日付、時間:2004年3月23日 23:05
氏名: OS
所在都道府県: 大阪
職 業: 主婦
年 齢: 38歳
性別: female
質問:
左下の(6)歯。最初の歯科で虫歯のため神経を抜きましたがその後も痛みが続いたため、
別の歯科を受診しました。そこでは十分に取りきれていなかったらしい神経の除去をしてい
ただき樹脂状のものを歯の根につめて冠をしました。その際「最初の治療で歯に穴が開いた
ようだ」といわれました。
2年経過し、その歯の根元にぷつっと水ほうのようなものができました。受診したところ
「穴から樹脂が漏れてしまって化膿しているので抜歯するしかない。抜歯後はインプラント
が最適だが、ブリッジにするならやわらかく生体になじみがよい金製を(保険外で20万く
らい)」といわれました。現在食後に歯茎がはれたような違和感がありますが痛みはありま
せん。そこでお聞きしたいのですが、
まずはそんなにあわてて抜く必要もないでしょう。腫れたら膿を出して抗生物質服用など
でごまかしながらでも使える所まで使うことも可能です。また根本的な解決策としては、
穿孔部分の閉鎖やセパレーション、ヘミセ
クションなどの選択肢もあります。もっとも穿孔以外に根管治療の不備なんかが重なる
と厄介な治療になるので担当医がそこまで熱心に治療してくれるとは限りません。
最終的に抜歯になった時の選択としては、私もインプラントをお勧めいたします。親知ら
ずの移植は、インプラントのできない上顎臼歯部には有効ですが、寿命が通常5年程度と
いうことと今のところ保険外ですので結構高くつきます。金は単なる歯医者の金儲けにすぎ
ないので論外。従ってブリッジの場合は保険の金属で十分ですが、金属の種類に関係なく両
隣の歯を傷めてしまいますので、できればインプラントの方がお勧めです。無論インプラン
トも100%万全というわけではありません。他の治療法より成功率が数段高いといっても約
5%くらいの確率で拒絶反応を起こしてダメになる可能性があります。これは現存のインプ
ラント全てに言えることで、いわば現代歯科医療の限界と考えられます。それにインプラン
ト術後の予後をけっていするのは、的確なメインテナンスです。使用するインプラントは各
医院によってまちまちで、しかも通常1種類しか置いていないのでメーカーや材質を指定する
ことはできません。
大切なことは、何故このような事態になったかを考えて二度と同じ過ちを繰り返さないこ
とです。つまり、何か不都合が生じてから歯医者に駆け込んだのではロクな治療がないとい
うことです。歯槽膿漏で歯を失う、神経をとったために歯を失う。その代償が如何に高く
つくかということを知って、歯を悪くしないように歯医者を利用してケアに努めること。
すなわち定期的なメインテナンスを生涯にわたって行なってくれる歯医者をみつけて、そ
こにあるインプラントを選択するという方向が正しいと思いますよ。