日付、時間:2004年5月11日 18:52
氏名:
所在都道府県: 山口
職 業: その他
年 齢: 33歳
性別: female
質問:
こんにちわ。先生の御意見をお聞きしたく投稿します。
今年の2月に右上7番(無髄歯)のクラウンがぐらついていたのでA歯科医院に行ったところ、
支える歯が溶けてクラウンがぐらついているし、骨が吸収されて歯を支えられないから、抜く
しかないと言われ、抜歯しました。抜歯作業は困難で、木槌で衝撃を与えてる方法でした。
その後、しばらく隣接する右上6番も抜けそうな感覚が続きました。処置のあと飲んだジス
ロマックで体が痒くなったため、翌日A歯科医院に行ったところ、問診表に記載していたミ
ノサイクリンでのアレルギーについて確認していなかったことがわかりました。A歯科医院
には不安を感じましたので、別の歯科医院に変更することにしました。
その後、前歯(下顎2112)のう蝕が気になり、B歯科医院に行きました。前歯のう蝕
というのは、普通磨くと歯はつるつるになるにもかかわらず、ざらざらしていたからです。
特に痛みがあったわけではないのですが・・・。歯を診て、パノラマ写真をとっていただい
たところ、「う蝕は慢性的なのでさほど気にしなくてもいいですよ。それよりも歯槽骨のラ
インが全体的に下がってますから、歯周病が進行しているのでそちらの治療をしましょう。」
と言われました。その後、全ての歯についてポケットの深さを調べていただいたところ、全
体的に3mmありました。私は愕然としてしまいました。言われてみると前歯の歯肉が退縮
していますが、赤い歯茎だったり、血が出るということがなく、全く気がつきませんでした。
次回来院時は、検査結果から治療方針等の説明があります。歯科医院を訪れてから、なん
だか歯全部が浮いているような感覚がありますし、A歯科医院での抜歯の原因にも歯槽骨の
吸収がありましたので、なんだか急速に歯槽骨が吸収されているような気さえしてきます。
なんともなかった右上6番もまたもや抜けそうな妙な感じがします。次回診療日が翌日なら
いいのにとさえ思え、毎日不安で仕事にも集中できません。いけないとは思いつつ、気がつ
くと舌で下顎前歯を触っているのです。HPの記述の歯の動揺などの項目を読んでは、不安
を重ねております。自分では歯の明らかな動揺はないと思いますが、歯肉なのか歯なのか、
前歯部分において今までにない感じがして とても気になります。
先生の判断はいかがでしょうか?
もう抜歯しかないのでしょうか?
抗生物質にアレルギーがあることが治療に不利になりますか?
また、抜髄しないと歯槽骨の吸収は避けられないとありましたが、その理由も教えてくださ
い。御回答よろしくお願いします。
「歯肉の退縮が気になる」というのは、30代女性に多くみられる質問です。
本質は、すいてきた歯肉よりむしろ破壊された歯槽骨の方にあります。30代ともなると、
歯槽膿漏はそろそろ初期から中期に差しかかる頃です。本来は、誰でもこうなるに決まって
いるのだから、永久歯に生えかわる時点から定期的な歯石除去を全員が行なうべきだと提唱
しているところです。しかし、この時点で気が付いていただければ、今からでもほとんどの
歯を生涯もたすことは十分可能です。
お伺いしたところ歯槽骨破壊がおそらく著明ではないと思いますので、今から定期的な歯石
除去さえ行なっていただければ、こと歯槽膿漏で歯を失うということは生涯ない可能性は十分
あります。ポケットの深さは全く?気にすることはないでしょう。歯石除去を習慣的に行なえ
ば、必ず2mm程度に引き締まってくるはずです。
アレルギーに関しては、それだけ抵抗力が弱いということですので必ずマイナス要素として
働きます。従って、少し脅しっぽくなってしまいますが、毎月の歯石除去を行なわなければ
必ず平均的な人よりも早く歯を失ってしまうでしょう。
問題は、毎月の歯石除去を行なってくれる歯医者が見つかるかどうかです。「そんなに毎月
したら歯が擦り減ってしまいますよ」とか「3か月(半年)ごとで十分です」という歯医者が
ほとんどだと思います。その心は、「大丈夫、そんなにしなくっても歯の平均的な寿命である
50〜60歳ころまではもちますよ」という意味です。医者の使命は、平均的な寿命まで導いてあ
げることだという気持ちが根底にあります。80歳というか生涯保ち続けたいと願うならば、強
引に頼み込むか、またはそれに応じてくれる歯科医を探すしかありません。
歯槽膿漏に対する抜髄処置は、末期になって「抜歯しかない」といわれるくらいになってから
の話ですので、今はそうならないように努めてください。理由を話し出すと1冊の世界的な論文
になってしまいます。私も死ぬまでにはその論文を書き上げたいと思っていますが、それ程膨大
な量ですのでご勘弁願います。
歯周病については、リスクファクターからみても急激に進行することもないので、顎の検
査の結果からスプリントを作成し、それと平行して歯周病の治療を行うということでした。
内容は、スケーリング、ルートプレーニング、レーザーでのポケット治療、フッ素塗布でし
た。お時間がありましたら、アドバイスお願いします。
回答:
個人的には、現在の顎関節症治療の方向に疑問を抱いて、10年以上前に足を洗いました。
関節雑音にそれらの検査や治療が有効かどうかには疑問をもちますが、泥沼に入り込まない
範囲で治療するよう心がけてください。私が必要と思う治療は、スケーリングと、毎月の
メンテナンスだけです。