日付、時間:Sun Aug 29 20:17:23 Japan 1999
氏名: 井澤常泰
所在都道府県:東京
職 業:歯科医
年 齢:41歳
性別: male
質問:
根尖切除の成功率は顕微鏡下で行われるmicrosurgeryにより飛躍的に成功率が
向上している。歯内治療のひとつのオプションとして確立して治療方法として私は認識している。
conventional な治療が基本であることにはどういするが、”あまり勧められない治療方法”とし
ての貴院の意見には根管治療の専門医としては納得できない。貴院での術式等、お考えを
伺いたい。
メールアドレス: izawat@areanet.ne.jp
ホームページURL: http://
根尖部の異常をを訴えるケースの原因を大きく分けると、
@根管治療(充填)の不備。
A根管充填(死腔の閉鎖)には何ら問題はないが、根尖孔外に異物が存在する。
以上の2つだと思います。Aのケースですと“ 根尖部異物除去”
ということで、どちらかというと積極的に処置をお勧めしています。
“根尖切除”ということですので原因は、“@根管治療(充填)の不備”に限った処置と考えて
よろしいでしょうか?
根管治療(充填)の不備の中でも、根の弯曲、リーマの破折など通常の根管治療が不可能な
ものは間違いなく“ 根尖切除”の適応だと考えております。
ただ、例え根管充填がなされている症例であっても再度の根管治療が可能なもの(通常
ほとんど全部)は、“根尖切除”よりも“根管治療”を優先すべきだという意見です。
”あまり勧められない治療方法”は全ての“根尖切除”を否定しているのではありません。
おそらくこの掲示板に寄せられた質問のケースに限った回答を指摘されていると思いますが、
“再度の根管治療が可能なもの”に対していかに成功率が向上したとはいえ根尖切除を優先
する考えは成立しないのではないでしょうか?
私自身口腔外科の出身ですので、かつて(10年以上前)は積極的に根尖切除を行っておりました。
現在のmicrosurgeryほど厳密ではないにしても相応の効果を挙げていました。
根尖切除の問題点として最も危惧されるのが、根尖封鎖に用いる素材の親和性と、出血下における
封鎖の困難性と永続性です。正根充に勝る逆根充はないと認識しております。
元々は根管内に存在する“各種汚物”が根尖病巣の原因ですので、これを排除することが医学の
原点だと思います。“臭いものに蓋”式の根尖切除は、他に選択肢のない時の重要な術式としての
存在価値は十分あると思いますし、状況によってはもっと活用していただきたい術式です。
私の臨床ではここ10年、いかに困難な症例であっても根管治療を優先してきました。その結果、
“根尖切除”の必要性は皆無と言っても過言ではありません。その経験をふまえての発言ですが、
いかがでしょうか?