解剖学的には麻痺が起こらない方が不思議。
水平埋伏歯抜歯手術

日付、時間:2003年8月20日 22:37   氏名:   Y.M  
所在都道府県: 京都    職 業:  主婦  年 齢: 39歳      性別: female 

水平埋伏歯抜歯手術 質問:
 水平埋伏歯抜歯手術についてお伺いします。気になる事があり大学病院と開業医の二人の 先生に診て頂いたのですが、診断にあまりにもひらきがあったので困惑しています。
 顎下神経の真横に生えていて、パノラマでは同一線上にあり重なってみえます。抜歯後、 長期において麻痺が残るだろう・・・ほとんど問題ないでしょう・・・と、食い違い不安に なってしまいます。

 麻痺というのはどの程度のもので、ストレスにつながるようなものであれば心配です。先 生に抜歯をお願いしたくても家から遠い事と、今までの経験から抜歯後の体調に不安がある ので、なるべく近い病院を選択するしかありません。不安で一杯です。

回答  病理解剖学的にみて、親知らずを抜歯して麻痺が起こらない方が不思議と言います。20年間 何千本も抜いて一度も麻痺の経験のない私のような臨床医だと(通常そんな豪語はしませんが) 「絶対大丈夫」と言いたくもなるしそんなうぬぼれた気持ちもあります。

 どっちが正しいかなんて結果をみないと分かりません。麻痺は非常にレアケースだとは思いま すがそれを間違って豪語しようものなら、本当に遭遇した場合裁判沙汰になってしまいます。 インフォームド・コンセント…、あくまでも考えられるリスクを事前に説明しておくという立場 からは、必ず麻痺というものを覚悟しておいてくださいというのが正解だと思います。だって、 解剖学的には麻痺が起こらない方が不思議だと専門家が太鼓判をおしているのですから。
 実際に麻痺が起こっているのも事実ですが、そんなに頻繁なものだったら私達臨床家が恐ろし くて誰も手出しできないはずなのに全国で毎日抜歯されている事実も無視できないことです。 世界中では、おそらく毎日のように飛行機事故が起こっているはずです。そのことを知っていて も海外に行く時には飛行機にのるでしょ。