私の提唱は、最低毎日1回数分の歯磨きに、毎月の歯石除去。

外科的手術とメインテナンス

日付、時間:2004年2月18日 23:57  氏名:   A   
所在都道府県:  東京  職 業:  その他  年 齢: 33歳      性別:  male 

20歯を保有する者の割合
外科的手術とメインテナンス漏
50歳代の80.6%から60歳代の43.8%と大幅に減少し、80歳代以降ではわずか 10.4%の者しか20歯の自分の歯を保有してない。
         資料:岡山県歯科医師会
外科的手術とメインテナンス
質問:前歯の治療と歯周外科的手術
 13年前に前歯から倒れて、上の前歯1左側(中切歯1?)を3分の1位破折し、神経が むきだしになってぐらついていたため、抜髄してレジンを流し込んで形的にもレジンだけで なんとか修復してもらいました。2年前に突然上の前歯1とすぐ左側の2との間の歯茎がジ クジク痛み出して半日もしないうちにぷくっと腫れて痛かったので、その時は、近くのある 歯科医に、応急処置的に患部を切って膿をだしてもらい、治療を終えました。その時に、 再発したら抜歯してブリッジにしますと言われました。
 それから1年半後全く同じ症状になり、寝ている間に破れていたのですが、一番腫れてい た時は、顔が熱を帯びて、頭までボーっとさせるような、しみいる痛さでした。寝て起きる と痛みもなくなっていて、数日後には患部がわからないほどきれいに直ったような状態にな りました。1週間後、歯科医を紹介して頂いて、優先的に診てもらうことにしました。 膿の塊をとるために歯周外科的手術(フラッペ手術?)を、2週間以内にしますといわれ受 けました。この前歯の裏側で歯茎に埋もれている部分が大きく虫歯になっていました。 手術後に膿の塊がたくさんあったといわれました。
 別の歯科医でも見てもらったのですが、その別の先生は、針をスカスカッとさしてこの部 分(歯間歯茎)は他の所と違うねといわれて、根管治療で治るとも、周りの歯のために抜歯 して、若い今、インプラントをするという選択肢もあると言われました。もともと歯を削ら れるのが嫌だったのですが、最初の先生による手術で大きな?虫歯の存在がわかり、この時 は抜歯といわれたのですごくガッカリしました。
 1週間後、抜歯はしないで、金属で土台をしっかり作って白い歯をかぶせましょうといわ れて、なんとか抜歯を免れたと思いお願いしました(インプラント高度先進治療指定大学病 院の先生も同様な治療をするとおっしゃいました。とりあえず傘を取って破折リスク承知で 金属を使って土台をしっかりさせると)。どんどん削っていくとやはり破折するということ で土台治療はせず、虫歯治療も完全にして頂いたのかはわかりませんが、最後にレジンを流 し込んで密閉し、おわりました。後遺症としては歯間歯茎が一箇所完全になくなって前歯3 本(1と2と1)長くなりましたが、大学病院の先生はきれいにできてるねとおっしゃいま した。
 疑問な点は別にクラウンにしなくても、傘を削らなくても、根管治療?(虫歯の治療)の みで現状維持ができたのではないかという点です。この先生には歯周的外科手術で歯茎に埋も れた部分の虫歯の度合いがわかっていらっしゃったでしょうから、その時点で根管に金属を新 たに添えて強くできるほどの太くて丈夫な歯ではないということもわかっていらっしゃったの ではと思っているのですが、どうでしょうか。当然(笑)セラミックを大変勧められましたが オールハイブリッドでお願いしました。この一連の治療に私は満足するべきでしょうか?
またインレーや虫歯治療、PMTCも、紹介して頂いたここの歯科医院でやって頂いても大丈夫で しょうか?
どこまで歯医者さんを信頼していいのかわからないので、変な質問で大変申し訳ありません。

