日付、時間:2004年6月15日 19:46
氏名: ヨウタン
所在都道府県: 静岡
職 業: その他
年 齢: 26歳
性別: female
質問:
私は小学校で養護教諭をしています。歯周病予防の保健指導を今行っていますが、子ども
からの質問に上手く答えられなかったので、メールしています。
象牙質はどうして柔らかいのですか?
象牙質も石灰化を起こすのですか?
教えてください。よろしくお願いします。
一般的に、エナメル質は無機質99%、象牙質65%と言われています。
無機質だけだと、お茶碗同様、とっても硬いけれどもカチンと割れてしまう脆さも兼ね備えて
おります。一方、その無機質にコラーゲンをはじめとする有機質線維を混ぜ合わせると、多少
硬度は落ちますが粘りがでて割れ難くなります。新鮮なコラーゲンを含んだ骨を折ろうとする
と何となく粘りっけがあって折れにくい、反面、死んで乾燥した骨は有機質であるコラーゲン
を失って簡単にポキッと折れてしまいます。
歯の形成過程において、有機質が周囲の石灰分を取り込んで徐々に無機質を作り上げていき
ます。その最高レベルのものが歯の周囲を覆う無機質99%のエナメル質です。エナメル質は萌出
前に既に完成された形、それに遅れて形成される象牙質は萌出当時の石灰化度が65%以下。
80歳まで生きたとして最終的な石灰化度90%?に向かって、象牙質は萌出後も石灰化を進めて
いきます。
子供のむし歯は進行が早いというのは、エナメル質を突破する速度にはそれ程大きな差はない
けれど、一旦象牙質に到達したあとは石灰化が不十分な子供の歯が異常に早いという結果をもた
らしていると考えられます。