1年以上経過
日付、時間:2004年1月14日 20:55
氏名: kk
所在都道府県: 大阪
職 業: 会社員
年 齢: 34歳
性別: male
質問:
忙しいところすいません。一昨年の12月22日に左下第1大臼歯(6)が痛くなり、
ほほがかなり大きくはれました。
- 最初町医者に診てもらい根管治療を3ヶ月してもらった。でも腫れがひいたりでたりを
繰り返したので途中で中止した。
- その後、大病院で診てもらっても同じことが3ヶ月続きました。
- 次に大学付属病院で診てもらうと、根っこを手術して病巣を取り除かなければなりませ
んと言われました。しかし、とりあえず、根管治療をしてもらいましたが以前と同様に、う
まいこといきませんでした。
- 大学病院で根管治療している途中、他の虫歯をかかりつけの歯医者(大学と同じ系列)
に見てもらっていたので、再度根管治療してもらった。その結果、歯ははれないが今回は、
膿(白くふくらむ)が歯茎から出てきた。そのため、そこの部分を切って、薬を入れた。
- しばらくは、何もなかったが、再度膿が出てきたので、歯医者でレントゲンを撮ると
、第1大臼歯の根っこの間に病巣が見えるので、根管手術は必要であると言われた。
- このようにして、1年以上経過したが、歯を残すためにはやはり根管手術は必要なので
すか教えてください。それとも何かいい方法はありますか?
どうかお願いします
根管手術って歯根端切除術のことでしょうね。もしそうだったら
絶対に止めるべきですね。あくまでも正規の根管治療で治すべきです。
“根っこの間に病巣が見える”というのが気になります。根分岐部周辺に穿孔とか亀裂が存在
する可能性があります。最近似たような例が立て続けにありました。
穿孔や亀裂でしたら、その部分の閉鎖やセパレーションや
ヘミセクションが適切な対応です。
初診時パノラマ |
|
|6Dental写真 |
|
診断:
34歳で神経をとった歯が5本ということですので、歯槽膿漏の進行状況共々平均よりやや
良好です。今後のケア次第では十分生涯ほとんどの歯を機能させることも可能です。問題の
左下6番の近心根には根尖病巣があって、根管充填後も腫れたということから何らかの原因
が潜んでいるものと思われます。クラウンを撤去して根管治療を行なった結果、遠心根およ
び近心舌側根の根管治療および根管充填はやや不十分ながら問題ありませんでした。
不可解だったのが近心頬側根です。近心頬側根に突き刺さった金属ポストを完全に除去す
る以前にリーマがスムーズに挿入できる空洞がありました。挿入方向は根管方向でしたが、
当初穿孔かと思い拡大してみましたが出血も止り無用な疼痛もなかったことから正規の近心
頬側根管のように思われます。多数の先生が治療されたために、正規の根管を封鎖されるの
を忘れたのかも知れません。そうだったとすれば、その根管より更に頬側方向に挿入されて
いる金属ポストがどのようになっているのかという疑問が残ります。
とにかく、近心頬側根管と思われる空洞は閉鎖しましたのでしばらくの間経過をみたいと
思います。1か月くらいして経過が思わしくないようだと、他に原因が残っているものとし
て次の手立てを考えなくてはなりません。