    PMTCについて、歯と歯茎を大きく治療して頂いた医院にもPMTCが紹介されています。
  1. 但し、どこからどこまでの治療をPMTCとするのかは所によって違うみたいですがどうなの でしょうか?
    そこの医院では、歯石とりからホワイトニング、ラミネートニベア治療までPMTCの治療範疇と されているようです。特にホワイトニングには力をいれていらっしゃるようで、
  2. 個人的には、ん〜っ、なんだか審美に力入れすぎなのかな〜と思ってしまいますがどう 思われるでしょうか。これも河田先生にホワイトニングの弊害等教えて頂いたので一層そう思 うようになったのですが。 やはり、最善のお医者さんとは、何かの治療にあたっては、利点 と欠点を説明して下さる方だと思います。物事には利点だけということはなかなかありません でしょうから。
  3. そこで、個人的には歯石を奥までしっかり取って頂ければ満足するのですが、歯石除去だ けでいくらするのでしょうか。
  4. また、歯石除去だけでも歯石が多かったりすると、歯を削られるのと同じような振動が 伝わってくることがありますが、歯石除去をやりすぎると、歯(のエナメル質)にダメージは あたえられないのでしょうか?
    歯石除去治療と(歯磨きの)研磨剤で磨く行為はどちらが歯にダメージが与えられるものなの でしょうか。また歯石除去の際にゴム状のもので歯の表面をきれいにしてもらうのは何ら問題 はないでしょうか
  5. また、フッ素塗布もあるようなのですが、ホワイトニングのような薬害等は心配しなくて も大丈夫でしょうか?
    またやらないよりはやる方が有効的でしょうか?
    最後に、虫歯治療とかだいそれた治療でもないのに、歯石をとるだけのためにとか、、または 歯茎をみてもらうために、とか、チェックだけしてもらいにとか、月1でそちらに通わせて頂 いても歓迎していただけるでしょうか。
    以上お忙しいこととは思いますが、よろしければ回答の方、宜しくお願いいたします。
はみがきについて
 大学病院の先生に、あなたは歯並びが悪いから、普通の人よりは丁寧に歯磨きをするように と言われました。実際食べ物がたくさん挟まって困ります。特に親知らず付近は。たとえそう はいわれなくても、今回の歯と歯茎の大きな治療を境に、はぶらし3種類、歯磨き粉2種類、 洗口液(モンダミンとリステリン)を使って、一日3回、一回15分歯磨きすることは欠かさ ないようになりました(あるある大辞典とか、スマスマステーション健康チェックとかでも、 1回10分以上は必要と解説されていました。あるあるでは、はぶらしプラスフロスでしたが)。 もっとも歯石を取ってもらっていないからでもありますが。
  1. 仮に1ヶ月に1回、歯石をとってもらえるようになったら、歯並びが悪く、歯槽膿漏 と言われた人で大体一回なん分磨けばよろしいといえるのでしょうか?
    家族や職場で、歯磨き15分は長すぎだといわれて、こちらは一生懸命やっているのに、へこ んでいます。よく人は、歯茎がなくなるとか、歯のエナメルがけずられるとか脅してきますの で、最近は研磨剤のないものを使っています。
  2. それから歯磨きの最後に必ず薬用モンダミンで口をゆすいで最後を締めて、就寝前は必 ず歯石まで予防するといわれるリステリンで口をゆすいで寝ています。これら洗口液の有効性 と、副作用が何かあるのであれば教えて頂きたいのですが。研磨剤のように、歯を傷めたり溶 かしたりする副作用はあるといわれているのでしょうか?
    宜しくお願いいたします。
回答  ホームページを公開し、本まで出版するくらいですので、私の考えや意見には自信をもって います。そのうち、「間違いだらけの歯科治療」という本でも出そうかという勢いです。 しかし、世の中の歯医者からみれば、おそらく私は、わけの分からない理論と哲学を持って 特殊な治療を行い、全く異なった価値観によって行動している異端児です。そこのところを 十分理解して聞いてください。

 行なった手術は歯根端切除術か嚢胞摘出術だと思います。結果 が良ければ問題はないのですが、おそらく成功率10%以下で誤った 治療方法です。根管治療で治ると言われた先生の方が正解です。と言うよりも、根管治療で しか治る見込みがないというのが私の意見です。

