一旦治療した歯は、使い物にならなくなるまで使い切る傾向があるようですが…
補綴物の賞味期限 U

日付、時間:Mon Aug 16 22:56:18 Japan 1999    氏名:m.n   
所在都道府県:神奈川県   職 業:会社員   年 齢:29歳      性別: female  

質問:
私の前歯は2本とも神経が死んでいて、裏から削って詰め物をし、白い樹脂のよ うなもので蓋をしてあります。 右の前歯は、10年くらい前に処置してもらいましたが、3年前に折れてしまいました。左の前歯は、 この折れた状態を確認するためにとったレントゲンで、神経が死んでいることが分かりました。
丁度その時、母(58歳)は1年前に入れた前の差し歯が下がってきて外れそうなので治療しており、 4本連結の差し歯になりました。 (何と言うのか分かりませんが、裏では4本繋がっていて、表から 見ると別々の歯に見えます。歯茎を切開したりしたそうです。  母も私もずっと同じ先生にかかって います。)
なので、先生は右前歯1本の差し歯を薦めて下さったのですが、左の前歯と繋げた差し歯の方が よくないかと聞き返してしまったのです。  (先生は、「任せてくれればいい」という感じの方で、あまり説明はしてくれない方です。 私は当時 事情があり、薬や治療の前には納得できる説明を聞かないと安心できない状態だったのです。  おかげで少し押し問答になってしまいました。) 結局、先生はうんざりされたようで、左前歯は10年前の右前歯と同じ治療、右前 歯は樹脂で継ぎ足しただけ、になってしまいました。

そして今、継ぎ足した所から亀裂が入ってきました。どうすればよいか悩んでいます。先生は瀬戸物 の高価な差し歯を薦めるので、母のようになってしまっては、泣くに泣けません。 問答のとき、「母の差し歯が下がったのは年で歯茎が弱ったせいで私はまだ早い」のようなことも 少し出ました。それなら納得できるのですが、一つ年上の人で差し歯がよく外れる人にも出会い、 疑問が深まってしまいました。
>>年齢と治療方法は関係あるのでしょうか。高価な差し歯ほど外れにくいのでしょうか。

また、3年前の件で同じ先生のところへ行くのも怖い気がします。しかし、私は生まれてからこの 先生以外の病院に行ったことがなく、どこの先生もこんな感じなのだろうか、それならばまだこれ までの治療記録がある所がいいのではと迷います。またそれ以上に先生の方が、もう治療は願い下 げなのではないかとも気になります。
>>ぜんぜん治療したことのない人の歯を、それも別の先生が治療した後の歯を、引き継いで治療 するのは難しいものなのでしょうか。

ご意見・ご感想:
差し歯にトラブルのある人は、あまりお金をかけなかったせいだと思っているようで、相談しても 口が重く、話になりません。 また、近隣の人から情報を得るにはある程度3年前の話をしなければならず、先生の悪いうわさが 立ちそうでこれもできません。 ホームページという形式だと、先生に迷惑もかからず、私もやっと相談できるので、とてもありがたく 思っています。どうぞよろしくお願いいたします。また今後も運営を続けて下さい。

回答  治療記録はあったには越したことはありませんが、現実にはさほど活用されていないように 見受けられます。治療は、記録よりも腕とか心に大きく左右されますので心の通うドクターを見つけ ることをお勧めいたします。

 若い時の治療と歳をとっての治療はおのずと異なります。治療する歯の状態もさることながら周囲 の歯の条件が全く違います。 「若い時に治療した時は30年もったのに、今度の先生は5年しかもたなかった。昔の先生の方が 腕がよかったのでは?」という話をよく伺います。極端な話、周囲が全てそろった状態で、しかも 軽いムシ歯の治療だといくら下手でも永く機能します。周囲の歯が全く無くなって、極端な負担が かかる上に長年使って今にも破折しそうな歯を治療して永く保つはずがありません。
 特に、さし歯は歯に楔を打ち込んだようなものですから、周囲がしっかりしている間は一本単独 でも問題は生じ難いと思いますが、周囲の支えを失った状態での単独治療は必ずといっても良い くらい歯根破折を起こします。それを最小限に食い止めるために連結は不可欠である場合が多い ですね。

 金額のことを全く無視すれば保険外の高い治療が良いことは間違いありません。破折し易いとか 変色しないといったメリットはあります。でも、取れ難いとか歯肉が下がらない、ムシ歯になり難い、 歯槽膿漏云々に関しては条件は同じです。歯はあくまでも消耗品ですから、少し悪い兆候がでたら 速やかに取り替える必要があります。その時に金額がネックになるようですと明らかにマイナスです。 耐用年数は約5年(勿論それ以上永く機能することが多いとは思います)、それでも大丈夫な負担を 一つの目安にしていただきたいと思います。

 さし歯がはずれるのは費用とは全く異なった次元です。与えられた条件(歯の状態と周囲の環境) と、歯科医の腕(センス)の違いです。最善を尽くせば、結果は同じようなものです。もし、差があると するならばあえて手抜きをしたとしか思えません。細かい部分では多少違いもありますが、文章では うまく表現ができません-t( ^o^)。o 0

 それと大切なことは、“被せる”とかの補綴処置では日本全国それほど大きな差はありません。 治療の良し悪しは、根の治療(抜髄などの根管治療)と歯周疾患の抑制、困った時の神頼みとなる 外科的処置が大きな要素だと思います。

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