抜歯の診断が正しいかどうかは、担当する歯科医の技術と熱意によって大きく左右されます。

骨が溶けている

(アメリカ)

日付、時間:2004年5月19日 14:08  氏名:  Reiko   
所在都道府県:  アメリカ  職 業:  その他  年 齢: 36歳      性別:  female  

骨が溶けている 質問:
 ホームページこの間から参考にさせていただいています。さてお忙しいところ申し訳な いのですが、もしアドバイスいただけましたら幸いです。
現在アメリカに在住しておりますが、渡米以来クラウンをなおしたことはあってもちゃん と全体をチェックすることなく3年おりました。最近の全体チェックの際、X線にて数カ 所(上下左、および右下の1、2大臼歯と右下犬歯が root canal にかかっていると診断 をうけました。また歯茎のポケットは良いところで2mm ひどいこころが6mm でした。 まずは歯茎のクリーニングで状態を取り戻すと同時に、 root canal の方は専門医に行く ようにということで先日合意いたしました。
 しろうと目にも下の両側 2大臼歯の2本の牙のうち一つの周りに明らかに陰影ができ ており、骨が溶けているのがわかりましたが、全体の高さはまだほぼ保たれた状態です。 しかしながら専門医の意見はその当時一ケ所が大きくはれていたにも関わらず、すぐに 抜いてimplant をするように、とのことでしたが、どうも納得がいかないままです。 しかも考えも及ばないほどの費用なので、それも躊躇する原因となっております。 現在は腫れはなく、ぐらつく歯もありません。

 そこで質問なのですが、(むろん写真無しでは判断は難しいでしょうが)歯の下部の 骨が溶け出している状態での抜歯は妥当な判断でしょうか?
むろん歯をできるだけ延命させたいのが希望なのですが、仮に一時帰国して治療を先生に お願いできたと仮定した場合、数回治療してのちのメインテナンスをアメリカで行うとい ったことは可能でしょうか?
また日本での歯周病治療に保険は適応されるのでしょうか?
御多忙のなか申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

回答
 歯槽膿漏や根尖病巣によって歯槽骨破壊が進行しているケースでは、これ以上破壊が進んで インプラントが植えられなくなったり、入れ歯を作るにしても歯槽骨がなくなると安定しなく なるので早や目に抜いた方が良いという見解が歯科界では広く支持されています。
 これは、骨破壊を有効に回復したり停止させることができない歯科医にとっては正論かも しれませんが、私はほとんどのケースについて反対です。まずそれぞれの破壊原因が何である か、根尖病巣・歯槽膿漏・歯根破折・穿孔などを特定して改善の余地があるものについては 最大限残す努力をすべきだと思っております。抜歯の診断が正しいかどうかは、担当する歯科医 の技術と熱意によって大きく左右されます。私に保存可能な範疇かどうかは分かりませんが、 少なくともそれらの歯を含めた総合的なアドバイスはできると思います。

 日本でも専門的な歯周病治療の多くが保険適応外という話を数多く耳にしておりますが、 少なくとも私の医院では基本的には全て保険内で対処しております。また、必要な処置を 行なったあとのメインテナンスはアメリカで継続することは十分可能だと思います。


返信:2004年5月21日 0:21
 さっそくの丁寧な御返事ありがとうございました。もし帰国時(おそらく7ー8月)に 先生に見ていただけたら心強いかとおもいます。
その前にこちらで deep cleaning を行っておこうとおもうのですが、医師からかなり高額 (7万円相当)のクリーニングキットを購入するように言われております。キットは電動歯 ブラシ、水圧ポンプなどらしいのですが。。。
 確かに先生の御指摘どおり歯石を1ヶ月ごとにとることがこちらの医者ではむずかしいか もしれないことを考えると必要なのかもとおもうのですが、それよりは2ー3ヶ月ごとであ っても定期的にクリーニング、兼チェックを行うほうが私にとっては安心ではあります。 重ね重ね申し訳ありませんが、御意見いただけましたら幸いです。

回答:
 2ー3ヶ月ごとで十分とはいえませんが、それがあるのとないのとでは大違いです。7万 円のキットは、それで済むならば考え様によっては非常に安いけれども私の価値観からいえ ば全く無駄。問題の歯は、治療して治るかどうか分かりませんが少なくとも簡単に抜くこと には反対です。