 生涯歯を守る秘訣はただ一つ。毎月歯石を取りつづけることです。それ以外のいかなる方 法も多少の延命は期待できても、生涯機能させることはほとんど不可能です。テレビで報道 されている内容をみても、私には信じられません。今まで何十年間もそのような方法が提示 され、また過去にも何度もテレビで報道されているけれども、歯の寿命が延びたという報告 (統計)はありません。勿論歯磨きをはじめとしたそれらの方法が悪いわけではありません。 数十年単位で歯の寿命を延ばす方法ではないということです。
 有効性のあるとされているうがい薬やその他のケアも同じです。多少の効果があるにして も、生涯保つだけの効果はないと思います。またそれらを全て併用したとしても無理でしょう。 私の提唱は、最低毎日1回数分の歯磨きに、毎月の歯石除去を加えただけで(検診と早期治療 を含む)だけで数十年の延命効果が見込めるというものです。
 歯磨きをして歯をする減らすことは確かですが、全部すり減らすには300年ほどかかるでし ょう。それを気にして磨かなかったらたちまち歯や歯槽骨が破壊されて早ければ数年で失って しまうかも知れません。これは歯石除去にも共通している点です。車を何百年も磨いたらその 内車はなくなってしまうでしょう。磨かなかったら、30年もすれば朽ち果ててしまうのと同じ です。フッ素塗布に関しては、有害であるという報告は聞いておりません。

その観点からPMTCを考えると、必要なものは歯石除去だけです。歯石除去だけだと2002年4月 の保険改正で、保険適応になっています。費用は3割負担で約2000円。歯石除去だけではなく 検診、ヤニや着色物の除去その他色々と含まれており、保険外のPMTCと本質的には何ら変りま せん。多くの歯科医とってPMTCとは、保険外医療の確保です。保険では認められていない○○ も行ないますので、ついては保険外費用として1万円頂きますという具合です。
 PMTCはいいことだけど、保険でメインテナンスを行なってくれる歯科医院を探した方が良い でしょう。私の医院では、そのメインテナンスの患者さんが1000名くらいいらっしゃいます。 遠くは九州や名古屋からもいらっしゃいますが、本来は地元でみつけるべきだと思います。 裏をかえせば、今のところ保険でメインテナンスを行なっているところが少ないとも言えます。


