日付、時間:2004年1月20日 17:44
氏名: のり
所在都道府県: 長野
職 業: その他
年 齢: 30歳
性別: female
質問:
はじめまして。
右下7番の歯についてです(親知らずは在りません)。最近熱いものを食べるとジワーっと
しみます。昔に抜髄してありクラウンです。ジワジワとしみた感じ(歯茎が痛い)が続きます。
現在左下の親知らずを抜いて右側だけで噛んでいるので、しみるのは一時的なもので、両側で
噛めるようになるまで様子を見ましょうと言ってます。先生は神経の無い歯がしみること
は無いし、レントゲンに病巣も写ってなく異常は無いと言ってます。
その歯は高さが無く奥側の歯茎と同じ位の高さになってます。その歯の奥側を囲むように歯茎
がやや膨張してる感じがします。歯自体は噛んでも叩いてもおしても痛みは在りません。
先生の言われたように様子を見るしかないのでしょうか?
感想:
治療済みの歯や気になる歯が出てきた時、皆さんの症例を参考にさせてもらってます。大変
勉強になります。
神経の無い歯がしみることは無い(知覚過敏編
後段参照)というのは認識の誤りです。“レントゲンに病巣も写ってなく”というのが気になり
ますが、根管治療の不備から来る根尖病巣の可能性は十分あります。また、“歯の奥側を囲む
ように歯茎がやや膨張してる感じがします”ということですので、歯石沈着も疑われます。
更に歯肉縁下にむし歯や補綴物による段差があって、そこに貯留した汚れによって引き起こさ
れた歯肉炎などが原因として考えられます。
対処としては、まず歯石除去、次いでむし歯や補綴物の研磨や再製。そして根管治療などで
す。特に歯石除去と段差があれば研磨だけは行なって経過をみるようにして下さい。
回答:
確証が得られないので経過観察ということのようですね。確かに大臼歯の根管治療は厄介で
すので、レントゲンや臨床症状で確証が得られない段階での治療は極力回避したいものです。
その程度の違和感で治療を開始して泥沼にはまることもありますので、ちょっと待った方が
得策かも知れません。所詮完璧な根管治療など存在しない現状で、抜髄後何年も経っての違和
感です。根管治療としては成功の部類に入るかも知れません。それをむやみにいじって状況を
悪化させてしまうリスクを考えるとちょっとためらいますね。
根管治療の成否は、根管清掃と根管充填の完成度に比例します。病巣の大きさや症状の程度
とは無関係ですので、先送りしても結果にはさほど影響しないでしょう。それよりも根管治療
の腕に定評があるかどうかの方が問題です。今の状態でも勝算があると思う先生なら治療する
かもしれませんので、他の歯医者に相談してみるのも一つの方法でしょうね。