医療は全て比較論です。
不妊治療をしています

日付、時間:2003年10月15日 16:59   氏名:  N・T   
所在都道府県: 東京    職 業:  主婦  年 齢: 29歳      性別: female 

不妊治療をしています 質問:
 お忙しいところ申し訳ありません。
5年前に虫歯の治療をし被せたところがまた虫歯になりました(詰めたものが取れたので 歯医者に行ったところ奥で虫歯が進行している、神経まで行っている可能性があると言わ れました。上第3大臼歯)。ひとつ(上第3大臼歯)は痛みは全く無いのですが、最近ま た取れた歯(下第1小臼歯)はキズキ痛みます。そこで治療を始めたいと思うのですが・ ・・

 今私は不妊治療をしています。毎月子供を作ろうとしている状態なので、歯医者に行っ てレントゲンを取ることに躊躇してしまいます(もし出来ていたら・・・と思うと)でも、 こんなことでは虫歯はもっとひどくなるので今度の生理がきたら思いきって治療しようと 思います。
でも、歯医者ではいろいろな薬品を使いますね。この薬はこれから妊娠しようとしている 体にとって大丈夫なのでしょうか?
歯の治療の開始には必ずレントゲンはとらねばならないのですか?
それから見えないのですが、歯と歯の間が痛みます。虫歯だと思うのですが、こういう見 えない場合に虫歯の場合どうやって治療(削ったり)するのでしょうか?
実は私は5年前まで一度も歯医者に行ったことがなく5年前一気に虫歯を治したため、歯 医者さんは1箇所しか行ったことがありませんな。その時、削ったとき居たかったかなど 全く忘れてしまったのですが、削るときは必ず痛いのでしょうか?

回答  医療は全て比較論です。
何もしないで生涯を過ごすことが最も理想的です。レントゲン・薬剤全て然りです。しかし、 今置かれた現状を考えた場合、それらを使うリスクよりも放置しておいた場合のリスクがは るかに上回ることが明らかですので、多少のリスクを容認するのが医療です。

 レントゲンも撮らないでいい加減な治療をした時のリスクを考えれば、初診時のレントゲ ンは当然撮るべきです。不妊治療を一時中断してでも、またその休止期間を多少延長してで も数多く存在するむし歯を治療すべきでしょう。目に見えない小さなリスクと、放置してお いたら必ず訪れる明らかな損失とでは比較の対象にもならないと思いますよ。
 それと“5年前まで一度も歯医者に行ったことがなく”は私の価値観からすれば、このよ うな事態を自ら招きいれたようなものと思われます。歯科事情の現実をご存知ないあなたに は少々キツイ発言ですが、5年歯医者の手を離れると手遅れ状態の歯が2〜3本出現するの は歴然なのです。そして50歳を迎えるころには取り返しのつかない崖っぷちに追い込まれて しまいます。今後はそうならないために普段からの検診・ケアに努めるべきですが、当面 の問題としてまず今の疾患を全て清算しておく必要があります。

 痛みについては、今すでに痛みを感じている部分の治療については或る程度の覚悟が必要 です。腫れ物に触るようなものですから。それ以外に痛みを感じていない部分の治療につい ては今の内に治しておけば同じ削ったにしてもそれ程痛みを感じるものではありません。  患者さんにとって見えない部分の治療もプロですので、実際の目やレントゲンなどを駆使 して立派に治療してくれるはずですのでご心配なく。