異物除去および閉鎖空間の開放を行えば自然消滅する運命。
含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)

日付、時間:Mon Aug 30 15:26:16 Japan 1999    氏名: K.S.   
所在都道府県:東京   職 業:会社員   年 齢:27歳      性別: male  

質問:
質問させていただきます。3ヶ月ほど前、奥歯が痛くて前歯がむずがゆい のでいつも行く歯医者さんでみてもらったところ、「含歯性嚢胞のようだ。X線による とかなり神経に近そうなので前歯のかゆみももしかしたらそれが原因では」と診断され、 紹介されて大学病院に行ったところ、「CTの結果では、嚢胞は神経に近いけれど特に 問題はなさそうなので、前歯のかゆみは心因性では?」と言われました。
2週間くらいする痛みもかゆみも感じなくなったので、ああそうなのかなと思いました。 そして先週親知らずと嚢胞の一部を取りました。神経を傷つけないために「開窓」という 処置をしたんだそうですけど。でもだんだんと、前歯がむずかゆくなってきたような気が するのですが、一概には言えないのでしょうけれども、何となくやっぱり嚢胞が関係して いるような気がしてなりません。そういう可能性もあるのでしょうか。
それと、もう一つ質問がありまして、神経に近いので全部摘出しなかったという嚢胞はどう なってしまうのでしょうか。

回答  “含歯性嚢胞”が体調(抵抗力)の変化に伴って炎症症状が起こったり治まったりしたのと 同様に、炎症症状の存在が前歯近辺を支配する知覚神経に影響した可能性は否定できません。 現在は摘出後の一過性炎症がありますがその炎症は必ず治まるはずです。

 確かに嚢胞は全部摘出が望ましいのですが、嚢胞の成因を考えたとき、つまり閉鎖された 空間に異物が存在した結果成立する生体の防御作用ですから、異物除去および閉鎖空間の 開放を行えば自然消滅する運命になっています。悪性腫瘍の取り残しと訳が違いますので ご心配なく!!

  返信:
嚢胞の件、早速のお返事いただきました。河田先生ありがとうございました。
前歯がむずがゆいのは一過性だろうということ、また、残った嚢胞も自然消滅するとのことで どちらもホッとしてます。お忙しい中、ありがとうございました。
# 安心してお酒が飲めるようになるまで、# じーっとしていることにします。


追加:
お忙しいところすみません。嚢胞の件で、再び質問というより、ちょっと疑問がでてきました。 私が最初に大学病院に行ったときは、「全身麻酔を用いて全部摘出するので、2週間程度入院 が必要」と診断されました。 大事な仕事の予定があったので、「いつも行く歯医者さんは、1日でとれるだろうといってました けど」といったのですが、「それじゃ全部とりきれないし、すごく痛いので局部麻酔では無理です」 といわれてしまいました。 仕方なく2週間も入院ということで、仕事はキャンセルしました。その後、CTを撮ったところ、 「思った以上に神経に近いので、局部麻酔でとれるだけとって、あとは開窓でやるから1日 だけ入院で大丈夫」と言われました。 先日の河田先生からのお返事の中では、「いずれは自然消滅」すると言うことなので、 初めから「開窓でやるから1日入院で大丈夫」と言うわけにはいかなかったのだろうかと、 そんな疑問が出てきました。 自然消滅を待つよりも、全部摘出のほうが治りが早いということだったのでしょうか? 一般的な症例ではどちらが方法が多いのでしょう? 2週間も入院するということは、それなりにメリットがあってのことなのでしょうけど。

回答:
あまり疑いのまなこで見つめない方が良いですよ。 それぞれが色々な思惑で、相手を気遣って決まった方法のようですから。

私も早ければ1日で済むと思いましたが,大学にはそれなりの思惑もあったようですね。 手術をする者としては、当然全摘の方がスッキリ気持ちが良いでしょうから。 全摘となると気の済むまでヤリタイ。すると時間的にも患者さんの苦痛を考えると全身麻酔→ 術前の検査や管理が必要→後々のフォローを考えると入院。
そこに、1日という条件が入ると、患者さんの都合や紹介ドクターへの配慮から無理すれば出来 ないことも無い。全て善意の行動と思います。
入院の条件に関しては、勿論手術の規模が最大の争点ですが、患者さんの居住地との距離なん かも多いに関係します。

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