日付、時間:2003年11月5日 10:04
氏名: 小波
所在都道府県: 大阪
職 業: その他
年 齢: 27歳
性別: female
質問:
はじめまして。2ヶ月ほど前から右顎の下のリンパ節のあたりが痛ます。痛む直前に奥歯
の治療をしていたので(神経ギリギリまで削りました)、それが原因と思ったのと、治療を
して頂いていたのがちょうど大学病院の口腔外科だったので、そちらで顎の痛みを相談しま
した。
先生は「歯は関係ないと思う。唾液腺が炎症を起こしているのかもしれないですね」とのこ
とで、触診をした後、念のため唾石がないかどうかの顎のX線写真も撮影しました(結果唾
石はなかったです)。又、抗生物質を処方して頂いたものの、飲んでいる間は少しマシにな
るのですが、薬がなくなるとすぐ痛くなるという繰り返しでした。病院では唾液腺(導管?)
の洗浄なども何度かして頂いたのですが、依然痛みは消えず、結局顎下線の唾液腺造影検査
とMRIをすることになりました。しかし、そちらの結果も異常なしということでした。
先生は「顎下腺にほんの少しだけ炎症がある以外は何もないですよ。おかしいですね、何も
ないんですが・・どうしたんでしょうね。気にしすぎかもしれないですね。」と仰っていま
した。私も痛いのは嫌なので気にしないようにはしているのですが痛いものは痛いんです。
そこで質問なのですが、こういった痛みはストレスなどからくるものなんでしょうか。
私自身ストレスはないと思っていますし、悩みなども思いあたりませんが・・・。
あと、唾液腺造影検査や唾液腺を撮るMRIでリンパ腺の状態はわかるものですか?
先生は顎下腺の痛みだとおっしゃっていますが、私はリンパ腺が痛い気がします。とりあ
えず現時点では経過観察ということになっていて、また病院には行く予定なのですが、も
う痛いと言ってもわかってもらえない気がして疲れてきました。耳鼻科や内科を受診して
みたほうがいいのでしょうか?
アドバイスよろしくお願いします。
感想:
このHPは歯や口腔のことで悩んでいる人にはとても役立つHPだと思います。これからも色々
な情報を教えていただければと思います。管理は大変だと思いますが頑張ってくださいHPを続
けて下さい。
“神経ギリギリまで削りました”という状況で、その歯に問題なしと診断できる根拠は
何なんだろうと大きな疑問をもってしまいます。状況から判断して最も疑わしいのは治療
した歯の歯髄炎→更に進行して歯髄壊死→根尖病巣。無論レントゲンで確認できるような
典型的な根尖病巣に発展する時期ではないと思います。ギリギリだったことを考慮して、
例え歯髄に問題がないという可能性を踏まえたとしても、処置すべきはその歯の歯髄処置
だと思います。その上で問題解決が見られない場合に唾石症やその他の可能性を疑うのが
手順ではないでしょうか。
ストレスの蓄積は抵抗力の低下ですので、炎症を抑える力が弱まって炎症が起き易く
なります。しかし、忘れてならないことは、炎症を起こすべき原因の存在しないところ
では絶対に炎症が起こらないということです。
リンパ腺が腫れるということは、そのリンパ腺の支配領域に炎症が存在することを意味
します。リンパ腺の異常はMRI以前に分かっていることですので何の参考にもならない
でしょう。唾液腺に異常があれば、アナログ的なレントゲン以上に精密な診断ができるは
ずですが「顎下腺にほんの少しだけ炎症がある」という程度ではあてにならないように思
います。最も疑われる部分に白黒つけないで、元々歯科領域の疾患?を内科や耳鼻科にも
って来られても困られるでしょうね。
回答:
“まだ歯の感覚はあるので神経は死んでいないと思うのですが”という素人的考えが
誤診最大の要因です。歯科医ですら同じような認識をしている人もいるので要注意。
“熱い物がしみていた→しみは治まった→顎の痛みが出た”は歯髄壊死を疑うのに十分な
条件です。文明の利器:MRIも歯髄壊死は診断できないでしょう。アナログ診断の最右翼
ともいえる問診の大切さも捨てがたいものがありますよ。このホームページの質問なんか
アナログ診断の典型です。