病巣の中心部分に原因が潜んでいる。

根の途中に穴

日付、時間:2004年3月9日 7:10  氏名:   toyo   
所在都道府県:  富山  職 業:  会社員  年 齢: 49歳      性別:  male 

根の途中に穴 質問:
 初めてご相談させて頂きます。30年ほど前に事故によって上の前歯4本1番2番が折れて しまい(内右2番は抜け落ち)右の犬歯と右1番でブリッジにして左の1番2番の2本はそれ ぞれ単独の差し歯になりました。
半年程経過した頃から左2番が痛くなり治療してもらった歯科医へ行くと抗生物質を出され痛 みはなくなりました。その後も2年ほどの間に数回同じ症状がでてその都度抗生物質が処方さ れ根の治療をやり直す事なくでもいつも違和感を感じており12年程前に転勤先の近くの大学 病院で根の治療をして頂きました。
 その時は根管治療のやり直しと外科手術で症状は改善されましたが、5年程前から根の先 より少し下の犬歯との間位が腫れて噴火口のような所から膿が出るようになり1ヶ月前に同じ 先生に診てもらいまして根管治療はしないで外科手術だけされました。その時の治療は根 の途中に穴が開いていて炎症を起こしていたので回りの病巣を取って穴をセメントで埋めまし たとの事でした。しかし1ヶ月弱した最近になってまた前よりも頻繁に膿を持つようにな ってしまいました。先生に相談すると、差し歯を外して治療するのは難しいと言われまして、 河田先生にご相談させて頂きました。
 よく先生のHPを拝見させて頂いておりまして根管治療をしないで外科処置をしても根本的 な治療にはならないとあり私もそう思いまして是非先生のご意見をお願いしたいと思いました。 それと石川、富山周辺でこの様な治療の専門医があればご紹介頂けないでしょうか。忙しい中 済みませんが他にも歯の問題が色々有りとても悩んでおります。よろしくお願いします。

感想:
いつも先生のHPを拝見させて頂いてとても参考になります。毎日のたくさんの患者さんを診 てからの管理には頭が下がります。これからも歯で悩んでおられる全国のたくさんの方々の為 にもよろしくお願いします。

回答  他の歯を含めて根管治療の不備が全く指摘されていないまま30年も経過していることから 炎症の原因が根管治療にあるのかどうか疑問に思います。原因が根管治療にあるのであれば 根本的な解決は的確な根管治療によってのみもたらされますが、過去の経緯を含めて根管治 療には問題がないのかもしれません。そうは言っても実際に治療してみないと不備の有無が 分からないので試してみる価値も多少はあるかもしれませんが…。

 “根の途中に穴が開いていて炎症を起こしていた”ということであれば、その穴(もしく は亀裂)を親和性の良い材質で完全に塞ぐしか方法がありません。その時の処置が完璧に できていれば治癒するはずですが、そのような状況で完璧を期待する方が無理なのかもしれ ません。担当する歯科医の経験と技術によっては、それが可能なのかもしれませんがちょっと 状況が厳しいようにも思います。
 整理すると、炎症の原因は、根途中の穴か根管治療の不備、もしくはその両方の3つのパ ターンが考えられます。それらを区別してそれぞれに適切な対処を行なうべきということに なります。病巣の中心部分に原因が潜んでいる可能性が高いので、それが一つの目安になる と思います。専門医については、申し訳ありませんが分かりません。