日付、時間:2004年1月20日 8:51
氏名:
所在都道府県: 福岡
職 業: 会社員
年 齢: 歳
性別: male
質問:
左奥から2番目の歯が噛み合わせた時に痛みがあったので歯医者で見た頂いたら歯周病
と診断されました。歯磨き等を丁寧に行なうよう言われ実行していたのですが、先般急に
痛みが激しくなり、痛み止めを服用せずにはいられない状態になりました。また、その時
から、顔の左半分、特に唇、鼻、左目の下等痺れというか、麻痺をおこしています。
歯の関係でこのような状況が現れるれるのでしょうか?
また、歯茎も少し麻痺しているようにおもいます。歯茎以外の関係もあれば他院で見ても
らわないといけないと考えております。薬(頓服)が無いといられません。また、先日、
1日1回2錠飲む抗生物質を3日間飲んだら1週間継続するという少し強い薬をのみまし
た。早くこの麻痺を取りたいのですが、抜歯した方が良いでしょうか?
数少ない情報でお答えする際、年齢は貴重な情報です。年齢の記載をお願いします。
歯槽膿漏の処置としてブラッシングは一般的ですが、徹底した歯石除去はされてますか?
もしされてなければ早急に行なって下さい。
通常歯槽膿漏で麻痺まで起こすことはありませんが、歯槽膿漏進行に伴って歯髄壊死が
ある場合には可能性があります。その時の対処としては、まず該当歯の根管治療です。痛
みの状況から推測して可能性は十分あります。また、歯周病とは全く無関係に左奥から2
番目の歯の歯髄壊死・根尖病巣の可能性も考えられます。抜歯は最終的な手段ですので、
まずはその辺の診断を徹底する必要がありそうです。
回答:
頓服は長期間服用すると種類によっては肝臓を傷めたりしますが、現実的にはその前に胃
を荒らすことの方が問題になるでしょう。歯髄壊死や根尖病巣があるにしても、初期の診断
で見落とすくらいですのでレントゲン的に明瞭な兆候が認められないものと思われます。
その際の診断は担当医の経験と能力の差によります。健在の症状、症状の経過や過去の治療
歴などから推測し、確定するのが一般的です。治療としては感染根管治療です。
回答:
治療の手順およびその実態については
ホームページ内の各項目を参考にして下さい。
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【天蓋除去】 麻酔をして歯髄部分を露出させます。 根管の位置を明示・確認。 歯根の長さを計測します。 (レントゲン撮影) |
根管位置の明示には超音波スケーラーが便利です。 |
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【機械的清掃】 リーマやファイルで機械的に腐敗した歯髄腔を拡大・清掃します。 ![]() |
拡大の目安は、周囲の健全牙質が削りとれるまで。 この操作が治療の決め手! 以後の根管充填・コア形成を楽にします。 |
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【化学的清掃】 薬品を使って清掃・消毒します。 |
消毒はともかく、清掃効果は“?”。 洗浄に使用する次亜塩素酸ソーダは考え物。 |
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【根管貼薬】 根管内の殺菌と、根尖病巣治療のため薬剤を詰めて仮封します。 症状によって数回薬剤を詰め替えます。 |
機械的清掃が完璧であれば 排膿や出血が著しい場合を除いて、貼薬は不要の行為と思います。 また汎用されるホルマリン製剤(FC)は考え物。 |
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【根管充填】 清掃された根管腔に再び汚物が貯留しないように(レントゲンで確認の上)綿密に封鎖します。 |
親和性の良いとされるガッタパーチャー(ゴム様)とシーラー(セメント様)を用いて、いかに根尖部分を綿密に封鎖するかがポイント。 上層部の封鎖は問題にならない。 |
回答:
私の医院では、出血・排膿が著しい場合を除いて、根管治療は原則1日です。朝から来て
いただいたとして、午前中は全体の状況把握と治療方針の決定・治療説明で、根管治療は
昼から行います。それ以降の処置は地元でおこなってもらうケースがほとんどです。
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回答:
副鼻腔炎または、三又神経痛と言われるものの大半が歯(歯髄炎や根尖病巣)によるもの
だと思います。
回答:
予約は絶対入れて置いてください。遠方からの初診が二人になると対処できなくなります。
2週間前くらいだと予約は入ると思います。副鼻腔炎の原因が、問題の歯であれば軽減するで
しょう。当然のことながら、他に原因があれば全く軽減しないでしょう。
術後の見通しとしては、炎症の基となった病巣部位の治療は納得できる治療ができましたの
で95%の確率で治癒が見込めると思います。治療できなかった近心頬側根については、体力が
勝ればそのまま治癒もあり得ますが、新たな根尖病巣を作る可能性が高いものと思われます。
その成長速度と程度によって、多少の違和感程度であれば経過観察しながら使える所まで使う
という選択です。症状が著しい場合には、治療不可能だった部分の歯根端切除もしくは近心頬
側根のヘミセクションを考えております。
この歯の将来も気になるところですが、もっと大切なことは、このまま順調に歯槽膿漏が進
行した場合、同じような運命をたどる歯が続出するということです。同じ過ちを繰り返さない
ためには、今存在する小さな虫歯を徹底的に治すと同時に、より徹底した歯石除去を行なった
上で、毎月の歯石除去を習慣化して歯槽膿漏と虫歯の進行を効率良く抑制することです。