反省すべきは今回の抜歯ではなく、10年前の抜髄です。
その日に抜歯

日付、時間:2003年7月23日 18:13   氏名:  MA  
所在都道府県: 愛知    職 業:  会社員  年 齢: 29歳      性別: female 

その日に抜歯 質問:
 左上6番の歯茎が痛く口腔歯科に診察に行ったその日に抜歯されました。10年くらい前に 虫歯で神経をとったもので、カバーをかぶせてあったけれど、虫歯になり、中で歯が溶けだ していたそうです。すぐに抜きましょうといわれ、歯について知識が全くないので言われる ままに30分以上かかったと思いますが(ばりばり折れながら)根っこから抜かれてしまいま した。
 周囲の者に話すと永久歯は普通は抜かないとのことで、今は後悔して悩んでいます。本当 に抜くべきだったか医師に聞くと、万一残しても根元が鼻の肉に近いので、いつか鼻に症状 が出たかも、といわれました。その言い方だと抜かなくても残せたような言い方です。根が 割れていたともいわれましたが見せてもらっていないし、だからといって残せなかったのか 疑問です。その先生は今思うと、1年前に親不知の周囲が炎症を起こし診察に行った時もす ぐに抜きましょう、といっていました。生え方の向きを変える方法とかなかったのでしょう か。
 今回の左上6番は、最初からブリッジを薦められました。別の方法の説明が無く自分で調 べるとブリッジは両側の歯も悪くすると分かったので、それ以外にして欲しいと頼みました。 すると親不知を植える方法があるけれど、私は鼻の肉に歯の根が近いので数ヶ月様子を見て 肉が(骨?)盛り上がってきて厚みを持てばできるけど、とのこと。1週間後にどうするか 決めましょうといわれています。例え寿命が5年でも植えるほうがいいと思うのですが、実 際はどうなのでしょうか?
また、その歯が5年で取れてしまったら結局ブリッジになるのでしょうか?
ブリッジにして他の歯もダメになり入れ歯になってしまうかと思うと真剣に悩みそうです。 他に最良と思われる方法は、親不知の移動を待ってみる方法でもいいのでしょうか?(その先 生は親不知の移動の説明はされませんでした。6番をあけておくと歯が動くから良くないとは いわれましたが。)今は6番が無くなったのがショックで親不知が大切かどうかもわかりませ ん。よろしくお願いします。

PS
 2003/7/23PMに一度送信していますが、私の行った医師は、ブリッジは保険の利かないもの (9千円くらい)でも20年から30年もちます。と言われました。このHPはどこだったか、7,8 年とあったと思うのですが、どれが本当なのでしょうか(でも左上6番に左上8番の親不知の 移植もしくは移動を希望をしたいのですが)。

感想:
 歯を抜いてしまう前にここを見ればよかったです。親はいればを使っていますが、自分の 歯を残すことがどんなに大切か全く考えていなかったことをとても後悔しています。

回答  反省すべきは今回の抜歯ではなく、10年前の抜髄です。抜髄した歯は遠からずこのような 運命をたどることを知らなかったことが最大の誤りです。しからば、10年前に抜髄した歯医者 が悪いかというとそれも違います。おそらく抜髄せざるを得ない状況で治療を受けたことが 今回の悲劇に繋がっています。
 もう少し分かりやすく言うと、患者さんが歯医者に行こうと決断するような状況の歯はすで に手遅れだということです。手遅れなものはいくら治療しても10年も保たせるのがせいぜい。 ですから、これからの教訓として、定期的に歯医者に通って(80まで保たせたいなら毎月)、 歯石除去と検診を積み重ねることが最善の防御策であることを認識することです。

 できることならばインプラントが最善の方法だと思います。しかし、上顎の大臼歯部分は 骨量の関係でインプラントが不可能なことが多く、必ずしも植えられるとは限りません。親知 らずの移植も選択肢の一つです。平均寿命が5年ということを念頭に、ブリッジにする年齢が 5年先延ばしになると考えれば利用価値は十分あります。
 ブリッジの前に一旦部分入れ歯にして骨の回復を待って、できればインプラントという選択 は有効です。ダメでブリッジにする場合も、最も大切なことは根管治療の確かな腕を保つ歯科 医、そしてメインテナンスに熱心な歯科医を探しておくことです。この二つがそなわれば、 生涯ブリッジを機能させることが可能だからです。 

 ブリッジは保険適応で9000円(3割負担)だったと思います。保険の利かないものは15万円 以上するはずです。いずれにしても技術とメインテナンス次第です。どれが正しいって、どれも 真実でしょう。技術とメインテナンス次第です。


返信:2003年7月28日 12:56
 先週(確か火曜日に)質問受付けにメールをした者です。送信後すぐにお返事をいただき ありがとうございました。抜歯した左上6番にブリッジというのはどうしても嫌なので傷の 経過をみて親不知の移植をしてもらえるか相談していきたいと思っていますが、同僚の通う 歯科医院にも相談に行ってみようかと思っています。治療中に変わるのは良くないと聞きま すが抜いてしまったので、いいかなあと思っているのですが。

 私の先生は言われなかったけど歯槽膿漏とういうこともあるのでしょうか?
また相談になってしまいましてすみませんが、歯槽膿漏かどうか判断するのも、医師によっ て判断する基準が多少違ってきたりするのでしょうか?
そうだった場合歯槽膿漏ではないのにそのための治療をされてしまうことになるのも心配 です。

回答:
 抜歯の原因は歯槽膿漏ではないはずです。あくまでも根管治療の不備と深い虫歯だと思いま すよ。それとは全く関係なく、年齢的に歯槽膿漏の初期もしくは中期にさしかかる頃のはずで す。あなたに限らず、50歳ころ訪れる歯槽膿漏の末期を回避するために、今から歯石除去を 行なう必要が必ずあるはずです。“歯槽膿漏ではないのにそのための治療をされてしまう” ことの心配より「大丈夫です」と言われて何も治療されないことの方が問題です。