返信:
 お忙しい中、早速のご回答をありがとうございました。行った手術が、歯周外科手術では ない可能性があるということは、もう一度担当医に伺ってみる必要があるように思われます。 担当医には、術前に、説明を受けて、受けました。鏡で歯が長く見えていたので、切開はさ れていましたが、歯の根の所まで切開して、根の先を切断しているようには感じませんでし た。終始、歯の表面をゴリゴリゴリゴリされているなんともいえない感覚でした。担当医も 最初、歯の根の先辺りを疑われていたのですが、そうではなくて、ちょうど歯茎の中に入っ た所が(多分大きく)虫歯になっているというようなことをいわれました。そして、歯根端 手術についてなのですが、その先生も得意そうで、口腔外科の主要治療としてあげられてい るようですが、私に対しては全くそのような手術をするという説明はありませんでした。歯 根端手術の写真もみせてもらうということもありませんでした。歯根端手術は、歯の根の治 療のようですので、奥深くメスがはいるような治療だと察しますが、1回目の手術の際は、 奥深くまでメスをいれて切開したような感じはありませんでした。
2回目の治療の際は、穴はみせてもらいましたが、確か麻酔も全くしませんでしたし(当然 13年前に抜随しているからでしょう)、歯茎にメス等が入ることは全くありませんでした。 根管治療でなおるといわれた別の医師も、根の先は問題ないとおっしゃったと記憶しています。 一連の治療の詳述は以上ですが、いずれにせよ、
  1. どういった治療をされたのかは、レントゲンをみればわかることなのでしょうか??? 自分としても、その虫歯をどの程度まで治されたのか聞きたくて仕方なかったのですが、遠慮 して聞きませんでした。それ以上聞くことは失礼かと思いまして。できればもう一度、なんと かしてお尋ねしたいと思っております。それから、
  2. 嚢胞摘出術と歯周外科手術(私の場合はP-curでしょう)とは具体的にどう違うのかについ ても教えて頂きたいです。
  3. 前回も述べさせていただきましたが、上前歯11の付け根辺りの歯茎が、縦横1cm7mm位、 若干?周りより赤く縦線上に盛り上がっています。術前から周囲とは違う色をして腫れてるよ うで、術前術後とも舌で抑えても違和感はないのですが、まだ色が違うので、これは何か原因 があるのかなーと、少し不安です。でもあれだけゴリゴリやってもらって、歯の付け根辺りが 治らないというのは、歯石がまだついてるというよりは、組織自体が変化してしまったがため にとか、いろいろ素人的に考えてしまいます。どう対処していけばよろしいでしょうか。
    また、やはりここまで退化した(1と2の歯間歯茎のなくなった)歯茎の中までも、これから 先も月1とか定期的に、麻酔をかけてディープスケーリング以上のことをしていくことが望ま しいでしょうか。
歯槽骨吸収について
 抜歯寸前にまでなった前歯について、治療して頂いた先生が、その歯の歯槽骨が吸収されて いると、レントゲンをみながらおっしゃいました。歯茎の中に大きな虫歯がある上に、膿まで あったようですので、自分はさることながら、担当の先生は、保存するべきものなのかと考え られた、悩まれた?かもしれません。大学病院でインプラントを担当していらっしゃる先生に もみてもらいました。私の歯のレントゲンをみながら、歯槽骨がここまで(他と比べて半分ま で下がっていたでしょうか?、半分よりはちょっと上だったかもしれません?)下がっている のに、動揺がみられないので、歯槽骨吸収がここまで進んでいるのに動揺がないという人もい るけど、原因はまだわからない、というようなことをおっしゃっていました。
 実は私の母は今63歳です。数年か10年前くらいに口の中をみたときに、あまりにも歯茎 が退化していたので、びっくりしました。でも本人はいたって平気みたいで、毎日ごしごし歯 を磨いていました。今、歯医者にいっているみたいですが、これは年齢のせいで退化している のです、といわれた、といっていました。でも歯槽膿漏とはいわれなかったとか、なる可能性 が高いといわれたのか、そのあたりあまりはっきりしないようなのですが、年齢による=歯槽 膿漏ということでしょう。ただし、場合によっては、微妙な歯茎の状態をみて、これは歯槽膿 漏だと断定することは、歯科医にとっても難しい診断の部類にはいる場合が中にはあるのでは、 とおもっているのですが、どうでしょうか。過去に血とか少し膿っぽいものもでた経験もある そうなのですが、歯磨き指導してもらってそういうこともなくなったと昨日いっていました。 母は歯が頑丈だと昔からそれが自慢でした。実際、栓抜きのかわりをしていましたから(笑)。 驚いたことに、抜歯している歯はまだ1本もないそうです。抜髄は5〜6本で、うちクラウン が今回で3本目だそうです。確かに歯自体は昔から強そうな感じがしていました。おまけに、 今までの人生で、歯医者は歯が痛くなった時に通った程度で、歯石とりはその時にしてもらう だけだったといっていました。だからこそもったいないので、今日河田先生による指導方法を 伝えておきました。
 母の歯槽骨がどうなっているかまではわかりませんが、もし遺伝してもらっていたら、自分 も63歳のころはまだ大丈夫かなあというささやかな希望をもったりしています。もちろんこ れからは定期検診欠かさないようにするつもりです。このように、歯槽骨吸収や歯槽膿漏、又 は年齢による歯茎の退化が結構進んでいたりしても、歯が抜けずに、なぜか歯が動揺もなく地 についているということはありうるのでしょうか?
同じ歯槽骨の破壊程度でも、歯の動揺度等は人によって程度の差はやはりあるのでしょうか?

