日付、時間:2004年4月27日 11:42
氏名: SV
所在都道府県: 東京
職 業: その他
年 齢: 28歳
性別: female
質問:
初めまして。大変お忙しいところを申し訳ありませんが、どうか相談に乗ってください。
宜しくお願い致します。
右の中切歯がうっすら茶色く変色していて(10年以上前に虫歯で治療。神経を取ってい
ます。)なおかつ日によっては歯の根元というか歯茎の辺りがジンジンする時もあり(多
少ですが変な匂いがする時もあります)気になったので歯科で診察していただきましたら、
歯根が溶けている為インプラントかブリッジしかない、とのことでした(以前に前歯にフ
ラフープがぶつかったことが原因で虫歯以前より根は溶けてたのではないかと言われまし
た)。3件ほど歯科へ行き、診断して頂きましたが、どの歯医者さんでも元の歯は抜くし
かないと言われました。
しかし、まだ抜けていない歯を抜くことに抵抗を感じているのと、インプラントに対す
る不安がある為に治療に進めません。ある歯科医の本で、インプラントは口臭がひどくな
ると書いてあったのも大きな不安の一つです。・・本当に、抜歯をするしかないのでしょ
うか?
移植するとか再生させるという選択肢は無いのでしょうか?
ある歯医者さんでは、吸収をおこしている歯をそのままほおって置いたら他の歯や骨にま
で影響が出るかもしれないとも言われました。納得の行く治療をする為なら遠方でもお伺
いしようと考えています。御返答、心よりお待ちしています。どうか宜しくお願い致します。
(文面が長くなり申し訳ありません。)
感想:
こちらのHPを見させていただいて、虫歯になる前にもっと気を付けなければならない
ということが、よくわかりました。素人は、そんなに知識を持っていないにもかかわらず、
歯科医からの説明は簡単なもので終わってしまうこともよくあるのに対して、こちらでは
大変わかりやすくて感動しました。是非、御助言頂けたらと思いました。
おそらく歯根吸収しているために根管治療が不可能という診断のようですね。
完璧な根管充填が不可能だとしても、症状の改善と延命を図るための根管治療や、場合によ
っては再植(一旦抜歯して根管処理を行なった後植え戻す)ような治療が可能かもしれませ
ん。しかしいずれも実際に診て、治療してみて、更に結果をみないと分からないというもの
です。悪く言えば無責任、良く言えば可能性を極限まで追求するということになります。
そのような究極の治療を行なうか、もしくは手がつけられずに使える所まで使うという方
向を選択された場合には、抜歯時期の見極めというのが重要です。つまり、スピードはとも
かく周囲の骨破壊が進むわけですから、周囲の歯に悪影響のない範囲、またあとのインプラ
ントが可能な範囲という条件確保を常に監視しておかなくてはなりません。近くの患者さん
であればそのような治療方針を提案すると思いますが、遠方からの来院ですと期待に応える
ことが難しいように思います。
延命効果がどの程度可能かはさておいて、最終的な選択はインプラントです。実際に植え
るための骨スペースが確保できるか、植立方向が納得の範囲かという問題があります。また
折角植えられたとしても、拒絶反応を起こさずに正常にくっついてくれるかということも
不確定です。しかし、成功率は95%と他のどの方法よりも高く、しかもうまくいった場合
には周囲の歯を傷めないという利点もあります。無論、あとあとのケアが必要ですが、こ
れはインプラントを長持ちさせるという目的よりも、他の歯を生涯機能させるためと考え
るべきです。インプラントは決して良いことづくめではなく、ご心配されているような
欠点(口臭のことは論外)やリスクもありますが、ブリッジや入れ歯にはもっと大きな
欠点やリスクがあることを念頭に治療方針を決定すべきです。