摂理に逆らった無理な要望はお断りしています。

歯肉のライン

日付、時間:2004年4月13日 21:53  氏名:  KK   
所在都道府県:  東京  職 業:  主婦  年 齢: 40歳      性別:  female 

歯肉のライン 質問:
 お忙しいところ申し訳ございませんが、前歯のインプラントについて教えていただきたく よろしくお願い致します。
外傷で前歯1本を失った場合、インプラントという選択がありますが、この際、歯肉のライ ンが下がり隣の歯の歯肉との高さがずれる可能性が高いことを伺いました。どの位の確率で 何ミリ位下がってしまうものなのでしょうか。また、そうなる原因は何にあるのでしょうか。 歯肉ラインを下げないための補助手術等はないものなのでしょうか。先生はどうされています か。よろしくお願い致します。

  回答
 人間の生体ははおおむね左右対称で、最も健康な状態を美しいと感じることが多いようです。 私の価値観からすれば、この最も美しい健康体を例え使いこんで汚く見えたとしても保持する し続けることが最も美しいと感じています。
 ところが外傷などでその健康を失った場合、できるだけ美しく見えるように回復したいと 願うのは当然す。また、我々もできるだけそれに応えようともします。しかし、生体の摂理 に逆らって行なう審美処置に対しては大きな疑問をもっています。歯肉ラインは、歯槽骨の 高さや量、そして歯肉状態によって決定されます。私の治療方針は、その与えられた条件の 下での最善であって、摂理に逆らった無理な要望はお断りしています。

 方法としては骨移植や歯肉移植など、極めれば幾つかの候補があるとは思いますが、そこ にエネルギーを費やすことはお互いにメリットがないと考えております。その根底には、 所詮今のままのケアでは50〜60歳にもなればボロボロになるのだからという現実があるから です。