歯を残そうという意欲のある歯科医が何処にどの程度いるか。

髄床底に穿孔

日付、時間:2004年2月18日 17:29  氏名:   近江   
所在都道府県:  神奈川  職 業:  学生  年 齢: 20歳      性別:  male 

髄床底に穿孔 質問:
 2週間ほど前になりますが、第1大臼歯の銀の詰め物を削り取る際、かなりの出血があ りました。どうやら根分岐部(髄床底)に穿孔を起こしたみたいなのです(虫歯の進行に よるものか、医師のミスによるものかはわかりませんでした)。とりあえず応急的に貼薬 処置(消毒薬?)を施され、仮の詰め物をして数週間の経過を見るということでその日は 診療を終えたのですが、後日別の歯科医院にて患部を診てもらったところ、状態を見る限 りもう治療法がないので抜歯は避けられないだろう、と言われてしまいました。非常にシ ョックです。
 まだ若いので抜歯だけはどうしても避けたいのですが、やはり私のようなケースではも う治療方法は全く残されていないのでしょうか?

感想:
 インプラント術について調べていて、このページに辿り着きました。情報量が豊富でた いへん参考になります。先生のお答えを仰いでから、抜歯するかどうかの判断をしたいと 思っています。よろしくおねがいします。

回答  穿孔の状況にもよりますが、セパレーションもしくは、 ヘミセクションが可能ではないでしょうか。上顎ですと3根 ありますので、どれか1根は抜かなくてはいけないと思います。
 問題は、そこまでして歯を残そうという意欲のある歯科医が何処にどの程度いるかです。 外科的な技術に加えて、適切な根管治療がなくては満足な予後が期待できません。何軒かの 歯科医を廻って、そのような処置方針を提示する歯科医がいれば救われるかもしれません。


返信:2004年3月3日 22:47
 (以前2004年2月18日 17:29に質問させていただいた者です)
ご回答どうもありがとうございます。先生のアドバイス通りその後いくつかの歯科医を回り、 最終的には大学病院で診てもらうことになりました。しかし、レントゲンで状態を見る限り、 ヘミセクションという方向での治療も難しいといわれてしまいました。お話では、どうも 「虫歯の進行による」髄床底の穿孔ということに間違いないようで、もともと5年前に抜髄 していたため骨吸収も始まっていて、もはや保存処置を施せるような状態ではないのだとい うことです。やはり進行の程度によってはヘミセクションも不可能な場合があるのでしょう か?(ちなみに上顎です)

また、もし抜歯することになった場合、年齢的なことも考えて、先生はどのような手段が一 番長期的な使用に耐える合理的な処置だとお考えになりますか?
現行最善策といわれるインプラントにも寿命があると聞いたのですが…

回答:
 技術差や熱意にもよります。しかし、悪の元凶が1根に集中していればヘミセクションや セパレーションも可能ですが、満遍なく広がっていれば無理なケースもあります。15歳で抜髄、 そして20歳で抜歯?という最速パターンを今後何としても断ち切らねばなりません。例え新し い歯が生えたとしても、またまた15年ほどで失う可能性があります。天然歯よりも劣るインプ ラントを植えても今のままだと短命に終わってしまいます。反対に、今残っている他の歯を 1本足りとも失わないようなケアを実践できたとすれば、インプラントも生涯保つ可能性もあ るでしょう。毎月歯石をとり続けて細かな異常を見つけて修理する意外に歯を生涯保つ秘訣は ありません。それができるようでしたら、インプラントはとても有効な選択肢だと思います。