によるものであるとするなら
ば、穿孔に対する処置だけを行えば未だ使える可能性があるからです。
髄床底の穿孔部分を塞ぐには、レジン充填を行う際に接着剤として使う4META系のボンディ
ング材で封鎖する方法が考えられます。永久に完全な封鎖を行なうことは不可能だとしても
或る程度の許容範囲内で数年以上使える可能性があります。
また、中途半端な隙間があることが問題ですので(血液が入り込んで腐るから)、反対に
大きな隙間にして汚れを貯留させないことも解決法となります。すなわち、2根を完全に切り
離して小さな根っこ2つにして、それぞれにクラウンを被せるセパレ
ーションという術式です。
回答:
今時のご時世ですので、インターネットで質問したと言えば角は立たないと思います。
患者さんからの要望となれば、多少の無理は聞いてくれるはずです。と言いますのが、
責任を問われることが無いからです。あとで問題が生じ難いのはヘミセクションです。
但し1根ですので弱い。上手くいけば封鎖やセパレーションの方が強い。でも封鎖が不完全
になったり、セパレーションの最中に1根がダメになるリスクもある。例えば、根管治療不可能
な根っこにも金属の維持を図るために穴を掘らなければならないけど、根管治療が不可能という
ことは穴の方向が判らないので新たな穿孔を起こす可能性もあります。
何をするにしてもメリット・デメリットがありますので、それをいちいち全部説明すること
くらい面倒なものはありません。説明が簡単で、間違いの少ない方法が必ずしも最善とは限ら
ないのと同時に、最善を尽くせば必ず報われるとも限りません。その点、患者さんからの要望
であれば、リスクは患者さんもちです。最善を尽くしても結果がでなければ文句を言う患者さん
っていますもんね。
遠方からの患者さんも受け付けてはいますが、地元の歯医者さんの方が後々の問題にも対処し
やすいので、できるだけ今の担当医を優先してみてください。問題の根管治療も的確に行なわれ
たようですので、なかなか信頼できそうですよ。