日付、時間:2003年8月20日 2:50
氏名: O・Y
所在都道府県: 静岡
職 業: 会社員
年 齢: 30歳
性別: female
質問:
はじめまして、3人の子供をもつ親ですが、子供たちの虫歯の事で質問させてください。
一番気になるのが真ん中の子供(4歳)なのですが、奥歯がいつの間にか酷い虫歯になり、
穴が空いてしまいました。茶色かったので気にはなっていましたが、以前治療してもらった
時に塗った虫歯の進行止めの色だろうと思っていたところ、よく見ると穴が空いていてこれ
は大変だと思い歯医者に行きました。
やはり虫歯が深く神経を抜かなければならないそうです(神経の上に虫歯が乗っている
状態だそうです)。まだ4歳なのに神経を抜いてしまうのはかわいそうな気がして他の方
法を聞いたところ「強い抗生剤を塗らなければならないが、うちでは扱っていない」との
事です。
それからネットで調べてみたところ、多分3MIXという方法だろう
と思います。子供の歯ですので、お金が掛かっていても神経を残せるならその方法を選び
たいと思いますが、先生のお考えを教えてください。
もしも3MIXと言う方法が無理でしたら、エアーアブレーション、レーザーと言う方法も
あることも知り、できるだけ無痛での治療方を選びたいと思うのですが、お勧めの治療法は
ありますか?
子供に歯医者がいたいところだという思い込みを植えつけたくないので・・・
また歯医者では「乳歯の神経は抜いても永久歯の神経ではないので永久歯は生えてくる」と
説明されましたが、乳歯の神経を抜いた場合の永久歯の影響を教えてください。
あと、他の子供たち(2歳と6歳)も気になる歯があり、私の歯磨きの仕方が悪いのかと
不安に思っています。いつもは子供たちが一通り自分たちで磨いたあとに、寝かせて水を
入れたコップで歯ブラシをゆすぎながら歯が1本1本キュッキュと鳴るまで磨いているの
ですが・・・側面にばかり気を取られてかみ合わせの部分が不十分だったのかもしれません。
流水でゆすぎながら立たせて磨いた方がよいのでしょうか?
感想:
色々と疑問に思っていたことが分かりやすく書かれていてついつい読みふけってしまいました。
まだ全部の項を見たわけではないので私の質問が概出の質問と重なってしまうようでしたら
すみません。 よろしくお願いいたします。
“3MIXと言う方法が無理でしたら、エアーアブレーション、レーザー”というのは発想が
違います。歯の削り方が通常のエアタービンと違って歯髄に対する刺激が少ないと言うだけで
実際の効果は懐疑的です。「強い抗生剤」という発想や効果についても懐疑的です。3MIXを
使わなくても通常の歯髄覆トウ剤だけでも保存できるものなら同様に保存できますし、虫歯と
反応して真っ黒にはなりますがサフォライド(フッ化ジアミン銀)で処理してから通常のレジ
ン充填を行えばもう少し確率良く救うことができるかもしれません。
どうも話しを伺っていると、お金と愛情のの賭け方を間違っているように思います。そうな
ってしまってから、またそうなった歯に無駄とも思える労力を払うよりむしろ、そうなった原因
を深く反省して同じ過ちを繰り返さないことこそ重要です。神経を取った乳歯というのは、必ず
根尖病巣ができてそのうち抜歯せざるを得ない状態になってしまいます。運良く永久歯萌出まで
持ちこたえてくれればラッキーですが、4歳からだとおそらく持ちこたえられないでしょう。
今までだってそれなりの歯磨きをして愛情を注がれていたとお見受けいたしますが、それでも
不幸な結果を招いてしまった。歯磨きの方法をどう変えてみても結果を大きく左右するものでは
ありません。
特に子供の歯は虫歯発生から、歯髄に到達する程に進行するまで半年も猶予がないという現実
と、気がついた時にはすでに手遅れだという現実をまず認識して下さい。その現実の中で最善の
防御策は、半年を空けず定期的に歯科医院でプロフェッショナルな検診を受けて早期発見に努め
ることです。子供でも定期的な歯石除去というか、プロフェッショナル・トゥースクリーニング
は絶大な効果があります。これを実践してくれる歯科医院も稀だとは思いますが、せめて定期的
に通って相応のケアを行なうようにして下さい。お金の使いどころと注ぐべき愛情は、生涯歯の
ことで苦労することのない習慣を子供に伝えることではないでしょうか。
回答:
深すぎると避けられないけれども、試してみる価値は十二分にあります。