原因を残したまま如何なる増骨方法を講じても歯槽骨が回復してくることはありません。
再生医療

日付、時間:2003年9月17日 21:34   氏名: R    
所在都道府県: 東京    職 業:  主婦  年 齢: 38歳      性別: female 

再生医療 質問:
 私は中程度の歯周病で1年ほど治療を受けてます。運良くとてもいい歯医者さんにかかる ことができ、徹底した歯垢除去のおかげで出血も腫れもなくなり、今は1ヶ月ごとにメンテ ナンスに通院しています。
 歯周病のほうは落ち着いているのですが、ただ上前歯から二番目の歯茎が異常にさがって しまい、笑うととてもみっともない状態です。食事のたびにものが挟まるし、鏡をみるたび に憂鬱になります。

 そこで、以前ネットでみた関西の大学での流動骨を注射で注入して歯槽骨をふやす方法を 受けてみたいと思ったのですが、まだ未知の分野の再生医療ではリスクが大きいかと躊躇し ています。
ならば、奥歯の歯槽骨を患部に移植する方法はどうなのでしょう?
かなり大きな手術で、術後も大変そうだと思いますが、それで骨が元通りになるなら受けて みようかとも考えております。先生のご意見を伺いたいです。宜しくお願いします。

感想:
 とても参考になるHPで感激です。お忙しい中、これを維持していくのは大変でしょうが、 がんばってください。

回答  歯槽骨を破壊する原因がなくなれば、例えば抜歯窩のように何もしなくても骨は回復します。 歯垢除去のおかげで新たな炎症をコントロールできたとはいえ、歯槽骨を破壊する原因が排除 されたわけではないからこそ骨が回復してこないのです。破壊する原因を残したまま如何なる 増骨方法を講じても歯槽骨が回復してくることはありません。
 私の目からみれば、未知の分野という以前に誤った理論に基づく治療方法ですので、どちらの 方法も効果を期待することはできません。骨が元通りにならないのですから無駄な治療を受ける ことはないでしょう。ちなみに失ったものを回復することを望むよりも、失われた現実を受け入 れて更なる破壊を最小限に食い止める努力を最大限実践することの方がはるかに建設的だという 認識を持つことが重要です。