日付、時間:2004年2月10日 11:42
氏名: もも太郎131
所在都道府県: 愛知
職 業: その他
年 齢: 54歳
性別: male
質問:
今歯周病になっています、上の第2大白歯が歯石が在り黒くなっており、第1もそう
です、去年の5月迄3ヶ月現在の歯医者さんに通っていました右の7が抜けた為です、
その時神経を抜いてもらったんですが、今回は歯が沁みるので又神経を抜くようなこと
を言われたので歯周病菌をなくする薬をくださいと河北正先生の資料を渡しアスホテシ
リンBを手配してもらっています。
それで質問なんですが、沁みるようになった歯はアスホテシリンBで治るのでしょうか。
今日も奥の歯を見てみたのですが、あの歯石はとってもらった方が良いのではと思います
が、いつも前歯の下のとりやすい歯石を取るだけの感じがしています。アスホテリンBが
来たら認定の歯医者さんに代わった方が良いのではと思っていますではよろしくお願いい
たします
アスホテリンBが歯槽膿漏の救世主みたいな報道のありましたが、
私はそのように思っていません。歯肉の炎症のうち歯石を除去しても
治らないような(場合によっては除去時の刺激で増悪)、赤くジクジクした歯肉にはカンジダ
菌の関与が疑われます。そのようなケースではアスホテリンBをはじめとした抗真菌薬が
劇的に効くときがあります。ただこれは歯肉の表面的な効果で、歯槽膿漏本体である歯槽骨
の破壊や炎症が治るわけではありません。
また一旦破壊された歯槽骨破、現在のところ如何なる処置を行なっても劇的な再生は見込め
ません。しかし、歯肉縁下に沈着した歯石を完璧に除去すれば歯肉の炎症およびそれに伴う
不快症状は治まります。またそれ以降も定期的に歯石を取りつづけることにより新たな炎症
発生を抑制して、更なる歯槽骨の破壊をくいとめますので、理論的には永遠に現状を保つこ
とは可能です。
歯槽膿漏進行に伴う知覚過敏の主たる原因は歯周組織の炎症ですので、カンジダの関与が
ある場合にはアスホテシリンBにより改善する可能性もあります。しかし、歯肉縁下歯石が
存在する以上通常の炎症もあるはずですので、多くは望めないものと思われます。
歯石除去や知覚過敏処置を行っても治まらない知覚過敏や、著しい歯槽骨破壊を伴う場合
には積極的に抜髄を考えなくてはならない場合が往々にしてあります。いずれにしても、1年
間通って、満足な歯石除去が行なわれていない現状を考えると転院を考えた方が良いでしょう。