治療の基本は、歯石を取って、取りつづけること。

積極的な治療法

日付、時間:2004年2月24日 10:22  氏名:   K.I   
所在都道府県:  東京  職 業:  会社員  年 齢: 49歳      性別:  male 

積極的な治療法 質問:
 はじめまして。歯周病の治療方法につきご相談があります。
2年程前に歯茎が腫れ、一時は咀嚼すら出来ない状態となり、近隣の歯科医に歯槽膿漏であり、 もう治らないと宣告され歯石を取り治療を終えました。その後は、ブラッシングと歯周病薬の 塗布で延命を図るのみと思っておりました。
ところが最近、積極的な治療法がある事を知り、ある先生に相談したところフラップを全顎に 施す方法を薦められました。レントゲン写真を見る限り左右奥2本は重度、その他は中程度と おもわれ、河田先生のHP上のご見解からすると、もっと別の処置があるのではないかと思えて なりません。自分の納得した治療を受けたいと考えると河田先生に診て頂くのがベストだと思 えるのですが、距離の問題があります。そこでお尋ねしたいのは、一度先生に診て頂き、その 診断をもとに治療してくれる近くの先生を探すなどという方法は可能でしょうか。勿論、治療 の計画が遠大な物でなければ、通院も考えています。

感想:
 先生のHPを拝見して、今までの受診時に歯科医で説明してもらえなかった事が、いろいろ と理解で来るようになりました。目からウロコの気分です。

回答  治療の基本は、歯石を取って、取りつづけること。そして、最後の手段としてのフラップオ ペという図式です。
 どの程度で手術を行なうかだけが問題であって、あとは歯槽膿漏というものの性格と対処の 仕方を理解していただくことが大切です。長期にわたる通院は不可能だとしても、現状を知って 見通しを立てる意味からして一度着ていただくことは非常に有意義だと思います。


返信:2004年2月25日 21:04
 お忙しいなか早速のお返事有難うございます。明日にでも予約を入れさせていただきます。

初診時パノラマ
歯肉の赤み


診断:
 レントゲン的にには随所に末期状態の歯槽膿漏を認めます。一般的な診断としては、この まま抜け落ちていくのを待つか、手遅れながらも歯槽膿漏手術を行なって最後の抵抗を試み るかという苦しい状況です。
 上顎については私も、抜髄→手術→連結固定という最終的な手段を視野にいれなくてはな らないと思いました。しかし、上顎7番の近心根が大きく弯曲しているために抜髄に踏み切 れないことと、以外に骨植堅固で動揺がないことから徹底的な歯石除去とメインテナンスに より延命を計る方が賢明であると判断いたしました。
 ここ数年の急激な骨破壊により、レントゲン的には致命的に見える骨破壊も、大量に沈着 した歯石を除去すれば相当量回復することが期待できます。深く進行したむし歯とそれに継ぐ 大量のむし歯を治療してメインテナンスに励めば、他の方法に勝る延命効果が期待できます。 将来的には、抜髄や最終的手段も必要になるはずですが、それまでは可及的に保存的手段に よって進行をコントロールしていきたいと思います。