親知らずについて
 下に2本親知らずがはえていますが、普通の歯のように歯茎からは出ています。但し、斜め 横にはえているのですが、トップといいますか、いわゆる表面は普通に前から鏡でみえるので、 治療が出来ないということはないと思っています。そこで、よく親知らずをぬきませんか、とか、 ぬいた方がいい、隣の歯のためにも。親知らずが虫歯になると、隣の歯にも影響がでるから今 のうちにぬいた方がいい、といったような理由でいわれます。しかし個人的には、たとえ親知 らずであっても、歯をぬきたいとは思えません。普段困っていることといえば、食べ物が挟ま り易いことなのですが、洗口液でしっかり口をゆすいだ上でしっかり歯磨きすればとれるよう な感じです。
 ただし、もうこの年齢ですから、上下8本の奥歯をおそらくインレーにしているところをみ てみても、隣歯との隣接面やトップ表面は疑わしいのではないだろうかとおもっています。そ こで、だから親知らずだから抜歯なのではなくて、上下8本のように、インレー等で可能な限 り予防治療していただくことはできないのでしょうか?
たしかに、移植用に残しておいて実際移植しても、5年しかもたないのであれば、無用の長物 であるような気がしなくもありません。しかしその場合でも、移植して5年もたせて、次にイ ンプラントで10年もたせていくことができれば、インプラントで10年もたせるよりも5年 生き延びているようなものなので、親知らずでもあった方がいいような気がするのですが・・ ・。移植をしたあとにインプラントができない、できづらいということであれば十分問題だと は思いますけれど。本当に親知らずは、変則的にはえていれば、あるだけ無駄、害を与えうる だけの存在であって何の役にも立たないものなのでしょうか?
また、他の歯のように正常にはえていれば、通常の虫歯治療をしていくものなのでしょうか?
そのあたり、親知らずの虫歯治療、移植や役割について、河田先生のお考えをお伺いしたく存 じます。

回答:
 腫れた位置が問題ですね。根尖部付近ではなく歯冠部分に近い歯茎の腫れだったら、虫歯や 歯根亀裂による腫れだった可能性が高いように思います。根尖病巣は、神経の入っていた管 (根管)に血液などが入り込んで腐ったためにそれが生体にとっての異物となり炎症を起こし ます。その際の根本的な治療方法はその汚れた根管を綺麗に掃除して、二度と血液などが入り 込まないよう綿密に封鎖(根管充填)を行なうことです。
 同じく歯茎より下に虫歯や亀裂があるとそこに血液などが入り込んで腐ってしまいます。 以下同じメカニズムで炎症を起こします。その際も綺麗に掃除して二度と汚れが貯留しないよ うに綿密に封鎖してやれば治るはずですが、現実問題として綿密に封鎖する方法がありません。 不完全ながらもどうにか封鎖できたとすれば、その封鎖の完成度に応じて炎症の程度が小さく なります。また、わずかな亀裂であったとすれば、炎症の程度も小さく亀裂面に沿った狭い 空間のみが破壊されます。そんな状況だったかも知れませんね。

 嚢胞摘出術と歯周外科手術は、その病巣を除去するという点では同じですが、各々の病巣 の位置が異なりますので切開する位置が異なります。嚢胞摘出術は歯頚部から離れた根尖部 相当の歯茎、歯周外科手術は歯頚部を含めた切開です。ディープスケーリングはともかく、 定期的な全体のスケーリングは必要ですが、問題の前歯は亀裂の方を疑うべきかも知れません。
 歯の動揺に関しては歯槽骨の破壊程度に比例するはずですが、歯根の長さや形態によっても 左右されますので、残存骨量によって決まると考えた方が正解でしょう。

 親知らずは、1割くらいの人が正常に萌出して機能している場合がありますので、抜歯を 選択しないケースもあります。しかし、初期虫歯の治療は可能であっても抜髄となると非常に 予後が悪いのでそのようなケースでは抜歯になります。
 それ以外のモノについては、担当医の説明通り抜歯して手前の歯が悪くならないようケアし た方が得策です。食べ物が挟まり易いということですし、専門家がみて抜歯を勧められる状況 を考えれば抜歯の方が良いのではないでしょうか。


返信:2004年3月3日 22:53
 (前)歯の隣接面の治療について
今回前歯の傘を完全にとられて、金属の芯のまわりに自分の歯質とレジンが薄くまとわりつい てる歯になったのをみて、これで一段と歯の寿命が短くなってしまったかなと悲しくなりまし た。ただ、幸か不幸か、上前1の左隣の歯(上前2)の側面(隣接面)に、はっきりと黒い点 ができていました、虫歯でした。これを見た時に、この虫歯部分は完全に隣接面の中心に位置 していたので、思いっきり削って上前1をクラウンにでもしない限り、この上前2の側面虫歯 は治療できないのではと素人目で思いました。でも、最初に前歯を折った時に、レジンだけで 斜め縦に四苦八苦しながら修復して頂けたことを思うと、究極的には、歯の寿命を考えて理想 的には、上前1の、隣接している片側だけを必要最小限度削ってレジンで修復できないものな のかな〜、なんて考えたりもしてしまいました。
 このように、隣接面の、しかも完全に隠れた、何も、フロスさえも挟めないような密接面の、 届きにくい部分にある虫歯部分は、どのように見つけ出して、またどう治療していくのがベス トなのでしょうか?

