日付、時間:2004年2月17日 11:11
氏名: M
所在都道府県: 東京
職 業: 会社員
年 齢: 29歳
性別: female
口腔内写真 正面 |
歯周疾患術後 メインテナンス中 69歳 男性 |
口腔内写真 右頬部 |
左右頬部を中心に白板出現 |
今はどうにか大学病院に落ち着いていますが、ここでも先生たちの間で意見が分かれて
いて、白板症と言う先生と白板症ではなく粘膜の生まれ変わりで剥がれ落ちているだけだと
言う先生もいます。確かに私の場合、普通の白板症患者と違うと言われていますし、白いも
のがなくなったり出たりするんです。でも最初の口腔外科で受けた組織検査でこの様な症状
があるにもかかわらず白板症と診断されているだけに、こんな出たりなくなったりする症状
が白板症にはないのにと先生たちの間でも疑問視する声もあり、本当に病院に行く事さえも
不安です。
両頬に出来た白い線も先生たちは噛んでいるから出来るといいますが、でも歯茎に白いも
のが出来始めてから出来たものであって、以前はこのような線が出来た事がないんです。舌
の裏の線みたいな所に出来る白いものも一時期はカビだと言われカビの検査を3回しましたが
陰性、カビの薬も飲みましたが、いまだに出たりなくなったりします。もしこれが白板症だ
ったら本当に珍しいケースだと若い先生たちは興味しんしんに私の舌を診ていましたが、ま
た組織検査をするのも怖いし、正直これから先どのようにしたらいいか悩んでします。
確かにこのメールだけでお返事いただくのは難しいと存じておりますが、白板症と言う病
気についての説明、これから先どのような治療方法が望ましいかなどもし何かアドバイスが
ありましたら、ぜひお願い致します。
感想:
とてもわかりやすいホームページで口の中の事や歯の勉強にもなります。ホームページに
記載されています、Topic No.76 98年8月30日
のカンジダ症の患者さんの写真とまったく同じものが私の頬にもあり、この方はカンジダ症
でしたが、私は検査の結果違っていた為、どうしても先生のアドバイスが欲しかったのが投
稿のきっかけです。このように言葉だではなく写真などもあるととてもわかりやすいし、こ
のホームページに出会えて本当に良かったです。また先生もお忙しいのにこの様に多くの患
者さんのアドバイスをなさっていて先生のような方が増えて頂けたらと願っております。
これからもがんばってください。
口腔内の粘膜疾患のうち、おそらく99%が歯槽膿漏です。
それ以外の上位に口内炎、カンジダがあって、扁平苔癬・白板症あたりになると開業医
では一生見る機会すらないのかもしれません。私の場合、開業前に口腔外科在局だった
ために或る程度の症例を知っていますが、実際の対応はほとんどできないと思います。
専門である大学病院ですら、数ある粘膜疾患の全てを見ることはないでしょう。
その中で最近クローズアップされているのがカンジダ症です。かつての既成概念からは
想像できないくらい病態が様々で、ちょっとわけの分からない粘膜疾患のかなりの部分
を占めている可能性を感じます。それと、治療方法が確立されていないほかの疾患に
比べて、カンジダ菌に感受性のある薬剤(ファンキゾンなど)を塗布したりうがいする
だけで比較的簡単に軽快しますので、一度試してみることをお勧めいたします。無論、
カンジダの検査もされていることとは思いますが、おそらく副作用の心配もほとんど
ないと思われますので、一度申し込まれたら良いのではないでしょうか。
ポイントは、定期的な歯石除去を併用するというところです。カンジダ菌は通常歯肉炎
を起こす一般細菌と拮抗しますので、歯石除去を行なって一般細菌が減少すれば勢力を増す
という困った性格の持ち主です。反面、感受性のある薬剤に簡単に撲滅されます。
常に一般細菌の量を減らし、その環境を保ったままうがい薬などで対処すれば効果が挙がる
と思います。
それ以外の粘膜疾患だと、私もお手上げです。
白板症
については、結局のところ原因が分かっていないので適切な対処方法がないといのが現状
です。原因が何であれ(ウィルス・真菌・アレルギーetc.)そこに疾患が存在する限り、
局所の抵抗力が低下したままになりますので、癌の発生を許してしまいます。凍結させて
除去する方法などもありますが、原因が特定されていない以上確実な解決策がありません。
となると、自己免疫抵抗力の増進を図って消滅させるのが一番。くよくよ悩まず、できる
だけ睡眠をとるのが最善の策かもしれません。寝ている間に、抵抗力が回復します。