大切なことは、定期検診と早期治療。
欠損補綴の比較

日付、時間:Wed Sep 1 11:53:49 Japan 1999    氏名: T.S   
所在都道府県:神奈川   職 業:会社員   年 齢:31歳      性別: male  

局部床義歯(部分入れ歯)
片側の奥歯が2〜3本なくなった場合
質問:
 部分入れ歯について、お伺いします。
 先日、左上の奥から2本目を抜歯した時に、奥歯に関しては、ブリッジにするのが通常だが、 私の場合、すでに20年来、左上前歯が部分入れ歯だったため、まずは入れ歯にして、その 様子をみてから、ブリッジにするならしましょう、と言うことで、部分入れ歯を作りました。
 その部分入れ歯のバネは、左上の一番奥と奥から3本目、右上の奥から2本目と3本目に かかっています。(前歯には目立つので、バネを掛けないように、私からお願いしたので、 安定感が最高でないのは了承済みです。)見栄えの点では問題ないのですが、物をかんだ時 の奥歯の強度(前歯は、使わないので、問題ありません。)と、バネが奥にかかっているために、 裏側の違和感に問題を感じています。

 そこで、ご質問なのですが、奥歯をブリッジにした場合、強度は普通の歯と同等と考えても よろしいのでしょうか。また、前歯もブリッジにすることは可能なのでしょうか。
ブリッジにすると両側の歯が、虫歯になりやすいと聞いたことがあるのですが、その点も お聞かせ願います。
 最後に、前歯については、ブリッジではなく、骨に接着する方法もあるそうですが、その場合の 功罪についてお教え願います。

ご意見・ご感想:
本来は、かかりつけの先生に、詳しくお伺いするべきことなのかもしれま せんが、いつもお忙しそうで、ゆっくり聞けず悩んでおりました。そんな折、こちらに立ち寄らせ てもらいました。先生もお忙しいとは思いますが、よろしくお願い致します。

回答  6番欠損のD6Fブリッジですと咬合負担能力は天然歯とほぼ同様です。前歯も1〜2本欠損 ですとほぼ同様で、舌触りとか歯間の隙間など天然歯と全く同様とはいきませんがおそらく納得の 範囲だと思います。
 ムシ歯になりやすい件に関しては、局部床義歯よりは発生頻度は少ないと思いますが、歯牙喪失 の危険に陥るような重篤なムシ歯になる可能性があります。これは、Bridgeの支台歯の片側脱離と 対応の遅さに起因する場合が多く、定期検診と早期治療によって防ぐことが可能です。
 また、Bridgeを有髄(神経を取らない)のまま処理するのか無髄(神経を取る)で処理するのかに よっても予後が異なります。有髄ですと削除量に限界がありますので脱離し易いとか、後々歯髄炎 を起こす可能性があります。平行性の問題などで無髄にしなくてはならないケースも多いようですが、 無髄ですと根尖病巣を作ってしまう可能性やムシ歯になっても痛みがないことから使い物にならない ほど重篤なムシ歯になる可能性があります。

 “骨に接着する方法”とはインプラントのことだと思いますが、お金のことを一切考えないで、うまく いった時には最もベストな選択だと思います。ただ、問題は上顎の奥歯あたりは植立不可能な場合 が多いことや、必ずしも成功するとは限らないのが最大の欠点です。

局部床義歯 ブリッジ インプラント
利 点 隣在歯の削除量が少ない 天然歯とほぼ同様に使用が出来る 隣在歯への負担が少なく、天然歯とほぼ同様に使用が出来る
欠 点 違和感が強い
咬合負担能力が低い
鉤歯がムシ歯になりやすい
支台歯となる隣在歯の削除量が大きい
支台歯を抜髄した時には根尖病巣の可能性
脱離による歯牙喪失の危険性
保険適応外で費用が高い
必ずしも成功するとは限らない
場所によっては植立できない

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