日付、時間:2004年1月27日 23:46
氏名: ねこ
所在都道府県: 福島
職 業: 会社員
年 齢: 31歳
性別: male
質問:
助けてください。中2の頃、歯科検診でむし歯が見つかり、訳あって、いつもの歯科
じゃなく、”中央通りK歯科”というところで左上5.6番を治療した所、ズンズンとし
た痛みが出るようになり、そこの医者は、根を取りました。しかし、痛みはとれず、何
回のいきましたが、気の病と言われ見てくれなく、元々かかりつけの歯科へ行った所、
鼻からきてると地元の総合病院耳鼻科を紹介されそこで、上顎胴炎と言われ薬で治療し
たり、鼻じゅうかくのオペ、などしましたがあまり変わらず、特に鼻がつまると症状が
ひどくなります。
歯科の先生も、根の詰め物を詰め替えるからなどしましたが、良くならず、そこの紹
介で、おう・大にも行きましたが、わからないと言われ、31歳になりもう何とかしてと
!総合病院の耳鼻科の先生に相談した所、そこの歯科の診察を受けてと言われ、そこで、
とても難しい根の生え方している。そこの治療しないと駄目。歯性上顎胴炎だ。出来る
先生探すからと言われ、歯科大学の保存科。難治性歯根外来の専門医の診断を受けた所、
根の治療がひどすぎる。そこに菌が繁殖し、上顎胴に章例物ののう胞がある。と
診断を受けました。
口腔外科では、のう胞をとる前に、根の治療をして、綺麗にして、様子を見て、それ
からオペしましょうという事に・・・しかし、根をいじるとほっぺが腫れ、大変でした。
保存科の先生に治療を受け、日に日に楽になる。その先生いわく、大学ではちゃんと教
えてるのに、お金にならないからと手を抜く。手抜きの作り出した病気だ!そんな歯科
医を育ててる僕たち教授職がしっかりと教育していくから、ごめんなさい。治してあげ
るよ!と、言われたときうれしかった。
根の方も終わりやはりのう胞とりましょうと言う事になり、7月1日に、左上6番上
顎のう胞摘出術、同歯根端切除術を受けました。保存科の先生とは違い術後説明も
なく、頭にきて言っても、最後まできませんでした。そのあと唇のまひ、ほっぺの奥の
重い痛み、左上23456番がういたような感じになり、術後半年。細かい所は、仕方ないと
して、左上5.6番は、前よりましてズンズンとねんがら痛み、4.3.2は浮いた感じが強く
物のかめません。特に3はひどい。左上7番は、上こう性歯髄炎で、根の治療をし根充し
たら、腫れ、また詰め物をとりました。根の周りの膜が炎症おこしている。ヒビがはい
っているが、先までいってないと思うから、様子みてる段階です。
質問ですが、こんなに治らないものなのでしょうか?
7番は、あたるだけで痛いが、それより、5.6のズンズンを治しにいったのに、ひどくな
り、周りの歯までおかしくなるのは何故ですか?
ちなみに、歯の根の先が上顎胴に抜けていて、歯は抜けないと言われました。何かとい
うと三叉神経痛といいます。一時は、治りつつあったのに!今もほっぺがポコっと腫れ
て気分が悪い。どうか、どうなってるか教えてください。いつまで様子見れば治るんで
すか?
結論から申し上げます。
保存科の先生に左上6番をもう一度根管治療をしていただくこと。それでもダメなら抜歯。
原因は不適切な根管治療で、根本的な解決は適切な根管治療以外の何物でもありません。
事実を整理して論理的に考えてみて下さい。
“根の治療がひどすぎる”まま鼻じゅうかくのオペ(基本的に上顎のう胞摘出術と同じ)を
行なっても治るはずがありません。そのひどい根の治療をそのままに根をいじるとほっぺが
腫れ大変なのも当然の成り行きでしょう。
それを根本的に解決してくれたのが、保存科の先生です。“日に日に楽になる”は治療が
完璧であったかどうかはともかく的確な治療であったことは間違いありません。保存科の治
療が終わった段階で、そのまま経過をみておくのが最も正しい選択だったはずです。経過に
よっては、上顎のう胞摘出術をオプションとして追加した方が良いこともあったかも知れま
せん。そして最悪なのが、歯根端切除術だったと思います。折角、
保存科の先生が行なってくれた根尖部の綿密な閉鎖を破壊されたものですから、根管内に
再び血液などが入り込んで腐ってしまい炎症を起こすような“根の治療がひどすぎる”状態
になってしまったと考えられます。
“大学ではちゃんと教えてるのに、お金にならないからと手を抜く”というのも大きな問題
ですが、それ以上に何故炎症がおこるのか、そしてどうすれば炎症をなくすことができるの
かを正しく教えない…というか正しく把握していない世界中の歯科界の大問題なのです。
一度破壊された根尖部では、満足な根管充填ができないかも知れません。それでも可能な
限り綿密な根尖閉鎖を行なえば回復する可能性はあります。信頼できそうな保存科の先生が、
