日付、時間:2003年10月14日 12:36
氏名: Y・H
所在都道府県: 大分
職 業: その他
年 齢: 36歳
性別: female
質問:
はじめまして。早速ですが質問させていただきます。2ヶ月程前,突然,右奥歯が熱い
ものでも冷たいものでも口にするとしみるようになりあわてて病院へ行きました。右上第
2大臼歯か右下の親知らずのあたりということでレントゲンを撮ってもらったり,刺激を
与えて調べた結果,「特に虫歯は見当たらない,多分,噛み合わせが原因で,寝ている時
の歯軋りか,強いストレス,若しくは急激な運動によって右下の親知らずに負担がかかっ
た結果,神経がいたんだのではないか,噛合せを調節してそれでも痛みがなくならないな
ら抜髄(神経を抜くことですよね?)しましょう」ということで,噛合せを調節され,様
子をみることになりました(確かに,痛くなった前日に久しぶりに激しい運動をしたので,
その説明に納得しました)。
しばらくたつと歯がしみることもなくなり良くなったと思っていたのですが,それでも
親知らずあたりに違和感が残ります。何もないときにズーンという軽い痛み(重み)のよ
うなものを感じたり,水を飲む時に舌が親知らずにあたっても違和感を感じるので再び病
院へ行きました。すると,「親知らずのまわりの歯肉(茎)が少し腫れているようなので,
噛合せを調節して,薬を塗って,飲み薬(セフゾンカプセル)を飲んで様子をみましょう
とのことでした。
私は先生のHPを見ていたので,「抜いたほうがいいのであれば抜こうかと思う」とい
ったのですが「あなたの場合,親知らずで支えているので抜かないほうがいい,抜くと右
下第2大臼歯(クラウンに近い状態)が,今の親知らずと同じ状態になる。もう目に見え
るよう」といわれ,薬での処置をしました。そしてまた指定日に病院へ行きました。歯の
状態は,若干,良くなったような気はしますが,指で親知らずをさわると相変わらず少し
響く感じです。先生は「噛合せはほぼ直ったから,多分寝ている時の歯軋りによって負担
がかかっているのだろう,寝る時につけるマウスピースをつけるという方法もあるので作
りますか?親知らずを抜くのはいつでもできるし,これも8番目の歯ですから」とのこと。
当日は,なんだかよくわからないと思ったので,マウスピースは作りませんでした。私
の右下親知らずは,4年前に虫歯で治療し,当時の歯科医は,抜いてもいいし,根がしっ
かりしているから残してもいいのでどうするか,と聞かれ,たまたま歯の移植をした話を
知人から聞いていたのでそういう使い方があるのなら,と思い,わざわざ金のクラウンで
保存したものです(このHPを見て勉強していればとそんなことしなかったのに思います
・・・)。
また,ついでだからと,スケーリングをお願いすると,衛生士の方がざっと見て「歯石,
ありませんねー」といって,表面のクリーニングのみでした。私は2年前にスケーリング
して以来していないのに・・・。
長くなりましたが,この親知らずはどうしたらいいでしょうか?(実際に診ていただいて
いるわけではないのでなんとも言いようがないと思いますが)
かみ合わせの関係で親知らずを残したほうがいいということもあるのでしょうか?
私の親知らずの生え方は真直ぐですが,触ると,上表面が奥に対して斜めに盛り上がって
いるようです(以前からこうだったかどうかはわかりませんが)神経はあります。親知ら
ずは右下のみで他はもうありません。
この治療医さんは,かみ合わせを行く度に言われ,私はその度にあちこち削られ,説明に
ついても,なんだか不安な気持ちです。先生,よろしくお願いします。
感想:
ほんとに良いHPを見つけたと思ってます。歯の知識が増え,歯科医さんとのお付き合いの
仕方がわかりました。目から鱗!!です。
抜髄寸前で痛みを伴う親知らず(原因はおそらく歯石と歯髄炎)は、考える余地なく抜く
べきでしょう。“抜けば第2大臼歯が,今の親知らずと同じ状態になる”というのが一番の
懸念材料のように聞こえますが、その心配は全く無用です。
咬合の勉強を始めると、何でもかんでも咬合が原因のように思えてくるものです。お伺い
した限り可能性としてむし歯進行に伴う親知らずの歯髄炎が最も高いと思います。例えそう
でないにしても、4年前の治療から計算して今後必ず起こり得る疾患です。確かに何時でも
抜けるけれども、何れ必ず抜歯しなくてはならない運命の歯に無用に関わるよりは、今後
必ず訪れる歯槽膿漏やむし歯に備えてケアに力を入れた方が良いと確信しております。
回答:
親知らずの抜歯は,口腔外科の先生だったら大丈夫だとは思いますが念を押されても困り
ます。スケーリングに関しては、一般的な認識が説明された通りでしょう。つまり歯の平均
的な寿命が50〜60年ですので「何も毎月取らなくっても50〜60歳まで保つよ」という意味で
す。また、差し歯がはずれるとかという問題は現実に存在するでしょう。はずれるようなも
のははずれても仕方がない。もう一度着け直すか作り変えればまだまだ使えるはずです。
それよりもスケーリングを続けていないとその歯に限らず全ての歯が早期にダメになります
ので脱離・その他の細かい弊害?よりもより重大な損失を招いてしまいます。
裏側の歯石沈着が著しいので裏側だけにしたようですが、これは手抜きであると同時に
両面をすれば患者さんの苦痛が増すという配慮があったのかもしれません。いずれにしても、
毎月歯石除去を継続すれば生涯歯を保つことができるという信念があるのと、何をしても結局
歯の寿命は50〜60年と信じているのとの違いです。
顔のゆがみはマウスピース如きで修正されるものだとは思いません。それよりも歯のケア
を行なわないで、このまま歯を失っていく道を選択した場合、よりゆがんでくることは間違い
ないでしょう。