妊娠前に白黒をつけておくべきことです。
歯根の間が影

日付、時間:2003年7月16日 18:04   氏名:  T  
所在都道府県: 大阪    職 業:  主婦  年 齢: 26歳      性別: female 

歯根の間が影 質問:
 そろそろ子供をと考えているのでその前に歯の治療をと思い、先日歯科医に行きました。 レントゲンをとり、右下6番の歯根の間が影になっていることが分かりショックを受けま した。大きさは根と根の間全体です。歯ぐきの周りはその部分だけ13ミリにもなっていま す。動揺は6だそうです。
 その歯は、高校生までに神経をカットしていたようで、18歳のときにおせんべいを食べ て欠けたことで治療をした際、残りの神経を抜きました。麻酔はしていたはずですが、泣 きながらの大治療でした。歯根が曲がっていたので抜きにくかったと言われました。歯全 体にクラウンを被せ、その後は痛みもなく数年が過ぎました。21歳頃、何度か歯茎の腫れ を感じましたが、すぐ腫れが引くことと、引っ越したばかりのためどこの歯科医に行けば よいのか迷ったためそのままほっておいてしまいました。現在は痛みはなく、体調の悪い ときにうっすらと腫れるくらいです。
 担当の先生によると、クラウンを開けて診ないとことには分からないけど、治療には相 当な時間がかかり、第一治るかどうかも分からない。妊娠を考えているなら子供に手がか からなくなってから治療したほうがいいとのことでした。心配なのは、万が一妊娠中に腫 れて薬や麻酔を使うことになった場合の子供への影響と、治療せずに妊娠したことでの細 菌の影響です。考え出すと夜も眠れず、かなり深刻に悩んでしまいます。
 何年もかかることでなければすぐに治療をしたいのですが、経験の豊富な先生でなけれ ば怖くて思い切りがつきません。治療するとしたらどんな治療法が考えられるのでしょう か?
先生のご意見をぜひお伺いしたいと存じます。よろしくお願いいたします。

回答  ばい菌が入ったから炎症を起こすと考えるから、ばい菌を殺さなくっちゃということに なります。口の中でばい菌を殺していたら何時まで経っても治りません。それこそ何年か かることやら…。  これはあなたのせいでなく、全ての歯医者が持っている誤った認識ですので、どこの 歯医者に行ったとしても降りかかってくる問題です。たまたま色々触りまわっているうちに 、原因が排除されれば直りますので、どの歯医者が素早く偶然にたどり着くか、もしくは あきらめるかの違いです。

 炎症を起こす原因は、あくまでも“汚れ”ですので、溜まった汚れを如何に綺麗に掃除し て、二度と汚れが貯留しないようにするかだけのことです。この度の原因は根管治療の不備 か、根分岐部に生じた穿孔や亀裂ですので、これが綺麗に掃除できるか、そして二度と汚れ が貯留しないように封鎖できるかにかかっています。できるものであれば1日、できなければ 何日経っても無理。そのような治療をしてくれる歯科医を探すしか方法はありません。
 無論、妊娠中の薬もできれば避けたいところですので、妊娠前に白黒をつけておくべきこ とです。お産が終わっても、次のお産もあることだし、子ずれでは落ち着いて治療ななかで 来ませんよ。


初診時パノラマ
6|周辺の拡大
返信:2003年7月17日 12:15
 お忙しい中、早速のお返事ありがとうございました。やはり妊娠する前に白黒をはっきり させるべきなんですね。
私のような歯の状態でも一日で治せる場合もあるのでしょうか?
一度その望みにかけてみようと思います。姫路までは遠いような気がしていましたが、やは り河田先生のように安心して診ていただける先生は他に見つけることが難しいと思います。 ややこしい歯で大変申し訳なく思いますが、ぜひよろしくお願いいたします。

回答:
 1日で治せるかどうかはプレッシャーだけど、1日で白黒はつくと思いますよ。


診断:
 主訴の6|は、髄床底に亀裂、遠心根尖部に リーマの破折、近心根には穿孔、おまけに太い金属ポストが装着されています。いよいよの時は、 治療を試みる価値もありそうですが、痛みもなくそれなりに使えている現状で、あえて治療する 必然性が薄いように思います。
 妊娠中の治療リスクを回避するという観点だけを優先させるのであれば、この歯を早急に治療 するのも良いかもしれませんが、リスク因子はこの歯だけではありません。それ以外に多数存在 する虫歯も同様、数年以内に抜髄という事態に発展する可能性があります。それらの虫歯を治療 して、メインテナンスを継続すればほとんどの治療リスクを回避することが可能です。

 多数存在するリスク因子を排除して、さらに新たな発生を抑制すれば、氷山の一角に過ぎない 1つを残したとしても問題はないでしょう。