回答:
 20歳も過ぎれば、全ての隣接面にむし歯があると考えるべきです。ただ治療するとなるとある 程度大きくなって確認できたものということになります。それを効率良く見つけ出すのは、毎月 の歯石除去以外にないと確信しております。
 学校検診や企業検診程度の診査では無理。たまたま撮ったレントゲンで確認できるようだと、 やや手遅れ気味。何といっても、明るい照明の下で汚れを取りながら1本・1本丁寧に探りながら みていくわけですから丁寧さにおいては雲泥の差。しかも汚れを毎月とっているから歯肉も引き 締まって視野も明瞭ですから。それでも見落とすこともありますが、これに勝る方法はありませ ん。過去の実績では、20年間1本も神経をとったことがないという患者さんは数え切れません。


返信:2004年3月10日 0:15
 先生こんにちは。担当医院に問い合わせてみたところ、インレーの種類は、保険適用ではパ ラジウム合金とアマルガムがあるとのことでした。ここの医院では、アマルガムの使用に関し ては、消極的ということは一切ないようにおもうのですがどうでしょうか?
アマルガムは虫歯になりやすいので、と問いかけたのですが、このことに関して回答がないど ころか、普通に使用されているようで、本当に大丈夫なのでしょうか?
しかも、殺菌効果があるとまでおっしゃっていらっしゃるので、二次カリエスになりやすいこ とと矛盾しているような気がしてならないのですが。これでは、少なくともここの医院では、 昔つめてもらったアマルガムをパラジウムに新たにやり直してほしいなんていうことは言え ません、どうしてそんなにアマルガムを嫌がるのかと思われて、例え2次カリエスを防ぐ目的 であっても、そう言うことは難しいような気がします。 先生のHPを読んでみると、私の記 憶が正しければ、アマルガムを未だに使用しているところはかなり限られてきているという ことだったと思いますが、アマルガムを依然として使用している医院は、大体何%位なので しょうか???10年以上前であれば昔のことなので納得しますが、二次カリエスになりや すいということが医学的に証明されている上で、未だに使用している医院で、アマルガムを 詰めてもらうことは結構気が引けてしまいます・・・。本当にアマルガムはやめたほうがい いのでしょうか???またアマルガムをやめたほうがいいという医学的根拠は、具体的に、 どの程度のものなのでしょうか???

またPMTCについても問い合わせてみたところ、保険診療として行っていますという回答でした。 素人的に考えまして、縁下の歯石を無麻酔下でとれるのかなぁ、随分痛いのではなかとおもう のですが、また痛みの出ないような縁下の歯石取りで、果たしてどの程度の歯石が取れるもの なのか非常に疑問です???。麻酔下の歯石とりも、必要であればということですので、河田 先生の考え方とは、やはり違いがあるのかなぁと考えたりもしています。
以上をふまえて、ここの医院で両治療をお願いしても大丈夫なものでしょうか?貴重な意見を 宜しくお願いいたします。

回答:
 アマルガムのことは話になりません。殺菌効果は初耳ですが、体まで殺菌してしまいそうです。 水俣病の原因である水銀が生体内に常に吸収される状況が許されるわけがありません。かたくなに アマルガムを擁護しつづけたアメリカでさえ昨年度あたりから否定的な方向に変わりました。日本 でアマルガムを使いつづける先生の大きなよりどころだったアメリカが変りましたので、日本も すぐに変るでしょう。

 歯石こそが最大の原因と主張する私(少数派どころか私1人?)と、一般的な考え方の相違が 治療方法に現れただけのことです。歯槽膿漏は止められないという一般の認識に対して、20年以上 の実績を楯に止められると主張しているヒトのどちらを信じるかという次元です。他医院で歯石 除去を済ませたといって来院された患者さんに相当量の歯石が残っていることはしばしばです。 患者さんの方から「もっと完璧に歯石を取って」と言うべきでしょう。
 アマルガムは絶対断るべきですが、他に歯石を取ってくれるところがなければやむを得ない選択 かもしれません。