歯胚再生はクローン技術とともに理論的には実現可能な技術だと思います。

「歯胚再生」

日付、時間:2004年6月1日 13:13  氏名:  SK   
所在都道府県:  埼玉  職 業:  会社員  年 齢: 35歳      性別:  female  

「歯胚再生」 質問:
 はじめまして。HPは2年ほど前より大変興味深く拝見させていただいております。 質問は今回が初めてなのですが、よろしくお願いいたします。

質問は「歯胚再生」についてです。
一昨年ニュースなどで耳にするようになって、関心を持ち始めました。昨年末、犬を使った 実験で歯胚を移植して20週間ほどで「歯髄、象牙質、エナメル質など一揃いの組織を持っ た歯に成長した。。とニュースで聞きました。実用化は2006年〜2007年とのことで が、そんなに早く歯医者さんで治療実現するのでしょうか?
そしてこの歯胚再生治療をするときに、口腔内条件?(インプラントを施した部位はダメと か。。)などはあるのでしょうか?

もうひとつ、なのですが、今通院している歯科医院では「クリーニングをお願いします」と 頼んでいたのですが、どうやら単なる歯のクリーニングしかしてもらえてなかったようです。 なぜなら先日初めて「スケーリングをお願いします」と言ったら、方法が違っていました。 そこの先生は歯周ポケットの深さを測るとき、「ここ深くなっているよ」とか言うのに、ク リーニングのみ(たぶん着色を落とす作業)しかしてくれなくて歯石除去をしてくれなかっ たなんて、ちょっと矛盾しているような気がします。それにその先生に言わせると、私の歯 は歯石がつきにくいそうなのですが、その割には測るたびにポケットが深くなっている歯があ るのはどういうことなのでしょうか?

感想:
 数ある歯科相談サイトの中でも最も信頼でき、とても参考になります。歯牙保存を考え ておられる先生でいらっしゃる印象を受けます。

回答
 歯胚再生はクローン技術とともに理論的には実現可能な技術だと思います。また歯槽膿漏の 骨再生と異なり、私の理論とも一致しますので期待をもって見守っております。しかし、実際 の実験の進め方や進行状況を知らないので、何時頃実用化するかについては全く予測がたちま せん。今、犬を使った実験段階であることや厚生省の新規認可速度を考慮して、実際の人間に 応用できる時期が2〜3年ということはどう考えても無理があるように思います。ましてやそ れが、現実的な費用で行なわれるとなると一体いつの事だか想像すらできません。
 仮に歯胚再生が実現した場合、インプラントが植立されている場所にはそのまま植え付ける のは不可能ですが、インプラントを除去さえすれば障害はないように思います。

 一見歯石がないようにみえる口腔内に対して、歯石除去が有効であるかどうかという認識が 大きく左右していると思います。一見歯石がないようにみえても歯槽膿漏は進行して行きます。 私は長年の経験を重ね合わせて、それでも毎月の歯石除去は大きな成果をもたらすことを確信 しております。しかし、一般的な歯科医の認識は、大量の歯石がある時ですら歯石除去の効果 を知らない人が多いと思います。歯の喪失は、止め様の無い老化現象と決め付けている歯科医 にとって、歯石除去は不必要なことというのが一般的な考え方です。そのような歯科医に「歯 のクリーニング」を頼んでも歯面清掃という発想しか浮かばないのではないでしょうか。
 歯石除去もしくはスケーリングをお願いしますとストレートに頼むか、他の歯科医を探すか でしょうね。


返信:2004年6月3日 20:52
 早速の回答をありがとうございました。歯胚再生は私たちにとって希望の星(?)的な研究 です。。埼玉在住の私にとって姫路はとても遠く通院はできませんが、このようにメールで質 問や疑問にお答えいただけてうれしいです。