気を取り直してやってくれるか、また技術的にどの程度までできるかもありますので結果を
保証するものではありませんが、生き残る道は唯一の方法です。そして、それがダメなら抜歯
ということになりますが、問題の根管を歯ごと除去してしまうわけですから確実に?回復する
でしょう。“歯の根の先が上顎胴に抜けていて歯は抜けない”というのはとんでもない認識の
誤りか、成り行き上のいい訳です。通常の抜歯と違い、抜歯しても多少治癒経過が悪かったり
遅かったりはあると思いますが最終的には治癒します。また、抜歯後の経過として、完全に
閉鎖しないで上顎洞との交通が生じた場合には、上顎洞閉鎖術を行なえば回復します。
5番の歯髄状態を疑いの目をもって診査し、状況次第で抜髄。6番についても、できれば
再度の根管治療。それ以外の歯については、5・6からの炎症波及と考えて経過観察という
方針が良いのではないでしょうか。
そして、保存科の先生には見せられなかったメールのお返事を読んでいただき、感想をき
きました。そしたら、この先生は、レントゲンも何も見てないからわかるはずがないけど、
私も、根の治療をもう一度しなさいという意見は同感です。と、お返事いただきました。レ
ントゲンは一方向でしか写らないから細かい根を見逃してる可能性はあると・・・。ただ、
痛いから抜けばいいと感情的になり抜いた結果、治らなかったという最悪のシナリオになら
ないようにしたい。ただ、その辺は、保存科の・・先生にお任せしてるし、家の助教授。数
多く難事性歯根の治療している腕も確かな専門医。私も教えてもらったし、なかなかこちら
からは言えない。でも、最悪、・・先生が見てくれないなら他の方法も考えますから、取り
えず7番治しましょう”となりました。なんとなく、方向性がついた?感じになりました。
こんな事でも、かなりの進歩!先生のおかげです。ありがとうございます。
おくれましたが、オペは、全身麻酔で、歯茎を左上おくから、左上2番当たり切開し、上
顎洞の骨を開け、左上6番のう胞摘出、歯根端切除し、上顎洞の汚染した粘膜と骨を機械で
けずりとり、消毒したのち、摘出した上顎胴の骨を戻して蓋をし、縫合しました。術後3日
間抗生剤の点滴、その後も口腔内の消毒をしました。1週間で退院の訳でしたが、問題(熱、
唇のまひ、歯茎がつる、むくんだ感じがする、歯がズンズンする)があり3週間も入院しま
した。そして、1月にCT撮りましたが、特に問題なさそうとの事でした。
のう胞は大きくこのくらい広げないと取れなかったそうで、病院の医師みんなオペを見に
来ていてすごかったとの事。みせのもになったんだ!ちゃんと治してください。です。今日
も、左上6.5の上あたりが腫れてる(腫れてないと言われるが、脱脂綿はさまった感じ。が
する)5.6番のズンズン。7番の刺激的な痛みがたまにある。特に3番の浮いた感じ。左上3.4
番あたりの追加切開の所が口を動かすと痛む。です。テグレトールでは、一時しのぎです。
質問ですが、もう半年、様子みるにはながすぎませんか?これが、普通なのですか?よろ
しくお願いします。今度、保存科の先生にも読んでもらいます。
回答:
何か処置をするには、それなりの根拠が必要です。例え思い込みでも「これが原因だ」
と分かればそれに向かって治療する意欲が湧いて実行することができます。その診断が
着かない場合に「しばらく様子をみましょう」ということになります。“半年”というの
は原因を見つけるのに必要な期間ということで、難易度を示す指標と考えて下さい。
1か月やそこらでヤイノヤイノ言われてもおそらく結論がでないだろうから、半年の猶予
を下さいということで医学的な根拠はないと思われます。
2004.2.4ねこです。抗生剤は、クラリスを1日2回今も飲んでます。前ほどほっぺ全体の痛み
はなくなりましたが、左上5.6番。特に5番がズンズン痛みます。左上7番も仮根充して様子み
るとの事でしたが、痛みは変わりません。左上3番(何もしてない歯)までも。。。左と右と
で人相が全然違います。(口腔外科では、左のほっぺは腫れているのではなく、きった所が
再生してるからだ!といいますが?)どこまでホントなのでしょうか?アドバイスお願いし
ます。
回答:
口腔外科の先生も「ひょっとして手術のせい」と思っているかもしれないけれど、“認め
なくない”という気持ち以上に、“自分たちの医学常識では考えられない”という確固たる
信念があるのではないでしょうか。大学の講義で正しい術式として講義されていますからね。
私の医学常識だと腫れて当然なんですけど、担当している歯科医だけでなく、全国の歯科
医がその口腔外科の先生と同じように思っているようですので、いくらここで騒いでも勝負
にならないでしょう。